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「遥か南へ」/辿り着く場所

 2010-03-16-23:32
遙か南へ (文春文庫)遙か南へ (文春文庫)
(2000/01)
ロバート・R. マキャモン

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内容(「BOOK」データベースより)
はずみで人を殺してしまったヴェトナム帰りのダンは、余命いくばくもない身ながら逃避行に出た。道連れは顔半分に痣のある美少女に、ダンを追う三本腕の賞金稼ぎとプレスリーのそっくりさん。アウトサイダーにされてしまった者たちは、癒しを求めてひたすら南へ向かう。温もりと恐怖が混ざり合う不思議なロード・ノヴェル。

1 よくできた息子
2 死を刻む音
3 カインのしるし
4 クリントの手
5 進むべき道のり
6 ペルヴィス登場
7 大きな蛙
8 不可解な業
9 時は盗っ人
10 射線上に立つ
11 夜の旅
12 ジュピター
13 悪魔の天国
14 小さな頭骨
15 真実
16 黄色に黒
17 迷路
18 もっとも危険な土地
19 地獄のわが家
20 キングの流す赤い血
21 音もなく動く影
22 鱗の音
23 髑髏
24 象と虎
25 爬行動物
26 窮地
27 酷暑のなかへ
28 エイヴリエッタの島
29 ブライト・ガール
 訳者あとがき
「少年時代」(感想)の興奮そのままに、借りてきた本です。

しかし、目次を見てもお分かりの通り、とにかくなっがい! しかも、実は途中まではそんなに面白くはなかったのです。「よい子」「良い兵隊」であったダンの事情に同情こそすれ、エンタメとして面白くなんて読めない…という感じ。良い兵隊として、上官の命ずるままに任務を果たした彼に与えられたのは、枯葉剤を浴びたことによる脳腫瘍や白血病。彼が思い出すのは、枯葉剤の銀色の雨に、ヴェトコンにより焼かれる子供のにおい。そうして、”Gone South(南へ行っちまった)”、つまりは気が狂ってしまった仲間たちの姿…。

物語が俄然息を吹き返すのが、プレスリーのそっくりさん、ペルヴィスが出て来るあたり。その前に、三本腕の男、フリント(&クリント)も出てくるんだけど、この彼の事情も可哀そうで…。やっぱり面白くなんて読めないよーと思っていたんだけど、ペルヴィスの場合はね、彼なりの事情があるようなんだけど、その事情が後から出てくるからか、読んでてそんなに辛くなかったのです。彼の楽観性もあるんだろうけど。

逃げるダンに、追う賞金稼ぎのフリントとペルヴィス。更には顔のあざを治すために、”ブライト・ガール”なる癒し手を探す娘、アーデンが絡んできて…。彼らは南へと進むのです。そう、”Gone South(=気が狂ってしまう)”とのダブル・ミーニング。

よい子、良い兵隊であり続けたのに、頭に血が上ったその一瞬に人を殺してしまったダン。三本腕のためにまともな仕事に就くことも出来ず、孤独を好んでいたフリント。エルヴィス・プレスリーとして生きることに情熱を注いでいた、セシル・ペルヴィス。顔のあざに苦しんでいたアーデン。南に行った彼らは救いを得たのか?

ラストはなんだか意外でした。”ブライト・ガール”の正体、ダンの元々の仕事の理由(ま、これはラストまで行くと、ああ、それでこの職業だったのね、と分かるんだけど)、おー、そうくるか、という感じ。警察の無能っぷりとか、この懸賞金の額で賞金稼ぎなんて商売がなりたつのかなー、とか色々疑問もありますが、ラストに辿り着いた時、このロード・ノベルに付き合って良かったと思ったのでした。

「少年時代」におけるほど魔法が前面に出ているわけではないけれど、”ブライト・ガール”の存在とか、島の修道院の様子などにほのかな魔法の香りを感じました。ダンたちを助けた、沼地にすむ元海軍部隊ののトレインなんかも、そういえば魔法の存在かもね。

「お狂言師歌吉うきよ暦」

 2010-03-04-23:01
お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)
(2008/12/12)
杉本 章子

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内容紹介
路考(ろこう)お粂(くめ)と謳(うた)われた水木歌仙の下で踊りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて5年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸(このこ)で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が……。

目次
鋸の小町
藤娘の夜
出合茶屋
その夜の客
お糸の祝言

仕掛け花火
消し幕
解説 縄田一男
若干流し読んじゃったんですが、”お狂言師”という踊りを披露する一座の世界が面白かったです。旅の一座と混合してたんですが、お吉はきちんとした所の娘(駕籠屋なので、もちろん武家の娘というわけにはいかないけれど)。町娘のお稽古事の延長に、お狂言師の世界があったんですね。

顔に一生消えない傷を付けられた彼女は、踊りで生きていくことを覚悟するのだけれど、隠密の日向とは何やら良い雰囲気なのだし、どうにかならないのかなぁ。続きもあるようなので、さっくり予約してしまいました。しかし、良く考えると、ただの町娘に隠密もどきの働きをさせるなんてひどいな。次作でもお吉は働かされているのかしら。時代はちょうど水野忠邦の天保の改革あたり。時代物を読んでいると、水野忠邦、いつもあんまり恨まれていて、ちょっとかわいそうになってしまいます。

杉本章子さんという方、全然知らなかったんですが、直木賞作家なんですねえ(89年に受賞)。さすがの手堅さでありました。

「借金取りの王子」/君たちに明日はない2

 2010-03-04-22:14
借金取りの王子借金取りの王子
(2007/09)
垣根 涼介

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内容(「BOOK」データベースより)
デキる女ほど、なぜ辞めたがる??リストラ請負人・村上真介の悩みは今日も深い。デパート、生保、金融、ホテル…次の標的は、あなたかも!?恋と仕事の傑作エンタテインメント、ますますパワーアップ。

結局、NHKのドラマの方は、一回しか見られなかったんですが、本の方は順調に読み進んでいます。「君たちに明日はない」(感想)の続編です。

今回も真介の口上は滑らか。
「これを機会に、新しい外の世界にチャレンジされるのも一考かと思われますが、いかがでしょう」。
この辺りは嫌になるほど、リアリティがあるような気がしてしまいます。

今、この男のデカいアタマのなかには、大金が転がり込み、転職活動もうまくいって、新たな職場で活躍している自分のイメージが浮かんでいる。希望的観測に沿った未来。
最近になって分かってきた。
人間は、受け入れがたい現実は受け入れない。不本意な将来には目を塞ぎ、代わりに自分に都合のいい未来だけを信じる。(p23より引用)

このあたりも、ね。

真介は彼らの錯覚を利用して、辞職勧告を受け入れるよう”落とす”。もちろん、それは錯覚にしか過ぎないのだから、それは鬼のやること、自分はろくでなしだとの自覚はあるのだけれど…。それでも、それが真介のオシゴト。今回も4件の面接が描かれます。

真介とて、何も考えていないわけではなくて、File5は彼の会社が新規に立ち上げた人材派遣業のお話。派遣業の言い出しっぺの真介は、この新規部門のチーフとして、恋人陽子の事務局にスタッフを派遣します。

今回、じーんと来たのは、表題作でもある「借金取りの王子」。消費者金融業の恐ろしさとともに、印象深かったのが「王子」の純情。対になる「姫」の男っぷりも良かったです。ある意味、夢のようなお話でもありましたが、いいんだなぁ。ごっつい結婚宣言、かっこいいです。

今後が気になる展開としては、真介の会社「日本ヒューマンリアクト㈱」の社長、高橋がぐいぐいと出てきたこと。年のころは、真介の恋人、陽子とぴったりなんですよねーー。次作では、このトライアングルには何か進展があるのかしらん。うーん、陽子はどちらと付き合っても良いのではないのかなぁ。真介にはまだまだ独りが似合いそう。とかいって、次作では結婚話とかが出ているのかもしれませんが…。

目次
File1. 二億円の女
File2. 女難の相
File3. 借金取りの王子
File4. 山里の娘
File5. 人にやさしく

「製鉄天使」/赤朽葉家の伝説スピンアウト

 2010-03-04-22:00
製鉄天使製鉄天使
(2009/10/29)
桜庭 一樹

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内容(「BOOK」データベースより)
辺境の地、東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。その地に根を下ろす製鉄会社の長女として生まれた赤緑豆小豆は、鉄を支配し自在に操るという不思議な能力を持っていた。荒ぶる魂に突き動かされるように、彼女はやがてレディース“製鉄天使”の初代総長として、中国地方全土の制圧に乗り出す―あたしら暴走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記。里程標的傑作『赤朽葉家の伝説』から三年、遂に全貌を現した仰天の快作。一九八×年、灼熱の魂が駆け抜ける。

かなり楽しみにしていたんですが、これは残念だったなぁ。”鉄を操る”ところ、どうやら誰かの語りを聞いているようであること、その辺りは新しいんだけど、あとは「赤朽葉家の伝説」を読んでいれば事足りてしまうのです。

ドブスの集団エドワード族とか、漫画的な面白さには溢れているけど、そこに新しさはないんだよねえ。うーむ、これは何を楽しみに読めばいいのでしょうか。ちょっと本気で分からなかったです…。何か読み損なってんのかなー。

「赤朽葉家の伝説」の感想にリンク
目次
一章 鏖のメロディ
二章 エドワード族の最後
三章 スーパー・デリシャス・アイアン・ガール
四章 灼熱のリボン野郎
五章 えいえんの国、さ!
エピローグ

「儚い羊たちの祝宴」

 2010-02-27-22:53
儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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内容(「BOOK」データベースより)
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。

身内に不幸がありまして
北の館の罪人
山荘秘聞
玉野五十鈴の誉れ
儚い羊たちの晩餐
今、内容紹介をコピペしていて気付いたんですが、これ、ラストに拘ったものだったんですねえ。そこは良く分かんなかったけど、多少浮世離れしていても、それなりにキレのよい短編集でした。短編を繋ぐのは、ハイソサエティの子女が集う読書会、「バベルの会」。まぁ、それぞれぶっ飛んだ設定でもあるように思うんだけど、「バベルの会」は、”幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域(アジール)”なんだそうな。再興された「バベルの会」は、また違ったものになるのでしょうか。

ジェリコーのメデューズ号の筏の絵を思わず調べてしまいましたわー。見たことあったけど、これが居間に掛けてある家なんて嫌だわ…(あれ、居間で良かったんだっけ…、応接間とかじゃなかったっけ…)。

それぞれ、多少の突っ込みどころがあるお話なんだけど、「玉野五十鈴の誉れ」だけは、拘ったというラストに突っ込んでしまうなぁ。そういえば、以前、どちらかでもそういった感想をお見掛けしたような…。そ、それはちょっと駄洒落落ちなのでは。

「少年時代」上・下/魔法のボーイズ・ライフ

 2010-02-27-22:40
少年時代〈上〉 (ヴィレッジブックス)少年時代〈上〉 (ヴィレッジブックス)
(2005/07)
ロバート マキャモン

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少年時代〈下〉 (ヴィレッジブックス)少年時代〈下〉 (ヴィレッジブックス)
(2005/07)
ロバート マキャモン

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(↑読んだのは版元も違うハードカバーなんですが、表紙が素敵だったこちらを)

これは、すっごく良かったです。夢中になって読みました。あまりにもパーフェクトな少年時代!アメリカ南部の片田舎、黒人差別が残る小さな町、貧しい家庭、超人ではなくとも、子のためにも恥ずべき行いはすまいと勇気を振り絞る父。
第一部 春の薄闇
第二部 悪魔と天使の夏
第三部 燃える秋
第四部 冬の冷酷な真実
第五部 いまのゼファー
 謝辞
 訳者あとがき
縦糸となるのは、牛乳配達の最中、父と子が遭遇した殺人事件。底なしの湖に沈んでいった車の中の死体をめぐる謎。ワイヤーで首を絞められ、ひどい暴行の跡もあったその死体は、運転手を助けるために湖に飛び込んだ父を夜毎苛む。いっしょに来い、下の暗いところへ…。父の夢の中で死体はこう囁く。

横糸は、少年コーリーが一年間に出会う様々な出来事。父の失業、友の死、爆弾騒ぎなどなど。少年コーリーは成長していくのだが…。更に重要なキーワードは、冒頭の読者への語りにもある「魔法」という言葉。コーリーが暮らす町ゼファーを、彼は魔法の町だという。

あれは魔法の土地だった。
わたしの内には、あの素晴らしい魔法の王国で過ごした少年時代(ボーイズ・ライフ)の思い出がしまわれている。
わたしはおぼえている。
こうしたことをわたしはこれから語ってみたい。

「少年時代」上・下/魔法のボーイズ・ライフ の続きを読む

一言感想

 2010-02-27-22:16
9462794627
(1995/08)
石黒 達昌

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内容(「BOOK」データベースより)
戦争、クスリ、多重人格―90年代の生と死。マラソンの素人に近かった女性ランナーがクスリを使用し、世界記録を上回るペースで来た40キロ過ぎに突然死した。その死を巡って複数の毒物に関わった研究者、医師が、麻薬や毒物の研究と症例を生々しく裁判の証言で語る表題作ほか2篇を収録した最新作品集。

「イスラム教の信者、ユダヤ教の信者、キリスト教徒など、神と終末の日とを信じ善を行う者は、その主のみもとに報酬がある。彼らには恐れも悲しみもない」
94627
ALICE

読みこなせる人が読めば面白いんだと思うんです。でも、こういう説明が延々と続くような小説は苦手なんだよなーーー。たとえて言うと、円城塔さんの「つぎの著者につづく」(「オブ・ザ・ベースボール」の併録だった)のような感じ。あくまで私の中で、ではありますが。ここは、「冬至草」を読んでみようかな。結局、読めたのは内容紹介にもある、表題作「94627」だけでした。これは、他のものよりも設定がもう少し分かり易かったんだよね。
王の眠る丘王の眠る丘
(1993/06)
牧野 修

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内容(「BOOK」データベースより)
少年戌子は、いつか馬奴騎手になりたいと思っていた。馬奴とは、蹄を持ち二本の脚で直立する獣で、騎手はその肩にのって、速さを競うのだ。だが、ある日、戌児が住む流民の町は、黄武神皇が支配する巨大帝国〈霊ノ国〉の軍隊によって、一夜にして壊滅してしまう。親しい人々を殺された戌児とその仲間たちは黄武神皇に復讐を誓うが…、神皇は謎の力に守られていた。戌児たちに残された方法はただ一つ。三年後に開催される国家行事“大耐久馬奴走”に参加することだった。この大陸横断マラソンレースに勝利すれば、神皇暗殺のチャンスがやってくる。戌児は、夢見ていた騎手となって、レースに挑んだ。ハイ!ノヴェル大賞受賞作。

この馬奴がいいんですーー。大きな獣萌え? 周囲の国々を呑み込んで、巨大帝国<霊ノ国(ひのくに)>を作り上げた黄武神皇…。虐げられる人々、アイデンティティを奪われる少数民族。戌子はみなを救えるのか? ってところだけれど、最後に一ひねり。この一ひねりが良かったかな。タイトルの意味も生きるというもの。

↓私が読んだハードカバーは、安彦良和絵だったんですが、おお文庫ではこんなすっきりな絵に! でも、やっぱりイメージはもっと泥臭く。少年と馬奴には、安彦絵がぴったりでした。
王の眠る丘 (ハヤカワ文庫JA)王の眠る丘 (ハヤカワ文庫JA)
(2000/01)
牧野 修

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いっちばんいっちばん
(2008/07)
畠中 恵

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内容(「BOOK」データベースより)
摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若だんな・一太郎に持ち込まれるは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件。お馴染みの妖がオールキャストで活躍する「いっちばん」、厚化粧のお雛ちゃんの素顔が明らかになる「ひなのちよがみ」の他三編を収録。大人気「しゃばけ」シリーズ第七弾。

いっちばん
いっぷく
天狗の使い魔
餡子は甘いか
ひなのちよがみ
「餡子は甘いか」では、栄吉の菓子作りの腕が少しは上がるかなぁ、と思ったんだけどなぁ! 心はきっぱり決まったみたいだけれど…。栄吉の奉公先の主人が言うように、ながーーい目で見ればいいんだよね、きっと(でも、なんかコツとかさ! 栄吉の餡子が壊滅的にダメなのには、外から見て明らかな理由はないの?)。

「にょっ記」/そんな日常

 2010-02-27-21:54
にょっ記にょっ記
(2006/03)
穂村 弘

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内容(「MARC」データベースより)
他人の日常って、ほんとうに奇妙なもの。ましてや鬼才ホムラヒロシともなれば…。くすくす笑いとハイブロウな後味のウソ日記。挿絵はフジモトマサルのひとこま漫画。『別冊文芸春秋』連載に加筆して単行本化。

どうでもいい、しかしそれがいい。

ときどき、穂村さんと会話をしている「天使」はところで誰?(誕生日のプレゼントに木のうろを欲しがったり、第一礼装=おめかしで行くかどうかを聞いたりする。一瞬、彼女的な人のことなのかな、と思ったんだけど、もうもうと土煙りのたつヘッドスライディングを見せてくれたりするので、やっぱり実在ではない不思議な相方のようなものなのかしらん)

大正時代の学習帳とか、綴り方のお手本は純粋に面白そう~~。でも、自分の使ってたものが、後の世の人に見られるのはちょっとやだな。笑

「Heart Beat」/青春音楽小説アンソロジー

 2010-02-24-23:43
Heart BeatHeart Beat
(2008/10/29)
芦原 すなお伊藤 たかみ

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内容紹介
ビートルズも四人、ベンチャーズも四人。なら、アーゴノーツも四人でなくちゃならない。(「アルゴー号の勇者たち~短い叙事詩~」)。
実質的には文化祭の打ち上げっていうより、50ccの解散パーティーになる(「シャンディは、おやすみを言わない」)。
エレキギターのフレーズが聞こえてきた。吹奏楽部の新しいレパートリーだ(「peacemaker」)。
おれはあんまり気乗りしないまま、生まれて初めてライブハウスってところに行った(「おれがはじめて生んだ、まっさらな音」)。
指定されたとおりの場所を押さえて弾くと、ちゃんとブルースに聞こえるではないか(「フランソワ」)。
そのとき僕は、自信過剰で感傷的な、チェロ専攻の高校二年生だった(「再会」)。


「船に乗れ!」が巷で評判の藤谷さん。わが図書館には他にあんまりおいてないようだったので、アンソロジーを借りてきました。これ、読んだことない伊藤たかみさんの短編も入ってたので、ちょうどいいなー、と思って。しかし、伊藤さんてば、いつの間に角田さんと離婚されてたんでしょう。角田さんの再婚のニュースにびっくりでした。


Peacemaker
小路幸也
シャンディは、おやすみを言わない
伊藤たかみ
おれがはじめて生んだ、まっさらな音
楡井亜木子
アルゴー号の勇者たち~短い叙事詩~
芦原すなお
再会
藤谷治
フランソワ
花村萬月
小路さんは流石の手堅さ、伊藤さんのはちょっと甘かったかなー。昔良く読んだ、喜多嶋隆さんをちょっと思い出す感じ。もう少しぴりりとした所が欲しいです。期待の藤谷さんは、これ、どうも「船に乗れ!」の番外なんじゃないかな。これだけだとぜんっぜん分かりませんでした。やっぱりほとぼりが冷めた頃に読もう…。
この中で好きだったのは、「おれがはじめて生んだ、まっさらな音」。高校生のゴツゴツした「おれ」。彼はモンスターに出会えるのかな。この真っ直ぐさで、彼をはじめて夢中にさせたバンドの音と同じくらい、彼を圧倒するモンスターを見つけられるんじゃないかな。

「文学刑事サーズデイ・ネクスト〈3〉だれがゴドーを殺したの?」

 2010-02-24-23:40
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈3〉だれがゴドーを殺したの?〈上〉文学刑事サーズデイ・ネクスト〈3〉だれがゴドーを殺したの?〈上〉
(2007/01)
ジャスパー フォード

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文学刑事サーズデイ・ネクスト〈3〉だれがゴドーを殺したの?〈下〉文学刑事サーズデイ・ネクスト〈3〉だれがゴドーを殺したの?〈下〉
(2007/01)
ジャスパー フォード

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内容(「BOOK」データベースより)
わたしはサーズデイ・ネクスト。ついこのあいだまで、イングランドで暮らす一介の「文学刑事」だった。ジェイン・エアを誘拐した文学破壊凶悪犯ヘイディーズを倒し、ポーの『大鴉』の中で、卑劣な巨大企業ゴライアス社と対決したのはいいが、ひきかえに愛する人をうばわれてしまった。しかも記憶を操る怪女エイオーニスから、兄の仇と命を狙われる始末。そんなわたしに『大いなる遺産』の豪快なブックジャンパー、ミス・ハビシャムが助け舟を出してくれた。普通は現実世界の人間が入れない“ブックワールド”に匿ってくれるという。『ロビンソンクルーソー』の島で過ごすか『高慢と偏見』の中で優雅なドレスをまとうか迷ったが、怪しげな未完の小説のなかでしばらくのんびり身を隠すことにした。しかし運命はわたしに休息をゆるしてくれないらしい。小説世界でも刑事をやるんだよと、ミス・ハビシャムのしごきが始まった…。ヒースクリフから植物怪獣トリフィッドまで、文学オールスター勢揃いの“文学刑事シリーズ”第三弾。

内容(「BOOK」データベースより)
“ブックワールド”に身を潜めてのんびりするはずが、こっちの世界でも、刑事もどきをつとめるハメになったわたし。相変わらず厳しいミス・ハビシャムの叱咤を浴びながら、マクベス三婆の押し売りに耐え、脇役たちのストレス解消セラピーにつきあい、誤植ウイルスを撃退する忙しい日々がはじまった。あるとき、ミノタウロスの逃走を追いかけていた現場で、どうやら小説OSのアップグレードをめぐる陰謀が進行していることに気づく。このままでは型にはまった小説だけが量産され、文学世界が破壊されてしまう!いったい黒幕はだれなのか?わたしから夫ランデンの記憶を完全に消そうと執拗に狙う、怪女エイオーニスの攻撃を必死でかわしながら、相棒となった作中人物仲間とともに捜査に乗り出したが…。

メモメモ。これって、目次を書き写すだけでも満足しちゃうんだなー。
1 朝食の欠如
2 『カヴァーシャム・ハイツ』のなかで
3 三人の魔女、多項選択、嫌み
4 ランデン・パーク=レイン
5 ロスト・プロットの泉
6 グラマサイトの夜
7 ミノタウロスに餌をやる
8 A419号線で一六〇マイル
9 アップル・ベネディクト、針鼠、ブラッドショー隊長
10 第四万三百十九回ジュリスフィクション会議
11 ウルトラワードTMの導入
12 『嵐が丘』
13 セント・スティーヴンの教会近くの貯水池
14 ジェネリックの教育
15 ランデン・パーク=サムボディー
16 ネモ艦長
17 ミノタウロス騒動

18 安らかに眠るスネル、そしてルーシー・ディーン
19 牧羊犬シャドー
20 名前をもらったIbbとObb、『ハイツ』ふたたび
21 パイ泥棒は誰だ?
22 クリミアの悪夢
23 第四万三百二十回ジュリスフィクション会議
24 誓約、ジャンル委員会、ディーン捜索
25 ミス・ハヴィシャム―最後の挨拶
26 ポスト・ハヴィシャム・ブルース
27 わが心の果ての灯台
28 ローラの旅立ち、『ハイツ』ふたたび
29 ブラッドショー夫人とソロモン(審判)社
30 暴露
31 形勢逆転
32 第九百二十三回ブックワールド賞
33 ウルトラワードTM
34 未解決の問題
34a 荒天
今回はヘイディーズ一族のエイオーニスとの戦いもあるんですが、背景にずーっとあるのは、小説OSのアップグレード! ウルトラワードTMの導入を巡り、ブックワールドは何やらきな臭い…。妊娠中にのんびりしようったって、そこはサーズデイのいるところ。そうは問屋がおろしません。

ヒースクリフやロチェスターのようなメジャーどころだけではなく、マイナーな作中人物から、まだ生まれ出ていない小説の作中人物まで、それぞれに個性が溢れていて楽しい~。このシリーズは作中の小ネタも楽しくって、教育を受けて作中人物を演じるようになる”ジェネリック”という存在も面白かったな。彼ら彼女らは色々な役を演じるためのコースを受けるんだけど、一時期誤って、『レベッカ』のダンヴァース夫人が量産されちゃったそうです。ひたひたと迫る、ダンヴァース夫人の一団…。こわーーーーい。実は『レベッカ』読んでないので、あくまでこの本を読んでの想像なんですけど。

有名作品を色々取りこぼしているので、小ネタに十分に反応しきれないところもあるんですが、珍しくイヴリン・ウォーの『ブライヅヘッドふたたび』は分かったよ!(私が読んだのは、『回想のブライズヘッド』だったけど) あー、そして、やっぱりあれはクマなんだよね。

しかし、全部読んでも、サーズデイの愛しのランデンは、相変わらず根絶されたまんまなんです。一応現実の世界に(多少は)リンクしていた、1から比べるとどっぷりとブックワールドなる完璧フィクションの世界だった3。次作はどうなるのかなーー。というか、きちんと4は訳されるのか??
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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