スポンサーサイト

 -----------:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

「日暮らし」/平四郎、弓之助コンビ、走る!

 2006-09-03-15:49
 
宮部 みゆき         
日暮らし 上       「日暮らし 下   

「ぼんくら」同心・井筒平四郎、おつむりのとっても良い、ぴかぴかの美少年・弓之助、その「おでこ」にとんでもない記憶容量を隠し持つ、おでここと三太郎。

前作、「ぼんくら」を読んで、キャラがそれぞれとっても立っているので(勿論、その他のキャラもね)、これは続編ないのかなー、楽しみだなー、と思っていました。此度、すっかり細部を忘れた頃に、図書館で続編のこの「日暮らし」を発見。細部を忘れている事を呪いながら読みました(読みながら、段々思い出しもしたんだけど・・・)。

しかし、宮部さんは相変わらず巧いなー。一遍一遍にそれぞれ、人生訓が練り込まれているような、この巧者な匂い。キライな人はキラいなんでしょうけど・・・。

「ぼんくら」において、お徳たちが住み、佐吉が差配人を務めた、鉄瓶長屋は取り壊され、湊屋総右衛門の正妻、おふじの住む屋敷が立てられた。全てが丸く収まったように見えたけれど、この一件は、まだまだ長く尾を引いて、この「日暮らし」にもその影を落とす・・・。

上巻目次
おまんま
嫌いの虫
子盗り鬼
なけなし三昧
日暮らし

下巻目次
日暮らし(承前)
鬼は外、福は内

人はそれぞれ日々を積み重ねて暮らしている。平凡な人間の一日一日、それは小さなものだけれど、積み上げていく中でどんどんおかしな方向へと行ってしまうこともある。

俵問屋・湊屋総右衛門の家がまさにそう。あちらにもこちらにもいい顔をしようとしたせいで、ぎくしゃくしてしまった関係は、各方面に良くない影響を撒き散らした。嫌われても、憎まれても、やりたいことを通すためには、言わなくてはならないこと、行動しなくてはならないこともある。とうとう、正す機会を失ってはしまったけれど、迷惑を被った、湊屋の長男・宗一郎、庶子の佐吉が、何とか明るい方を向いて、生きていく事が出来そうなところが救いかなぁ。

 何としても自分のしたいようにしたいし、そうしないと気が済まないが、しかしそれを他人様に見られて、あのお人は何でも自分の我を通さずにはいられない怖い人だよと言われるのは嫌だ。まあ、なんて横紙破りなことをする人だろう、あれは人の道に外れているよねと、後ろ指をさされるのは嫌だ。
 いや、それどころか、自分のしたいようにするために踏みつけたり騙したりする当の相手からさえも、非難されたくない。怨まれたくない。こっちはこっちの、やむにやまれぬ想いとやらがあるのだと、伝えて呑み込んでもらわねば満足できない。
 欲張りだぜ―と、平四郎は思う。

膿を出し切らずに放っておくと、その毒は徐々に蓄積し、いつか総身に回って全身を侵す。

湊屋総右衛門の一家だけでなく、おかしな方向へといってしまった人間は、他にも数多く描かれる。元祖ストーカーのような孫八、悪い男に引っ掛かったおみね、料理人として腐ってしまった花一、そして過去の鬼を思い出してしまったお春・・・。罪を憎んで人を憎まずの、お春への裁きはなかなかだけど、その他の本当に人間としてダメになってしまった人たちへの目線は結構冷たい。その辺りは、ちょっと胸にざらりとした嫌な感触が残る・・・。

この本の魅力の大きなところは、平四郎と弓之助の掛け合いや、それぞれのキャラの立ったところなんだけど、しかし、弓之助の気の利くことといったら! わたくし、弓之助より全然大人ですが、彼ほどお役に立つ自信が全くありません・・・。笑

ラストはまだまだ続編もありそうな雰囲気? 湊屋関係はもういいんじゃないの?、とも思うんだけど、気鬱の病の次男や、長男・宗一郎の続きも気になるし、この関係もまだ続くのかしらん。

嬉しかったのは、煮売屋のお徳さんが、仕出屋を始めるまでに出世したこと! なかなか美味しい料理を食べる機会もない人たちに、お徳さんの手ごろな値段の料理が振舞われるようになるんだろうな。

? ←前作の「ぼんくら
このシリーズは、村上豊氏による装画と題字も大きな魅力の一つ♪

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております、何か問題がございましたら、ご連絡ください。
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://tsuna11.blog70.fc2.com/tb.php/438-e435e10b
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

掲示板その他リンク

ユーザータグ
最近の記事
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

RSSフィード
カウンター

月別アーカイブ
検索エンジン情報
Googleボットチェッカー Yahoo!ボットチェッカー MSNボットチェッカー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。