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「深夜のベルボーイ」/ある青年の青春

 2006-06-08-20:45
ジム トンプスン, Jim Thompson, 三川 基好
深夜のベルボーイ

スティーブン・キングの序文に惹かれて借りてきたのだけれど、ううむ、私はこの作家の深淵に辿り着けなかった模様。

長くなってしまいますが、スティーブン・キングの序文「ビッグ・ジム・トンプスンをたたえて」から引用。

わたしにとってビッグ・ジム・トンプスンが常にビッグでありつづけるのは、彼が大衆食堂のジャングルを恐れなかったからであり、下水から逆流してくる糞尿を恐れなかったからだ。人々の日常的な意識や営みの下に張りめぐらされた下水道からあふれてくるものを。
彼の作品は、ちっぽけな町で暮らす者の苦しみと、偽善と、絶望を、恐ろしいほどはっきりと浮き彫りにする。のっぴきならない醜悪さと、これ見よがしのけばけばしさに満ちている。彼はすっごくおもしろい話を書いた。だが、すっごくおもしろい話がが文学と呼べるとは限らない。このわたしが言うのだから、まちがいないではないか。トンプスンの作品が文学の名に恥じないのは、彼がたじろぐことなく、煌々たる照明をあてて見せるからだ―社会と相反する精神を、ニトログリセリンのようにいつ爆発するかわからない異常者を、アメリカ社会の直腸の病める細胞の内に生きる人々の姿を

主人公の青年、通称ダスティは、とある事情で大学を辞め、今は稼ぎのいい夜勤のベルボーイをしている。彼が大学を辞めたのは、父の失職に端を発している。市立学校の教師として、みなに尊敬されていた父であったが、「アカ」的な署名をしたかどで、教職を追われたのだ。ダスティとは血の繋がっていない、若く、美しい母も、ちょうどその頃、失意の中で亡くなっていた。

当初はベルボーイで稼いで、大学に戻るつもりだったダスティは、もう自分が大学に戻れないであろう事を感じ、またすっかり老いぼれてしまった父も、教職に戻る事はないだろう、という諦めの中で日々を過ごす。若さはあれど、先も見えず、将来もお先真っ暗。そこに現れたのは、ダスティが初めて見るような素晴らしい美女、<運命の女>マーシャ。また、ホテルの上得意客、元・ギャングのタグに、トラブルから救い出してもらったダスティは、更なるトラブルに足を突っ込む事になる。諦めの中でよどんでいた、ダスティの日常が動き出すが・・・。

さあ、ダスティは一体どうなる?

ダスティの青春は、表紙裏にあるような、「青春の悲劇」ではないように思うけれど、「暗黒の青春小説」ではあるのかもしれない。

読み進むうちに、読者はダスティの性格に気付いていく。そこに現れるのは、言動の不一致に見られる彼の狡さや、義母、父への本当の気持ち。ごく普通の青年の仮面を被っている、彼の心の中に潜むのはほとんどモンスターといってもいい。また、ハンサムな外見が全く役に立っていない、周囲からの評判、周囲の人々の気持ちも立ち上がってくる。

ラストは一発逆転、やりきれませんなー、という感じ。目を開けて、しっかり注意して見ていれば、そんな結末を迎えなかったのにね、ダスティ。
たとえ、それまで彼がなしてきた事がどんなことであっても。

ちっぽけな町で暮らす者の苦しみと、偽善と、絶望を、恐ろしいほどはっきりと浮き彫り」にはされたけれど、
その先の何か、までは描かれていないのであった。それとも、こういう本にそれを求めるのが間違ってる?

本編よりも、実はスティーブン・キングの序文の方が面白かったのでありましたよ(引用中の、「文学」か「文学」でないか?、とかね)。
ジム・トンプスン、これが面白かったよ、などもしございましたら、教えてくださいー。・・・てか、ジム・トンプスンって、メジャーな作家なのかなぁ。汗

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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