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「美女の不幸」/ずれる

 2005-08-05-09:04
遥 洋子「美女の不幸」

表紙には「磨きすぎ」にご用心!とある。ついでにいうと、この表紙はとても怖い。「うつくしい」ということは、単純に「しあわせ」だと思うのに、と借りてきた。著者が「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」の遥洋子さんであることも大きかった。

芸能界は『日本国中の「きれい」と言われてその気になった女たちが集まってくる職場』である。しかし、そこで働く女性たちの素顔は、自信に満ち溢れたものではない、と遥さんは言う。

容姿でお金が取れるほどの女性たちが、そのことを手放しでは喜ばず、それどころか、明るく愛想をふりまく合間、メイク室で全身からけだるさを放出するように「ふんっ」と鼻息を出すときの表情は、人を不安に陥れるほどの凄みがあったりする。美しさの奥には何かがある。
手放しでは喜べない何か。
それは長年ずっと解けない謎のまま、私のしこりになっていた。
(中略)
私は美しさを仕事の糧としている女性たちを多く見てきた。そして、彼女たちから立ち上る闇のようなものを見るにつけ、社会で信仰のように崇められている「美」への猛進に疑問を持つのだ。
美しくなれば、ほんとうに、幸せになれるのか?

エッセイではなく、小説の形をとっている。主人公はキャスターを務める、佐々波ひかる。ただし、「主婦向け」の夕方六時台のニュースキャスターであり、それがコンプレックスでもあったりする(もっと「知的」で男性受けする美人は、夜のニュースを担当するのだ)。美しく自分を磨き上げ、仕事も出来る。しかし、仕事場では怖がられる。なぜか?「それは、佐々波さんが美人だからですよ」。しかし、世の中には敬遠される美女だけではない。なぜ?答えは「お姫様タイプ、少女キャラではない、大人の美女は敬遠される」。

うーん。「美」が「鎧」になる時、それが不幸の始まりなのかもしれない。「鎧」(というか、外見)に惹かれてやってきた異性を信用することが出来ず、またその「鎧」が仕事のための対外的な顔であるから、ずれも生じる。「本当の自分(の内面)」から、どんどんずれてしまうのだろうか。「鎧」ではない美しさ、もあると思うのだけれど。でも、やっぱり「働く」(お金を貰う)ための「美」はただの「鎧」であるわけで、それと幸福が得られるかどうかは、また別の問題なのかもしれない。

人は自分の印象で、他者の中身までを勝手に決め付けているのかも。美しい人を見るとこちらも幸せになる気がするけれど。観賞用や画一的な「美」ではなく、凛とした美しい佇まいが好き。幸せかどうかは、美の種類と、その使用法によるのかなぁ。


遥 洋子
美女の不幸

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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