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「イスタンブール、時はゆるやかに」/魅惑のイスタンブール

 2006-05-08-22:10
古本屋で表紙とタイトルに惹かれ、何の気なしに買った本だったんだけど、思いのほか楽しめた。また、この本の著者は、澁澤龍彦氏の妹君であらせられるらしい。

渋沢 幸子
イスタンブール、時はゆるやかに


目次
テサロニキから汽車に乗って
ガラタ塔への夜の散歩
焼き肉(ケバブ)の香り漂う街
『花の小路(チチエツキ・パサージュ)』でラクを飲んで
イスタンブール無宿
「皇子たちの島(プリンシイズ・アイランズ)」の老婦人
アクバイラック家の人々
ブルサの銭湯(ハマム)で輪になって踊る
「来年また来るね、インシャアラー」
二人のアイシェ
クラビホの見たコンスタンティノープル
カッパドキアの農婦
アダパザールの危機
運転手がくれたビョレッキ
私はタタールと思われたのだろうか
ガジアンテップの踊り子
ハランの受難
クルド青年のテントで
悠久のティグリスの流れに
奇跡の都イスタンブールよ
あとがき
文庫版あとがき
解説  海老坂 武


東洋と西洋が出会う街、トルコはイスタンブール。本書には、著者が1981年に初めてバックパッカーとしてトルコを訪れてからの、十数年にわたる旅の話が収められている。

トルコの無闇に親切な人々に出会った著者は、カーペット屋を営む若者、アルパッサンの一家(アクバイラック家)と親しくなる。トルコの一家の懐にすっかり入り込んだ著者。であるからして、この本は単なる「若い女性の旅行記」ではなく、トルコの一般家庭の風習なども良く分かるというわけ。

歴史に関しても抜かりなく、『三大陸周遊記』『チムール帝国紀行』『東方の旅―下』などからの、適切な引用もある。ま、私は、夢枕さんの『シナン 』の知識で無理矢理読んじゃったんだけど・・・。?

このアクバイラック家をベースにしつつ、著者はその周辺へも貪欲に旅していく。

「皇子たちの島」の老婦人では、マルマラ海に浮かぶ島のひとつ、大島(ビュユック・アダ)へ。偶然出会った老婦人に、時が止まったような彼女の屋敷に招待される。この地は、ビザンティン時代、帝位継承権を持たない皇子や皇女、帝位を追われた帝たちが島流しにあったため、その名がついたのだという。この老婦人はギリシア人。ギリシアがトルコから独立した後、トルコに住んでいたギリシア人と、ギリシアに住んでいたトルコ人が交換された。ほとんど、「歴史」とも言えるこのアンダラギを、老婦人は実際に体験していたというわけ。誇り高いけれど、時に忘れられたような老婦人と、淋しげな「皇子たちの島」がぴったり。

素敵な人たちと「偶然」に出会い、仲良くなっていく著者だけれど、時にはこんな出来事もある。アダパザールの危機では、おかしなバスに乗せられて、あわやの危機に。親切な人が多いとはいえ、やはり危ない女性の一人旅。特に、イスラム教徒の男性の中には、同国人の女は身持ちが堅くて、うかつに手を出せないけれど、アッラーを信じていない外人女は話が分かると思い込んでいる、不埒な連中もいるらしい。

どんな人にも心を開いて、ついていってしまうように見える著者であるけれど、「敵が根っからの極悪非道の犯罪者か変質者でなければ、九〇パーセントの危機は、毅然とした態度と沈着な判断で回避できるように思う。それだけの自信がない女性は、単独旅行はしないほうがよい」との確固たる信念を持って、旅をしているのだ。 こういった危険に関しては、1990年頃から頻発しているという、イスタンブールで一人旅の若い日本人男性を狙う睡眠薬強盗事件についても言及あり。

この記事では、危機について多くを割いてしまったけれど、実際は人々との豊かな出会いや体験が綴られている。解説にもあるのだけれど、「この風来姫のような旅人には、親切な人を呼び寄せるという飛び抜けた才能がある」。人見知りせず、相手にもそうさせない、親切と笑顔を引き出す様は天晴れ。

こんな風に人と出会えるかは別として、イスタンブールは一度は行ってみたい街。

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

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