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「ともだちパズル」/大事な気持ち、懐かしい気持ち

目次
ともだちパズル
chapter1 谷川くん
chapter2 みゆきちゃん
chapter3 公園の人
chapter4 みゆきちゃんの家のひと
chapter5 よりちゃん
chapter6 大町くん
chapter7 しのぶちゃん
chapter8 学校にきた犬
chapter9 おとうさん
ツン・TaTaTa
みどりのぼうし
ゆうやけソノシート
三太郎少年の日
あとがき
ともだちパズル
どこか懐かしい、小学生ようこの過ごす日々。ようこの友だちのお話。全編、昭和の匂いが漂っている(って、平成の子供たちの生活を知らないけれど)。
一見おっかないけれど、実は犬好きで優しい谷川くん、魔法ノートを交換する、大親友のみゆきちゃん、公園で出会った中学生のお兄さん。みゆきちゃんのロマンチストなお父さん、ようこよりも大分お姉さんな従姉妹のよりちゃん、転校していった大町くんが残していったもの。近所の一見男の子のような、しのぶちゃんと一緒にかけた「髪の毛の魔法」、ある日学校に現れた、くたびれた犬「ジジオ」のお話、ようこの「いらち(せっかち)」なお父さん。以上、9章の短編漫画からなっている。
全く同じではなくても、子供時代に似たような経験があったなぁ、と懐かしく思った。大人になってからの時間は、本当に素早く過ぎ去ってしまうのだけれど、子供時代、特に小学生の頃は、6年という時間が非常に長く感じて、一生卒業しないんじゃないの?、などと思ったものだった。子供時代の、時が止まったような、濃密な時間を思い出す。
ツン・TaTaTa
学校をさぼった中学三年生の男の子と、病気のためにもう一度中学三年生をやり直す女の子が、動物園で出会うお話。二人それぞれに春が来るといい。
みどりのぼうし
初恋を助けてくれた、タンポポの綿毛を飛ばすことが仕事だという、緑の帽子をかぶった男の子のお話。
ゆうやけソノシート
地方から出て東京の専門学校に通う男の子のお話。地元には、麦ちゃんというGFを残してきたのだが・・・。幻想的だけれど、地に足が付いているお話。
三太郎少年の日
三太郎少年との友情の話。
ともだちやった
ことに
あとから
気づく
ことがある
あのあと
ぼくが
三太郎をさがして
ポケットを
チャリチャリならしながら
てつぼうや
土手を
ひとりで
はしって
いたことを
三太郎は
しらない-
ともだちパズルで、少女を描くのが上手いのだなぁ、と思ったけれど、ここに収められた他の作品を読んで、性別や年齢を越えて、「大事な気持ち」を描くのが上手い作家さんなのだなぁと思った。じーんとした。
*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。