「アイルランド音楽入門」/アイルランド音楽
序文にはこうある。
多くの音楽家や一般の人々は、アイルランドの音楽を演奏したり聴くのにふさわしい唯一の場所は、酔っ払った人たちでごったがえしているパブであると、いまだに信じている。
私のイメージも「アイルランド音楽=パブ」だったのだけれど、映画などで出てくる雰囲気が気になっていたので、図書館で借りてきた。
更に序文から引くと、「この本の魅力的なところは、いくつかの伝説や妖精の物語を載せているところである。(中略)伝統音楽というわれわれの偉大なる宝物を愛し、その価値のわかる人々のいる、世界じゅうのありとあらゆる場所で、この本が広く受け入れられることを、私は心から願ってやまない」。
目次
Chapter 1 伝統音楽
Chapter 2 ダンス
Chapter 3 音楽
Chapter 4 楽器
Chapter 5 いまはなき巨匠たち
Chapter 6 こんにちの演奏家たち
Chapter 7 ステージ上のアイルランド音楽
序文にもあるように、ごく簡単にではあるけれど、各所で妖精の物語が載せられ、楽譜が散りばめられているところが魅力的。楽譜は短いフレーズだけれど、読んでいると確かに「アイルランド音楽」が浮かんでくる。
面白いな、と思ったのは、1章と4章。フィドル=バイオリン(こんにちでは)であることも、バンジョーが使われる事も知らなかった。イリアン・パイプスとジューズ・ハープだけは、説明が書いてあっても、ちょっとよく分からなかった。実際に見て聴いてみたいなぁ。
ちなみに、4章で取り上げられている楽器は以下。
フィドル、イリアン・パイプス、ティン・ホイッスル、フルート、ハープ、バンジョー、ハンマー・ダルシマー、ジューズ・ハープ、マウス・オーガン(ハーモニカ)、コンサーティーナ、アコーディオン、(以下は伴奏楽器として)ピアノ、ギター、ブズーキ、バゥロン、ボーンズ
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訳者あとがきによると、この本はあくまで「北アイルランドの音楽家によって書かれた」本であるそうだ。
アイルランドの音楽は、それぞれの地域でとても異なった様相を呈す。この本は、北アイルランドで生まれ暮らす音楽家が著したものであるから、人物やトピックも北アイルランドに関わることが多く、その記述はきわめて北アイルランド的な立場からのものではある。
しかし、アイルランドには「アイルランド音楽」という固定したひとつの音楽が存在するのではなく、それぞれに違うことを考え、信じている数多くの音楽家の集積が、それすなわち「アイルランドの音楽」である。だから、この北アイルランド的な切り口も、アイルランド音楽への理解をより深いものにする。
北アイルランド的というか、あの辺りの地理状況は、あまり良く知らない私にとっては、同じに見えてしまうのだけれど、色々な本などで少し触れた感じでは、別の文化を持っている誇りを感じることが多い。ほとんど均質化されている日本などから見ると、不思議にも思う。
- ダイアナ ブリアー, Dianna Boullier, 守安 功
- アイルランド音楽入門―音楽・ダンス・楽器・ひと



