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「ラスト・ダンスは、裸足で」/人生の断片

 2005-10-19-08:23
喜多嶋隆「ラスト・ダンスは、裸足で Last Dance On The Beach」

目次
ラスト・ダンスは、裸足で
デビーに会ったら、よろしくと
渚のラム・コーク
夕陽にシャンパン
赤ワインは、旅のはじまり
初恋のウイスキー・コーク
サングリアが、殴った
門限破りのギムレット
キールのなかに、君がいる
卒業は、ドライ・マティニー
バーボンが聴こえる夜
プルメリアの樹の下で
ウイリーを聴きながら
ブルースじゃ重すぎて
さよならをビリーに
WENDY

重くなく、さらっと読めるけれど、何かが残るような短編集。
言葉にしない部分、雰囲気、行間が好き。

■「夕陽にシャンパン」は、活花の美人家元を起用したCF撮影の話。南の島でトロピカルな花を活けさせ、花の隣にその夏のデパートのファッション・テーマである、<トロピカル・エレガンス>をまとった彼女が立つという趣向。

「LET IT BEって、<あるがままに>って意味でしょう」
「たぶん、そんな感じじゃないかな」
くり返し、そのフレーズを口ずさみながら、彼女は水平線を見つめている。
LET IT BE・・・・・・あるがままに。
ブーゲンビリアの花を、土に咲いているそのまま撮ることで活かしたとき、彼女の中で何が変わったのか。
何がこわれ、何が生まれたのか。

「赤ワインは、旅のはじまり」は、初のフリーの仕事に飛び出す、出発ロビーから話が始まる。いつも繰り返される、彼女との出発間際のやり取り、彼女がくれた紙包み。

今月、失くしたものが3つ。
給料というもの。
かなり気の合う恋人。
それに、とても気に入っているレストランの、奥のカウンター席。
持ってるものは、ただ2つ。
使い込んだキヤノンの撮影機材。
もしかしたら、いい写真が撮れるかもしれない。そんな、角砂糖みたいに頼りない自信のかけら。
それが、すべてだった。

■「門限破りのギムレット」は、ホテルのバーカウンターで会った、スカGを駆る、ジャジャ馬お嬢さんのお話。

BGMが、<For Once In My Life>に変わった。
人生にただ1度の・・・・・・とS・ワンダーが唄っている。
そう。
大統領の決断だろうと、ひとりの娘の決心だろうと、2度と帰らない一瞬であることに、ちがいはない。
おれたちは、黙ってグラスを合わせた。

「WENDY」は水泳少女、ウェンディーの話。彼女はハイ・スクールの最終学年。恋人は空軍パイロットのエディ。彼女の最後の試合の日、エディは編隊飛行しながら、本島の基地に帰る。そして、そのまま空母で本土へ。休暇には帰ってくるとウェンディーに約束するエディだけれど、実はその頃既にウェンディーはこの島にいない。仕事につくため、彼女はハイ・スクールを卒業したら、この島を出ていく。

紺に近いほど青い空。
銀色の飛行機が、視界に入ってきた。
小型ジェット機の編隊。
もしかしたら、エディのチームかもしれない。
6、7機のジェット機は、左から右へ動いていく。横に並んだジェット機の編隊が、白い煙をポッと引いた。
何か、文字を描いていく。
G・・・・・・O・・・・・・!・・・・・・W・・・・・・E・・・・・・N・・・・・・D・・・・・・Y・・・・・・。
<GO! WENDY>
たしかに、そう読める。
ジェット機の編隊は、文字を描き終わると、そのまま東の空へ消えていく。


作家さんのタイプにも色々いるのだと思う。この喜多嶋さんは、同じテーマを繰り返し書くタイプの作家さん。新たな作品を読むことはないと思うけれど(amazonで見たら、最近の作は質が低下しているのでは、と書いてあった。同じテーマを繰り返し書いているので、無理もないけれど)、彼の描くテーマがずっと好きだった。自立すること、自分のルールを持つこと、自分のスタイルで生きていくことがテーマ。抜書きしながら、ちょっと気障?と思う部分もあったけれど、人生のワンシーンを切り取るのがうまいなぁ、と私は思う。

喜多嶋 隆
ラスト・ダンスは、裸足で

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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