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「檀流クッキング」/参りました、檀さん!

 2005-12-05-09:58

檀一雄「檀流クッキング」

檀一雄といえば、「火宅の人」?、檀ふみの父上?位のイメージしかなかった私ですが、参りました! 素晴らしいです、檀一雄。

これは、檀一雄氏による料理の指南本。季節ごとに分かれた料理は、和食のみに留まらず、この時代としては驚異的に感じられる、世界各地のものに及ぶ。これらを家庭で自ら再現してしまうのだから、凄いとしか言いようが無い。

「まえがき」より引用すると、檀氏の料理事始めは「私が料理などというものをやらなくてはならないハメに立ち至ったのは、私が九歳の時に、母が家出をしてしまったからである」であり、「結局、食うために、私が一切買い出し、私が一切、料理をやる以外になかったのである」ので、誠に年季が入っている。しかも、これらは炊飯器、ガス器具などが無い時代のこと、全て七輪、カマドで煮炊きをしなければならぬ。全く、私などではとても太刀打ち出来ません。

例えば旅先などでも、「私にとってその土地に出かけていったということは、その土地の魚菜を買い漁り、その土地の流儀を、見様見真似、さまざまのものを煮たきし、食ったということかもわからない」ということで、食べたものを決してそのままにはせず、自分で再現してしまうのだ。食に対する好奇心が、非常に強い人だったのだろうなぁ、と思う。

さて、肝心の本文はどういう作りになっているかというと、醤油何匙などの細かい指示は殆ど無い。ダシ汁の調整なども、「お吸物の味よりやや濃い目ぐらいのつもり」などのお吸物基準。とはいえ、肝心な事はきちんと書いてあるし、こういった指示の方が、自分の好みに近い味を作ることが出来るのかもしれない。

以下の引用部分に参りましたー! 「檀のいうことを聞け」、と言われては、つい檀さま!、檀先生!とお呼びしたくなってしまいます。

梅干だの、ラッキョウだの、何だか、むずかしい、七めんどうくさい、神々しい、神がかりでなくっちゃとてもできっこない、というようなことを勿体ぶって申し述べる先生方のいうことを、一切聞くな。檀のいうことを聞け。
梅干だって、ラッキョウだって、塩に漬ければ、それで出来上がる。嘘じゃない。
塩に漬けるだけだ。勿体ぶったことは何もない。ガラス瓶を一つきばって、そこの中に漬け込み、床の間に置き、その出来上がりの梅干だの、ラッキョウだのを、毎日チラチラ生花のつもりで眺めて見るのは、愉快なことではないか。その梅干だの、ラッキョウだのの味の変化を、時々舐めてみたり、味わってみたりするのは、尚更痛快なことではないか。

名文で読むだけでも面白いのが、引用箇所からも分かるでしょうか。こんな感じの歯切れのよい、小気味よい文章で、料理の説明が続きます。「きばって」食材を買ってくるのもきっと楽しいし、「愉快だ」と思って自分が調理したものを食べる事もきっと楽しい。更に生花のつもりで、梅干の変化を楽しむのだとは!

そして以下は、憧れの内臓料理! 躊躇してしまうのですが(というか、私が行っているようなスーパーに、果たして新鮮な内臓が売られているのか?)、うーむ、檀さまの教えに従って、少し挑戦してみたくなりました。とはいえ、魚の内臓処理も頼んでしまうような、ヘタレの私ではやっぱり無理かも・・・。

日本人は、清楚で、潔癖な料理をつくることに一生懸命なあまり、随分と大切でおいしい部分を棄ててしまうムダな食べ方に、なれ過ぎた。ひとつには、長いこと殺生が禁じられた時代のために、鳥獣のほんとうの食べ方がすっかり忘れられてしまったのである。
日本人は、いわばササミのところばかりを食べて、肝腎の、おいしい部分を、ほとんど棄ててしまう気味がある。

図書館で借りてきたのだけれど、これはちょっと手元においておきたいな、と思う本でした。実際料理をしなくっても、何だか楽しそうに調理の様子が説明されているので、楽しんで読める本だと思う。
やっぱり何事も、「楽しんで」やった者の勝ちなのかもしれませんね。

 ←正確には中公文庫BIBLIOより出版されています
檀 一雄
檀流クッキング


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

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