スポンサーサイト

 -----------:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

「夜間飛行」/夜をゆく

 2005-07-04-09:24
夜間飛行 (サン=テグジュペリ・コレクション)夜間飛行 (サン=テグジュペリ・コレクション)
(2001/08)
サン‐テグジュペリ

商品詳細を見る

私が借りてきたのは、みすず書房のもの。アンドレ・ジッドの序文と、特別付録として「『夜間飛行』に着想を与えた人物から見た」と題したディディエ・ドーラ氏による文章が付いた、贅沢な造り。ディディエ・ドーラ氏は『夜間飛行』のリヴィエールのモデルであるとされている。

アンドレ・ジッドは序文において、次のようなサン=テグジュペリの手紙の一部を引用している

「勇気はりっぱな感情からはできていません。すこしの逆上、すこしの虚栄心、多くの頑固さ、それにつまらぬスポーツ的な歓びです。とりわけ、肉体的なエネルギーの興奮ですが、これには見るべきものはなにもありません。シャツの胸をはだけて腕組みでもすれば、楽に呼吸できます。そのほうがむしろ爽快です。ことが夜に起こったときなど、とんでもない愚行を演じたという感情がそれにまじります。勇気があるだけの男なら、わたしはけっして尊敬しないつもりです。」

『夜間飛行』は、暗闇の中をゆく開拓者たちの物語であるけれど、よってただの冒険譚ではない。暗い夜空に向かって、夜の星に向かって、地上の灯りに向かって、心が開かれるような物語。各々がその立場、役割に従って、高潔な心で最善を尽くす。美しく硬質なイメージ。操縦士たちの指導者であるリヴィエールの生き方は、ハードボイルド的でもある。

「彼を恐怖から救い出すのだ。わたしが攻撃したのは彼ではない。彼を通じて、未知のもののまえで人間をすくませるかの抵抗なのだ。言い分をきいて、同情してやり、彼の冒険を真に受けてやったら、彼は神秘の国から帰ってきたように思いこむだろう。人間が恐怖をいだくのは、ただ神秘だけだ。もう神秘など存在しないというようにならなければならない。暗い井戸のなかにおりて、そこから這いあがってきた人間たちが、なににも出くわさなかったと言うようにならなければならない。あの男にしても、闇のいちばん秘められた中心、その厚みのなかにおりてゆき、手元なり翼なりしか照らさない小さな坑内ランプさえ持たず、ただ肩幅だけで未知の世界を押しあけてゆくようにならなければならない」

「出来事に奉仕する」リヴィエール。何のためにその仕事をするのか、その仕事がなされなければならないのか、それが見え難い時もあるけれど、どんな仕事にもこういった側面があるのかもしれない。時に家の灯りよりも、外へ出て「征服」することが必要になる。一つ一つの犠牲が、誰かのたゆまぬ努力が、生活を少しずつ豊かに、暮し易くしているのかもしれない。
そう長い物語ではないのだけれど、名作とされる所以が良く分かった。
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://tsuna11.blog70.fc2.com/tb.php/941-217c4dc6
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

掲示板その他リンク

ユーザータグ
最近の記事
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

RSSフィード
カウンター

月別アーカイブ
検索エンジン情報
Googleボットチェッカー Yahoo!ボットチェッカー MSNボットチェッカー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。