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「しゃばけ」/妖(あやかし)

 2005-11-24-08:18
畠中恵「しゃばけ」

江戸十組の株を持つ、廻船問屋の大店である、長崎屋の一人息子、一太郎には、身体が弱く、両親に溺愛されているという他に、ちょっと人とは違う所があった。それは、妖(あやかし)の者達が見えるということ。
五つのときから、祖父につけられて一緒にいる、佐助、仁吉も、実は犬神と、白沢(はくたく)という妖の者。

一太郎は極端に身体が弱く、何度も死にかけた身なものだから、「薬種問屋・長崎屋」を任され、「若だんな」と呼ばれるようになっても、いつも周りの者に気遣われてばかり。そもそも、長崎屋が「薬種問屋」を始めたのも、身体の弱い彼のために薬種を方々から集めている間に、商いが大きくなって一本立ちさせたという経緯がある。齢十七では真実店を切り回せるわけもなく、一太郎はほんの形だけの「若だんな」である。そんな自分を不甲斐なく思うのだけれど、人一倍弱い身体はやはり如何ともし難いもの。

冒頭は、そんな一太郎が独り夜歩きをする場面。彼が供の者も連れず、夜歩きするのは初めてのこと。また、よりにもよってこの夜歩きの際に、人殺しと行き会ってしまう。付喪神・鈴彦姫のお陰でこの危機を何とか逃れ、無事に店へと帰りつくが、一太郎にはこの夜歩きの理由を、周囲の人間に語ることの出来ない理由があった。この理由については徐々に明かされるのだけれど、これは自分の弱い身体、周囲への気兼ねとも無縁ではない。

ある日、一太郎と仁吉は、「命をあがなう特別な薬」を求める客に襲われる。犯人はぼてふりの長五郎で、冒頭の殺人も彼の手によるものであることが分かる。しかし、江戸の町では以来、薬種屋が襲われる事件が相次ぐ。
一太郎と仁吉を襲った犯人は、直ぐに捕まったはずなのに、一体なぜ?
また、薬種屋が襲われた際には、一太郎たちの場合と同じく、下手人が薬を欲しがっている様子が見られたという。下手人が変わりながらも、薬を求めて薬種屋が襲われる事件は止まらない。

この一連の事件は、一太郎の出生の秘密と重なっており、彼は自分の弱い身体、これといった妙案があるわけでもない事を知りながらも、「敵」と対峙することを決意する。そう、見越の入道の言葉の通り、彼もいつまでも甘えてはおられないというわけ。

「まあ、妖の年からみれば、ほんの生まれたてというところだが。人の身なれば、いつまでも甘えてばかりではおられまいよ」
*****************************************
ちょっと軽いかなぁと思う場面もあるのだけれど(ラストの対決とかね)、愛らしい子鬼の鳴家(やなり)、少々色っぽい屏風のぞきなど、なかなかに魅力的。この「しゃばけ」は、第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞したとのことで、江戸捕り物帖を期待する人にお勧めすることは出来ないけれど、江戸ものファンタジーとして、私は好感を持ちました。宮部みゆきの手による江戸もののような、熟れた雰囲気はないのだけれど、その分素直でのびのびしている感じ。続編もあるようです。一太郎の腹違いの兄、松之助の今後も気になるところ。

一太郎の幼馴染、表長屋の菓子屋の跡継ぎ、栄吉との会話もいい。十七ともなれば、自分の置かれている立場をきちんと把握しているもの。どうにもお菓子作りが上手くならない、一人息子の栄吉の立場も辛いのだけれど、「現し世はきびしいし、「世の中、願ってもどうにもかなわない事はあるもんだ。とはいえそんな中、一太郎も敵と対峙することで一回り成長し、御付の二人の妖からも、大人扱いされるようになるし、栄吉もまた自分のペースで成長する。菓子屋の命である、美味しい餡を作ることが出来るようになるのは、今しばらくの時が必要になるかもしれないけれど・・。

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畠中 恵
しゃばけ
 ← 既に文庫化されています

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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