スポンサーサイト

 -----------:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

「なぎさボーイ」/男の子の気持ち

 2005-09-22-08:32

氷室冴子「なぎさボーイ」

突然、古い本を持ち出してしまいますが、今日は「なぎさボーイ」について。渡辺多恵子さんによる、表紙イラストも実に愛らしい。

「男はすべからく枝葉末節にこだわることなく泰然と構える」をもって理想とする、俺、雨城なぎさ。しかし、彼の外見はそんな決意を裏切るもの。身体は小づくりで、女顔。幼稚園の入園式ではプロポーズされ、中学生となっても、全校生徒に「なぎさちゃん」呼ばわりされてしまう、一種のアイドルでもある。これはそんな「男たるもの」な彼が、恋愛に七転八倒する様を描いた本。

タイトルに「男の子の気持ち」と入れたけれど、実際は女性である氷室冴子さんが書かれているので、これが本当に「男の子の気持ち」なのかは分からない。でも思春期で、且つ「男たるもの」な男の子って、こんな感じなのでしょうか。対になる「多恵子ガール」があって、こちらは多恵子の側から描かれた本。

目次
第一話 俺たちの序章
第二話 俺たちの革命
第三話 俺たちの乱世


「俺たちの序章」は、同じ高校を受験する、なぎさと多恵子の共通の友人、三四郎の恋物語。三四郎は気弱で頼りない同級生。なぎさは父のように、多恵子は母のように、これまで彼の面倒を見てきたのだ。なぎさから見た多恵子は、彼の建前では、でしゃばりでお祭り好きの、お節介で感情的なオンナ。でも本当は? 根性を見せた三四郎にならい、建前ばかりだったなぎさが、ようやく自分の本音を認めるようになる。ちなみに、三四郎の恋は「蕨ヶ丘物語」という別の本になっている。

そうなんだ。
俺は多恵子が、ずっと気に入っていた。
だけど、素直になるのが下手だった。しょうがないよな、性格だし。

「俺たちの革命」は、なぎさが自分の気持ちを認めてからの話。彼は「革命」と呼ぶのだけれど、実際は大した行動を起こしたわけではない。だけれどなぎさは、「革命後」に多恵子が気になって仕方がない、自分自身が気に入らない。多恵子の一挙一動が気になる彼は、「男は泰然と」からは外れているわけであるから。自分の心を乱したくないなぎさは、多恵子に「革命前」に戻ることを宣言する。なぎさにとって思わぬ伏兵が現れ、またごちゃごちゃと考えた挙句に、もう一度仲直り。

あれに意味をもたせて、革命革命と騒いでいたのは、俺の独り芝居だったのか・・・・・・。とすると、今までが革命前夜、今日が革命当日ってことになるのかな。

「俺たちの乱世」では、舞台は高校へ。乱世というだけあって、なぎさと多恵子の周囲にも、それぞれにライバルが出現する(なぎさのライバル、松宮は前章で出てきているけれど)。なぎさは多恵子とはクラスが離れてしまうものの、あまり一緒になりたくなかった、ライバルの松宮、槇修子とは同じクラスになる。突然名前が出てきてしまうけれど、槇修子とは、なぎさが中学時代に陸上競技会で出会った、鮮やかで凛々しく
強い女の子。有体に言えば、多恵子と槇修子の二股状態になってしまい、自他共に認めるシンプル思考のなぎさは大混乱に陥る。

「槇が男だったら、北里以上の親友になれるよ。槇は特別な人間だ。多恵子とは次元が違う。多恵子がいてもいなくても、特別な人間には変わらないんだ」
****************************************************
ちなみに、この「なぎさボーイ」は中途半端な所で終わっているので、「多恵子ガール」を手元において読まないと、身もだえする羽目に陥る。「多恵子ガール」は、「なぎさボーイ」のラストよりも、もう少し長く物語が続く。「ボーイ」と「ガール」、両方の側面から描かれるのが、当時はとても新鮮だった。

氷室 冴子
なぎさボーイ
集英社コバルト文庫
古い本なのに、画像が出て感動です。可愛いでしょ?

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたらご連絡ください。
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://tsuna11.blog70.fc2.com/tb.php/806-7f89de01
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

掲示板その他リンク

ユーザータグ
最近の記事
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

RSSフィード
カウンター

月別アーカイブ
検索エンジン情報
Googleボットチェッカー Yahoo!ボットチェッカー MSNボットチェッカー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。