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「名句 歌ごよみ 夏」/夏のうた

 2005-08-02-09:39
大岡信「名句 歌ごよみ 夏」

目次
時鳥(ほととぎす)
五月雨
海山(うみやま)
夏祭

牧水が立派だったと思うこと

こちらは、私の実家から借りてきたもの。実家でしこたま本を仕入れてきまして、図書館本が滞っております。優先順位とは違うものを読みたくなってしまうのはなぜだー。夏といえば、やはり冒頭にある「目には青葉 山時鳥 初鰹」でしょうか。この句につられて、さらさらと流し見てしまいました。

「時鳥」「蝉」までは、その語句の説明と代表的な句歌を数ページにわたって解説し、その後一つ一つの詳細な解説に入るスタイル。「万葉の時代から現代まで、古今の[夏]の秀作を精選し、詩情あふれる解説で綴る」(表紙裏より)「牧水が立派だったと思うこと」は、第一回若山牧水賞授賞式記念講演をおさめたもの。巻末には「句歌索引」も付いているので、好きな句歌を探してもよいかもしれません。軽い文庫本だし、手軽に好きな所から読めて、なかなか良い感触の本でした。
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■「時鳥」より
これも、この解説がなければ、全く知らないことだった。「ほととぎす」は、ただ鳥としてのほととぎすを歌ったものではない。

時鳥は春渡来する渡り鳥だが、山に囲まれた京都に住む当時の貴族は、花の咲きほこる時期に鳴きはじめる時鳥を、花を慕って山からやってくると考え、「ヤマホトトギス」と呼び慣わした。しかも、花を慕ってやってくる鳥というものを少しずらして考えると、花であるところの女を慕って通ってくる男のイメージに重なる。動植物を擬人化して考えることを好んだそのころの人々にとって、時鳥は歌の題材としては活用範囲の広い、空想を刺戟される鳥だったのである。

■「牧水が立派だったと思うこと」より
牧水は放浪の詩人ではなかった。牧水には、夢中になって飛び出した後で分かった、旅をする理由がちゃんとあった。牧水の旅はとにかく遮二無二歩く。歩いている内に、生命の孤独感と同時に、自分が思いがけない形で出会った、川、谷、道、山に歓喜の情に浸される。そしてその歓喜が欲しいから、夢中になったまた歩く。

引用されている岡本かの子の文。
「自然をご飯のやうに食べた。お酒のやうに呑んだ。自然が容赦なく牧水さんに溶流し、傾倒し、一致したのは当然である。牧水さんこそ我が国古今唯一の自然詩人であると極言できる。古今の大詩人に自然と秀歌がいくばくかあるにしても、牧水さんほど徹頭徹尾自然と自家の歌を終始せしめた人はいない」

戻って、大岡氏の文。
自然を歌っているように見せて、実は自分の抱懐する哲学思想などをそれにそえて洩らすようなやり方をする人は、歌人でも詩人でも多い。自然界を歌っているように見せて、自分自身が他に思っていることを歌うのが、方法論の一つだけれど、牧水はその対極にある。

私のイメージはどちらかというと、ちょっと淋しそうな歌を作る人だったのですが、どうも違うようです。自然と自分が一体化しているだなんて、気持ちが良さそうな境地だなぁ、と感じました。
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昔、「小林一茶かるた」を持っていて、一茶の句だけは随分覚えていたつもりだったのですが、大方を忘れている事に気付きました。ブログに文章を書いていても、どうも言葉が多い自分ですが、字句の制約があるなかで、ある景色を切り取ることの出来る、句歌のミニマムな美しさもいいなぁ、と思いました。

大岡 信
名句 歌ごよみ「夏」
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を、ピンクの文字の部分は引用後要約を行っております。何か問題がございましたら、御連絡下さい。
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Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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