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「日本の色を染める」/色を読み解く、染める

 2005-09-13-08:34

吉岡幸雄「日本の色を染める」

表紙カバーより
紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。飛鳥・天平の美や『源氏物語』の世界は、その繊細な色彩感覚と高い染色技術を抜きにしては語れない。数々の古代植物染の復元に取り組んできた著者が、実作者ならではの眼を活かして読み解く、日本の色と衣と染の歴史。

目次
はじめに
第一章 色と染めの発見
第二章 飛鳥・天平の発見
第三章 王朝の色彩―和洋美の確立
第四章 中世の華麗とさび―武家と庶民の衣
第五章 辻が花小袖と戦国武将
第六章 江戸時代の流行色
あとがき

巻頭には「植物染の工程」「染め上がった色」「再現された日本の色と襲の色目」の写真付き。
******************************************************
著者は京都に代々続く染屋の五代目当主。父の死後、出版編集の世界から呼び戻されて、五代目をついだ。どうせ家業を継ぐのなら、一切化学染料を使わずに、伝統的な植物染に徹したいと考えたそうだ。そして仕事をするときに、常に「いにしえの染師たちは、どのような染料にどのような技術をほどこしたのだろうか」と、考えることを心がけているのだという。

なにせ、京都は伝統のある土地。滋賀県の伊吹山で刈り取った刈安(黄色に染まる)は、「正倉院文書」に出てくる「近江刈安」と同じ。千二百年前あまり前から、同じものが使われていたのだ。著者の仕事は、古代に思いをはせ、古文書にあたることでもある。平安時代に編纂された『延喜式』も、本書のあちこちに登場する。日本の伝統色、真に美しい色をもとめる道は険しいけれど、一途に色をもとめる道を記した本書はとても興味深いもの。

いま私は、染師福田伝士とともに、日本の染織の歩みを再現する道の途上にいる。工房では、椿や樫や藁を焼いて灰をつくり、百メートルほどの地下から伏水をくみあげ、山野に自生する植物を採り、また栽培された植物を求め、往時と同じ色材を使って、同じ方法を踏襲するようにしている。しかし、初代のころの「色」にはまだ到達していないかもしれない。ましてや桃山時代の、いや、はるか天平の職人の「色彩」にはまだまだ遠いものがあるだろう。
本書は、日本の伝統色にこだわり、真に美しい色をもとめて、時代をさかのぼろうとあえいでいる染屋が記した、日本の色の具体的な歴史であると思っていただきたい。
 「はじめに」より

「なんて素敵にジャパネスク」 などにハマった経験のある私には、第三章がとても面白かった。特に「四季の彩りの表現―襲の色目」、「王朝の女性装束」、「襲の色目の色調」、「多彩な衣裳を着る」、「『源氏物語』の色をよむ」、「衣配りの場面」、「人柄を映す衣裳」などの衣裳についての記述。いろいろな物語や、絵巻物も著者にかかると、全て色の教科書となる。この辺の読み解きの部分も興味深い。

紙を染める話も出てくるので、鷹男の帝の御料紙はこうやって作ったのかなぁ、なんて楽しんだ(でも、紙を染めるのはとても大変そう!瑠璃姫にさらさらと歌を贈るのなんかに、使っちゃっていいのかしらん・・・)。

自分が実際に染めている人だけあって、定説とされていること、解釈にも「私はそうは思わない」というフレーズがバシバシ出てきたのも、面白かった。

吉岡 幸雄
日本の色を染める

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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