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「死んでいるかしら」/柴田元幸さんエッセイ集
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死んでいるかしら?、と聞かれても困っちゃうけれど、自分だけが知らないだけで、もしかして…、と妄想ワールドに入り込む傾向があるとしたら、それは柴田さんと同類とも言えるのかも。
同じく、翻訳家にして名エッセイスト、岸本佐知子さんの本もそうでしたが、エッセイ集一作目である「生半可な学者」(過去感想にリンク)よりも、こちら「死んでいるかしら」の方が、より自由に羽ばたいておられるように見受けられます。こういう妄想系脱力エッセイ、好きだわー。そこはかとない含羞をまぶした妄想って好みなのです。
あとがきにもありますが、これはエッセイ+絵の本。きたむらさとしさんの絵が、すべてのエッセイについていて、これがまたいいのです。
絵がつくとはいっても、カラーではないし、基本、ワンカットなので、普通は”共著”とは言わないのだろうけれど、そう仰る気持もわかる作りです。表紙もね、犬のすぐ下にある本には”AM I DEAD?”と書いてあるし、この脚は裏面の”柴田くん”のキャラまで繋がってて、彼のTシャツには”entropy”の文字が(エントロピーについては、「エントロピーとの闘い」という項で、エントロピーとの負けいくさについて語っておられます。コリヤー兄弟についても、ここで)。凝ってます。自分の書いたすべての文章にきたむら画伯の絵がつく、という夢のような贅沢が実現できて、本当にものすごく嬉しい。僕の気持ちとしては、この本はきたむらさんとの共著である。 (あとがきより引用)
そうそう、柴田さんといえば、しれっとした書き方でそのまま嘘をつくイメージだったので、この本の中の”コリヤー兄弟”なる人物の話も眉唾だなぁ、と思ってたんですが、Wikipediaによると(リンク)、どうも実話のようですねえ。疑ってゴメン、と思いつつ、便利な世の中だなぁ、と思いました。でも、ほら話の生き難い世の中でもあるのかも?
コリヤー兄弟については、こんな本↓もあるようです。
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