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「きつねのルナール」/中世フランスの赤毛の狐

 2006-04-26-23:04
レオポルド ショヴォー, L´eopold Chauveau, 山脇 百合子
きつねのルナール

表紙扉からそのまま引きます。

この本の原典『狐物語』は、十二世紀後半から十三世紀の中ごろにかけてのフランスで、多くの書き手によってつくりあげられた<動物叙事詩>。動物たちを登場人物とした物語の中に、中世という時代の風物や雰囲気、そこに生きる人々の暮らしぶりと思いを生き生きと描き出した傑作です。定評あるレオポルド・ショヴォー編の現代語訳から二十二のお話を選び、親しみやすい日本語に移して、現地取材の成果をもりこんだ豊富な挿絵をつけました。

訳と挿絵を担当されているのは、「ぐりとぐら」シリーズのイラストでお馴染みの、山脇百合子さん。表紙もいかにも可愛いでしょう。豊富な挿絵も目が楽しい。表紙の絵と「中世フランス」の二つに惹かれて、借りてきたもの。

収録されているのは、[1]そもそものはじまりから[22]ルナールとお百姓のリエタールまで。

自分が生きる、また妻子を養うためとはいえ、絵はほのぼのとしているけれど、ルナールは悪賢く、時にひどいヤツ。とりわけ良くルナールの被害にあっているのは、国でも屈指の領主である、狼のイザングラン。イザングランはルナールを「かわいい甥っ子」と呼び、応えてルナールは「伯父さま」と呼び合う仲ではあるけれど、イザングランは[2]では大切な腿肉を盗まれ、[8]では熱湯により頭の毛を剃られ、[9]では尻尾を切り落とされ、[15]では井戸の底に置き去りにされ、と散々な目にあっている。

この物語の不思議なところは、獣然としているところと、騎馬姿などの、思いっきり擬人化された表現が入り混じるところ。獣然としてても、普通にお百姓さんや商人たちと話してたりもするんだけれど(ま、「寓話」であるしね)。

私もあまり知恵が回る方ではないので、ルナールよりもどちらかというと、彼に騙される動物たちや、お百姓さんに大いに同情してしまった。狼のプリモなんて、なんとルナールにより殺されてしまうのだ! 大体、ルナールは自分が人を騙す事には抵抗がないんだけれど、自分が騙された場合は、確実にやり返してるんだよね・・・。伯父さま・・・・・・の野郎、見てろ>とかさ。汗

また、この本には数多ある『狐物語』の中から、選ばれたものが載っているので、例えば[22]における、ルナールの次のような台詞はちょっと流れ的に意味が通らないような気もする。

「悪事を働くことしか考えないやつは ― 殺したり、ぬすんだり、誠意もへったくれもなく、うそやペテンで隣人の財産をむしり取ったりするやつは、何一つ不幸にみまわれない。どころか、世界一尊敬され、財産もたっぷりふえるだろう。だけど、悪いことをしたり言ったりするのをつつしむ人には、あらゆる不幸と災難が用意されている」

ま、これもまたある種の人生の真実ではあるのかもしれないけれど(でも、[22]に至るまで、「悪いことをしたり言ったりするのをつつし」んでるとは思えないんだよ)。

「解説」にもあるように、「のどかで豊かな中世フランスの田園風景」を楽しむことの出来た本(ただし、ルナールの行状は時々、ひどい)。

物語として収められたものだけを読んでいると分からない設定が、解説に載っていたのでメモ。

昔、ルナールという名前の性悪の狐がいました。仲間の動物たちをだましたり、ペテンにかけたり、罠に落としたりするのが大好きで、それが生きがいという大変なワルで、動物世界の人々は、鶏も四十雀も烏も山猫も狼もみんな、こやつのためにひどい目にあわされていました。でも、ルナールはとてもずる賢く、頭もよければ口も達者なので、動物世界の国王であるライオンのノーブル王の宮廷にいくら訴え出ても、いつもうまく言いのがれられてしまうのがおちでした。その上、ルナールはノーブル王の重臣として信頼あつく、国王がいざというときにはもっとも頼りにしている諸侯の一人なのです。しかしルナールのほうは、国王など少しも本気では恐れていないのです。それどころか、内心では馬鹿にしきっているので、国王が軍勢をひきいてルナールの城を攻めに来ても、痛くもかゆくもありません
                         
(以上、解説より引用)。

中世フランスの人々は、ルナールの姿を痛快だと見たのかなぁ。もともとのお話は、ピエール・ド・サン=クルーというキリスト教の僧が創ったものであり、その後、それらの続きや全く異なる新しい話を創作する作者が次々とあらわれたそう。ルナールは今でも、フランスで愛されているのだろうか。

あ、そうそう、[1]そもそものはじまりでは、女性としては、「うーむ」と思います。イヴっていっつも分が悪いよね・・・。

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。
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