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「ゼロ時間へ」/その瞬間から溯れ

 2007-12-30-00:13

アガサ・クリスティー, 田村 隆一

ゼロ時間へ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-8))

杉の柩 」の記事を書いたときに、ちらりとこの本のことは既に書いているのだけれど、「千の天使がバスケットボールする 」の樹衣子さんの映画記事(『ゼロ時間の謎 』)に触発されて再読です。

P・G・ウッドハウスの「ブランディングズ城の夏の稲妻 」を読んだ時にも、なんとなくクリスティを思い出したのだけれど、こういう一つ所に皆が集まって…、というシチュエーションには、古き良きミステリの香りがするように思います。特にそれが、海岸の避暑地の豪奢な別荘を舞台にしているとあっては!

この別荘に住んでいるのは、高齢のため体は悪くしているものの、精神は依然矍鑠たるままの未亡人、カミラ・トレシリアン夫人と、トレシリアン夫人の遠縁であり、もう十五年以上にわたって彼女の世話を続けている、オールド・ミスのメリイ・アルディン。そして、そこへ集まったのは、ウィンブルドンにも出場する、スポーツマンのネヴィル・ストレンジ。彼の現在の妻、ケイ・ストレンジ、そして、彼の最初の妻、オードリイ・ストレンジ。新旧取り混ぜ、ストレンジ夫人が二人も居るこの事態は、それが当世風だと呑込もうとしても、やはり異常。ネヴィルは彼自身の考えで、ケイとオードリイを引き合わせたと言うのだが…。

さらにケイを崇拝する美男子、テッド・ラティマー、オードリイの従兄弟、トーマス・ロイドもやって来て一つ所に集い、普段は落ち着き払った召使たちもが、ヒステリー状態に陥る緊迫した時間が始まる…。そうして起こる、一つの殺人…。さて、犯人は誰なのか???

この殺人事件はどこから始まっていたのか。一見無関係なエピソードがぴたぴたと嵌り、多くの登場人物を配しての心理劇も、流石女王クリスティらしくまたお見事。樹衣子さんも映画の仕上がりを褒めていらっしゃるけれど、原作もまた、現代にあっても全く古びないものだと思います。しかし、この事件における動機の怖い事! 舞台や登場人物はあくまで優雅だけれど、その心理は下手なホラーよりも怖いです…。また、この動機が古く感じないところがねえ…。


目次
序文
『ドアをあけると、人がいる』
白い雪と紅い薔薇
微妙な陰謀
ゼロ時間
 ソルトクリークの方へ<福永武彦>

昔のハヤカワ文庫のクリスティの本は、真鍋博さんのイラストが素敵だったのですが、今は全部クリスティ文庫になっちゃったんですよね。おっと、私が持っているものとは、訳者も変わっているみたいです。

アガサ・クリスティー, 三川 基好

ゼロ時間へ (クリスティ文庫)

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