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「O嬢の物語」/隷属させられるが故の自由、穢されるが故の美しさ、そして複雑な愛というもの

 2006-03-27-20:29
ポーリーヌ・レアージュ, 澁澤 龍彦
O嬢の物語
河出文庫

特異な恋愛小説として有名な本書。これまで何となくスルーしていたのだけれど、手にとってみた。噂に違わぬ凄まじさであり、色々とどひゃーとなる部分が多々。痛い話が苦手な人、女性側の同意があるとはいえ、一見人権を無視しているようでもあるので、その手のものが苦手な人にオススメはしないけれど、読み物としては見知らぬ世界を見せてくれる、興味深い本ではあった。

目次?
 序-奴隷状態における幸福 ジャン・ポーラン
? ロワッシーの恋人たち
? ステファン卿
? アンヌ・マリーと鉄環
? ふくろう

ごく普通の若い恋人同士であったOとルネ。ある日、Oはルネに連れ出され、ロワッシーの館へと送り込まれる。裸に剥かれたOは、体の各所に化粧を施され、首輪と腕輪により拘束される。館には妖しげな男たちと彼女と同じような女たちが住まい、女たちの体は昼夜を問わず開かれている。この館では女は物でしかなく、沈黙を強要され、縛られ、鞭打たれる。また、通常使われる部分だけではなく、肛門までをも、ルネだけではなく見知らぬ男性にまで犯される。

これらの事、全てはOにとって屈辱的なことなのか? 必ずしもそうではない。Oはそれほどまでにルネが自分を愛し、ルネが自分を完全に支配していることに、共に酔う。

ロワッシーでの時が終る。事情を知る者共通の奴隷であるという印の指輪を携え、街に戻ってきたOは、既に以前の彼女ではない。一部をのぞいて、普通の生活に戻った彼女に、ルネは兄とも慕うステファン卿を紹介する。しかし、これはただの紹介ではない。敬愛するステファン卿と、Oを共有したいというのだ。灰色の髪をしたイギリス人、ステファン卿は、こうしてOの主人となる。ステファン卿は、ルネのようにOを鞭打つ事も出来ない軟弱な主人ではない。Oはルネではなく、ステファン卿を愛するようになる。

ステファン卿もまたOを愛す。愛するが故に、ステファン卿はアンヌ・マリーの協力を得て、Oに彼個人の奴隷であることを示す刻印を施す。それは下腹部から絶えず重たくぶら下がる鉄環と、尻に施された二度と消す事の出来ない刻印。裸にふくろうの仮面をつけ、エジプトの彫像のような姿となったOは、鉄環に付けられた鎖でもって、パーティーへと引かれていく。ここにOの奴隷としての姿は完成を見る。

ちょっと意外だったのが、Oがとても進歩的な女性だったこと。彼女はモードの世界でカメラを操り、学生時代から男性だけでなく、女性とも奔放な関係を持っていた女性であった。そんな彼女だからこそ、この一連の殆ど屈辱的とも思える出来事も、彼女にとっては単なる屈辱ではなく、かえって、ルネやステファン卿と共に、客観的に「O」という一つの芸術品、美術品を作っているようでもある。であるからして、人によっては恐怖や軽蔑の念しか引き出せない彼女の姿も、彼女にとっては非常に誇らしく、晴れがましいものである。異様な場所に付けられた鉄環も、焼印を押された尻も、蚯蚓腫れが走る腹も、彼女にとってはこの上なく美しいもの。

ふくろう」の章では、Oが誘惑するモデルのジャクリーン、Oに恋するジャクリーンのまだ幼い妹、ナタリーが出てきて、彼女達の運命や如何に?、と大変に気になるのだけれど、ラスト、この本ではその部分はぶった切られてしまう。続編を読めば、その辺り、分かるのかなぁ。Oがロワッシーに戻るときに、一緒に行くことを切望していたナタリー、Oが一緒に連れ込もうと目論んでいたジャクリーンは、どうなったのかしらん・・・。

イロイロな意味で、非常に濃ゆい物語。

オンライン書店ビーケーワン:O嬢の物語 ← 表紙もこんな。

露悪的!と思ったんだけど、これ、良く見たら、古い絵画風であり、”フォンテーヌブロー派 「貴婦人たちの入浴」 (部分)”だそうな。「部分」じゃなくって、出来れば全体が良かったっす・・・。汗
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「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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