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「源氏物語五十四帖を歩く」/平安女性

 2005-09-16-08:27
監修・朧谷 壽、写真・日徐・貞夫 「源氏物語五十四帖を歩く」JTB

源氏物語というか、光源氏の生き方というやつには、やっぱり「けっ」とは思うのだけれど、一応「物語」としての興味があったから、むかーしむかしに光源氏が死ぬ辺りのところまでは読んだのだと思う。あれは、円地文子さんの手によるものだったか。

で、ざっくり読んでもやっぱり、このふらふら、なよなよしている源氏のどこがいいのか、さっぱり分からなかったのだけれど(読んだ当時は中学生だったし)、それはそれは多くの人がこの物語に魅せられているのも事実。写真も沢山載っているしと、ちょっと気分を変えて図書館で借りてきた。

目次
はじめに 朧谷 壽
源氏物語の原風景 秦恒平
第一部●桐壺~明石    伝説の地名 福嶋昭治
第二部●澪標~藤裏葉  光源氏と女達 後藤祥子
第三部●若菜上~幻
第四部●匂宮~夢浮橋
◆写真紀行 紫式部・武生への道 日徐∫蝠v
源氏物語とその時代 朧谷 壽

それぞれの帖の粗筋も載っているので、一度通して読んだ人には、思い出しやすいかも。この粗筋だけだとちょっと辛いかな、と私は思った。でも、関係図のようなものも載っているので、理解はし易いかな。

全てカラーではないのが残念だけれど、お寺の風景や、屏風絵袱紗の写真なんかも美しい。JTBから出ているだけあって、「旅」に出そうという意図なんでしょうか。
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日本女子大学教授の後藤祥子氏が書かれた、四頁ほどの「光源氏と女達」が面白かった。憧憬の人、可憐な花、孤高の生の三節に分かれて説を展開されている。

■【憧憬の人】
男は多かれ少なかれ、手の届かないのを承知で、あこがれの人を心内に棲まわせるもの。幼い皇子は若い母代(藤壺自体が、亡き源氏の母の身代わり)に、亡き母の面影を求め、成長するに及んで異性としての愛に目覚めていく。この出発点の仕掛けで、読者は光源氏の理解者の位置に置かれ、源氏の不埒を責められないしくみになっているそうだ。

それでもやっぱり私はこの不埒さを責めたい所だけれど「柏木が女三の宮を慕うのとは、最初から立地点が違う」というのは分からんでもない。

で、藤壺の魅力は皇女とか美貌といった、普通の秤では計れないのだって。彼女の自己の身を律する厳しさに、思わず周りが粛然とするような雰囲気を持っている。そのくせ人物の印象はあくまで物柔らか。源氏がその筆跡を「どこか筆勢が弱い」と評しているのは、最初の所で源氏の侵略を拒みきれなかった弱さや優しさを象徴するのか。

藤壺が我が身一つに抱え込んであの世まで持っていった罪を、女三の宮は何一つ持ちこたえられず、周囲にばらまいて、源氏に云わせると、自分だけさっさと涼しくなったことになる。

ちょっと女三の宮に分が悪いし、勝手に契っておいて、それはないだろうと思うけれど、藤壺はある意味、理想の女性なのかもしれない。

■【孤高の生】
かぐや姫同様、落ちない女性というのも永遠の人気がある。空蝉にこだわるのも、人妻への興味という以上に、空蝉自身の拒絶が大きければこそ。大君も拒絶があるからこそ、あれだけ薫が拘るわけだ。


「源氏物語の女性たちの奥行きの深さは結局、源氏という主人公の好みの複雑さ、一筋縄ではいかない性情に由来しているという他ない」とのことで、色々なタイプの女性を登場させようとして、こういう物語の設定になったのだろうか。

でも、更に大君の形代である浮舟が、匂宮と薫の間で煩悶して入水(結果的には助かってるけど)する、というのにはやっぱり何だか納得がいかないのだけどね。男性は二人どころかそれ以上の間をウロウロしているのになぁ、と。
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「源氏物語の原風景」秦恒平氏によると、ほんとは、住吉の海の神がどうたら、とか光源氏の家系的な因縁が、「源氏物語」には存在するのだそうだ。

光源氏の母方と明石上の父方とは、互いに祖父の代では兄弟の不遇の家系であった。この家系の共有していた秘めた願望、天子の位へときわまって行く根の深い願望が、光源氏と明石上との子孫により確実に実現して行く。源氏物語とは、一つにはそういった物語だ。住吉の神はその願いを、海の底から支えていた。光源氏の異様な才能も美貌も、また「海の神」の賜りものであったかと想像される、だって。
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どちらの物語にせよ、光源氏には関わらず生きていく方が、女性としては幸せだと思うけれど(女房と貝合わせでもして遊んでいる方が、楽しそうだよ。ま、この時代に「姫」として生まれる事が出来たとして、の話だけれど)、平安時代にこういった様々な女性が生きていたのかなぁ、と想像することはちょっと楽しい。


朧谷 壽, 日〓 貞夫
源氏物語五十四帖を歩く

*臙脂色の文字の部分は引用を、ピンクの文字の部分は、引用後要約を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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