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「ダウリーと闘い続けて」/花嫁はなぜ焼き殺されるのか

 2005-08-30-10:30
スパドラー・ブタリアー著/鳥居千代香訳
「ダウリーと闘い続けて―インドの女性と結婚持参金」つげ書房新社

訳のせいなのか、原文のせいなのか、決して読みやすい文ではない。しかし、これは事実が全てを凌駕するタイプの本。

目次
序文
第一章  隣家で起こったこと
第二章  不正感
第三章  活動の始まり
第四章  街頭劇
第五章  家族の共謀
第六章  新しい場所・古い問題
第七章  団体の設立
第八章  インドの司法制度との出会い
第九章  有罪判決と「不確かさの恩恵」
第十章  なぜ有罪判決が珍しいか―立法者と彼らの論理
第十一章 偏見と先入観
第十二章 抵抗することの重要性
第十三章 終わりに
訳者あとがき

ダウリーとは、訳注によれば「結婚持参金・婚資」とのこと。

本書は、隣家の若い女性の死を切っ掛けに、「ダウリー問題」に気付き、この問題と取り組んだ歴史を著したもの。著者は八十一歳でこの本を書いたが、現在でも女性団体「カルミカ」での仕事を続けているとのこと。

日本でも結納金や結婚支度金といったものがあるけれど、ダウリーがこれとは違うのは、ダウリーはただ結婚の時だけに要求されるものではないということ。勿論、結婚の時のダウリーの額も、婚家の重要な関心事項であり、ダウリーの額が十分でないために、婚家で非情ないじめを受けたりもする。ダウリーの要求は際限がない(あなたの息子にスクーターを与えたのだから、義理の息子である私にもスクーターが貰える筈だ、など。現金だけでなく、テレビなどの家電製品も要求される)。

また、ダウリーの問題は、宗教の問題、インドの慣習の問題とも深く結び付いている(カーストとダウリーについては、時々顔を出すものの、全体としてこの本のみでは良く分からなかった)。

魂を救済するには十の方法があるが、ヒンドゥー教徒の女性が救われる道は、ただ結婚という方法のみ。よって、未婚の少女は父親にとって重荷であり、思春期前に娘を結婚させることができなければ、父親はその義務を果たしていないことになる。親は娘を出来るだけ早く結婚させなければならないと焦り、これから姻戚になる人たちにさまざまな気を引くものを提供する。娘を結婚させようと焦るため、娘の結婚相手についての十分な調査も行われない。妻が不審な死を遂げた男性であっても、結婚の申し込みはなくならないのだ。

結婚した娘が、婚家について訴えようと、逃げ出してこようと、女性の実家は「婚家への順応」を望む。なぜなら、離婚した娘がいることは、残りの娘の結婚へ悪影響を及ぼすから。そして女性が殺されて初めて、娘の置かれていた状況に気付くのだ。

この問題で救われないのは、被害者である娘の母親も、またこの慣習に縛られているため、たとえ娘が焼き殺されても、息子の母親としての自分は、「ダウリー」について悪の意識、罪の意識を持たないことだ。司法制度も、著者らの運動により徐々に変わっていくのだが、法律を司る人々の意識の改革は、なかなか難しいようだ(ダウリーは文化的側面も有するので)。

最近でも、ダウリーに関係した暴力やダウリー死の事件の数は増え続けているそうだ。今日、ダウリーは北インドの中流階級のヒンドゥー教徒の家族だけの問題ではなく、その影響は広範囲に拡大し続けており、イスラーム教徒、キリスト教徒、シーク教徒の若い女性たちもまた、ダウリーが原因で苦しんでいるとのことである。

ほとんどの場合、両親や他の人たちは女性にどんな役割も与えない。女性は知性がない、決定を下すことが出来ないと考え、女性に決定権を与えない。だが、そのような考えを捨てれば、必要なとき、女性としての知的な判断を下すことができるのである。

インドでは高い地位に女性がついていることも多いので、こういった問題があることが不思議だったけれど、高い地位にいる女性は、ごく一部の上流階級に属し、機会に恵まれた女性だけであるとのこと。女性は物ではない。慣習も変わっていって欲しいし、女性自身も慣習に縛られることなく、いざという時は自分の身を守り、抵抗出来ますように、と思った。

スバドラー・ブタリアー, 鳥居 千代香
ダウリーと闘い続けて―インドの女性と結婚持参金

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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