スポンサーサイト
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「和の色手帖」/色の名前
本来の使い方は、「和の心を色とその色名でデザインに活かす」ということなので、「現場で役立つデザイナー必携の一冊」とのこと。実際に、「日本の伝統色を現代のデザインに意識して使用された実例作品」も掲載されている。
【表紙カバーより引用】
色名への興味と、「照柿」という色を知りたかったのもあって、借りてきた(高村薫「照柿」 の感想はここ )。 「日本の色を染める」 と一緒に借りてきたのだけれど、1色一色の説明は互いに重なる所もあり、面白かった。この本は左頁に色の説明、右頁にその色の写真が載せられているのだけど、この色の説明は結構詳しく興味深い。自然界の色(空、花、海、緑など)であったり、着物、陶磁器の色を写真で載せられているのも、とても分かりやすかった。
以下の系統別で詳しく解説されている。
赤系の色
橙/茶系の色
黄系の色
緑系の色
青系の色
紫系の色?
白・灰・黒系の色
さて、お目当てだった「照柿」の色は、橙・茶系の色に分類されている。熟した柿のような強い黄赤を柿色というのだけれど、柿渋で染めた色を柿色と呼ぶこともあるので、混同を避け、照柿と言い換えられることがあるそうだ。つまり照柿とは、熟した柿のような朱赤をいうそうです。やっぱりちょっとねっとりとしたイメージ。
「火事と喧嘩は江戸の花」だった江戸の町では、焼け跡を連想させる「灰」の字が嫌われ、色名に「鼠」をあてたそうです。ちょっと私にはトリビアでした。へえー。
たいていの色には由来がきちんと書いてあるのだけれど、たまには「納戸色」のように、江戸時代に大流行し、由来には諸説があるものの、今となってはなぜその名になったのか、分からなくなってしまった色もある(納戸色は灰みを帯びた緑よりの青とのこと。現在ではほとんど使われなくなってしまった色名なのだそうだ)。
色名の多いことにはビックリ。でもこういうのを知ってると、ちょっぴり気分が豊かになれるような気がする。
