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「女信長」/もし、織田信長が女だったら?

 2006-10-06-22:30
 
佐藤 賢一
女信長 

織田信長といえば、知らぬ者などいない、戦国時代から安土桃山時代を駆け抜けた戦国大名。楽市楽座、関所の撤廃などの商業政策、バテレンに学んだ鉄砲の重用、土地に縛られぬ常備軍の編成や、出自ではなくその能力を問題にする能力主義など、その姿勢は実に革新的なものであった。

しかし、これらのことも、商業が盛んな尾張の地で育った、経済に明るい女としての知恵であったのなら、力に囚われぬ、力のみに恃むことをしない、また名誉に囚われぬ、名ではなく、実を取る女としての生き方であったとしたとなら、それ程不思議な事ではなかったのかもしれない。

目次
序章  斎藤山城道山、富田の寺内正徳時まで罷出づべく候間
第一章 御敵今川義元は四万五千引率し
第二章 江北浅井備前手の反復の由
第三章 明智が者と見え申候
終章  徳川家康公、和泉の堺にて信長公御生害の由承り

父、織田備後守信秀は、女である御長を跡継ぎとした。それは、男では一国、二国を取るといった、当たり前の事しか出来ぬであろうと思ったから。なんとなれば、織田弾正忠家はそもそも、大国の主では有り得ない。もとより、その持つものはとても少ない。であるからして、父、信秀は女である御長の自由な心に賭けたのだ。尾張の大うつけとして、あたりを練り歩いてきた信長は、民人の願いを知る。それは、泰平の世だ。とことん勝ち抜いて戦の世を終わらせるのだ。

ああ、天下を一統することの何が難しい? まだ年若い信長は、自身を犯したばかりの斎藤道山に、平らかな声で問いかける。誰も勝ちきれなかったのは、誰も勝ちたくなどなかったからではないか? 男は戦の世が好きだからではないか? 男は戦のために戦をする。しかし、この信長はそうではない。見据える先は、目先の勝利ではなく、泰平の世。天下布武をかけた、信長の戦いが始まる。

覚悟を持って臨んだ信長ではあったが、天下を一統するのはそこはそれ、口で言うほど簡単なものではなかった。戦場で勝手に抜きん出るものを許さない、勝手な行動を許さない、重臣に恃むことをしない、信長のやり方は、家臣たちの反発をも生む。それは男のプライドを引き裂く行為だからだ。女である信長は、御長は、しかし、それを斟酌することはない。はん、くだらない。それで戦に勝てるというのか、それで天下が獲れるというのか。

しかし、その中で抜きん出るものどももいる。勿論、それは、戦場で生臭い兜首を持ってくるような、馬鹿力にものを言わせる働きではありえない。それは頭を使ってこそ。信長の周りを固めるのは、一途な柴田勝家、猿と呼ばう木下籐吉郎、御長が恋し、後に手酷く裏切られることになる浅井長政、幼少期を織田家で過ごした松平元康(徳川家康)そして、明智十兵衛光秀などなど。

戦に継ぐ、戦の中、信長は、御長は、「信長」であることに揺れ、男と女の間で揺れる。「男だから」「女だから」、誰よりも拘るのは信長自身。男である信長、女としての御長の姿を使い分けるものの、年を重ねる毎に、男の体の優位性は御長の中で存在を増し、それに引き替え、ここぞという時に男どもに与えてきた「女」としての肉体は衰える。蝮・斎藤道山が娘、正室の御濃が言うとおり、いつまでも「女を使う」ことは出来ないし、女の身で戦場を駆け回り、ひとり、孤独に決断を下すのは辛いこと。凡百の女とは違うという自負が過ぎるあまり、長年の友であった御濃との仲もおかしくなり、男、信長としても、何をしたいのか、どうすればよいのか、段々と頭に霞がかかるようでもある。

そんな中で存在感を増すのは、明智光秀という一人の男。信長は、男としての余裕、器量に優れた光秀を重用するが、しかし、内心、これまで恃んできた自分自身が崩れてしまうようで、段々と素直にその言葉を受け容れる事が出来なくなる。後年の信長の光秀に対する扱いは、ほとんどヒステリー。自ら崩壊していくようであった信長は、光秀にある問い掛けをする。光秀はそれをどう受けたのか?

終章は、喰えない狸親父二人の会話。

面白かったことは面白かったんだけど、ここで言う「男」、「女」の定義は多少古臭いし(ま、「信長」の考える、男、女論みたいなもんなんだけど)、鮮烈に駆け抜けた織田信長の生き様を語る、最後の狸親父二人の会話もね、「男」どもはあくまでも謀議の世界からは離れられないという感じで、信長の事はうっちゃってしまったようでちょっと淋しい。まぁ、そこはそれ、天下を一変させる天才、異才なくしても、一旦動いた世界は、男どもの謀議の世界で、淡々と進んでいくのかも。

あとあれですね、 佐藤賢一さんの性描写は、「
王妃の離婚 」などはそうでもなかったんですが、なんか、痛そうですよ(まぁ、なんつーか、所謂、男根主義な感じがする)。
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