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「金春屋ゴメス」/ゴメス、現る!

 2006-10-26-21:26
 
西條 奈加
金春屋ゴメス 

第十七回日本ファンタジーノベル大賞受賞作であり、どうも評判が良いらしいこの作品。かつ、これ、表紙が魅力的でしてね。どう? ちょっと生意気そうな今時の若者が、腕時計に携帯を小道具として、きりりといなせな着物姿で表紙におさまる。実は、この「腕時計」と「携帯」を身につけているのは、作中の設定からすると、ほんとはおかしい。ま、でも、雰囲気を出すための作画なんだろうなぁ。

さて、月にも人が住まうというこの時代、日本の中には鎖国状態を貫く、「江戸」の国が存在したのです。江戸は、北関東と東北にまたがる、東京、千葉、神奈川を合わせた広さに相当する、一万平方キロメートル足らずの領土を持つ国でした。御府内と呼ばれる中心部は、十九世紀初頭の江戸を忠実に再現しており、人口約七百万人のうち、百万人がこの御府内に生活しておりました。

この「江戸」は鎖国を敷いていることから、一般人が気軽に行き来したり、ビジネスや観光目的の短期入国も認められていないという、日本人にとっては「近くて遠い国」でありました。また、電気も時計もない、まさに江戸時代と同じ生活に拘るため、「変わり者の国」としても知られておりました。

そんなこんなで、鎖国制度を敷く江戸の永住ビザを取得するのは、非常に難しいことでありましたが、何の因果か、この物語の主人公、佐藤辰次郎は一発で入国を許可されてしまいました。実は勿論、これには裏があるわけで・・・。

江戸に着いた辰次郎が身請けされ、暮らすことになったのは、一膳飯屋・金春屋。とはいえ、彼が手伝うのは、表の飯屋ではなく、裏金春。泣く子も黙る裏金春。そこに鎮座ましますのは、さながら巨大な鏡餅のような輪郭で、人間離れした怪異な風貌を持つ馬込寿々!(ゴメス)(いや、随分な言われようだけどさ。「そそけ立った髪」とかもすごいよな)

実態は、長崎奉行の出張所である裏金春。あ、長崎奉行とは鎖国時代の出島があった長崎の奉行ということで、つまりは外務省のようなものらしい。辰次郎は、甚三、木亮、寛治などの兄貴分たちと共に、江戸の町を走り回ることになる。

そして、そう、肝心の事件。辰次郎が江戸に一発入国出来たのは、実にこの事件のためであった!
過去起きた事件における唯一人の生き残りである辰次郎は、さて、首尾よく記憶を取り戻すことが出来るのか??

そうだなー、設定は滅茶苦茶面白いし、キャラもいいんだけど、この設定だったらもっと面白く出来たのでは?、と残念に思うことも多々。せっかくのキャラや設定が生きてない気がする。江戸の生活を説明する時、時々「お勉強」チックになっちゃうし、キャラもこうだ!と書いてあるだけで、それが何らかのエピソードから、すんなりと納得出来る感じではないのだよね。要は、まだこなれてない感じ? この「事件」も一作引っ張るには、ネタとしてちょっと苦しいような気がする。これだったら、短編でどんどん事件を解決してった方が、いいんじゃないかなぁ。うーむ、惜しい!

時代劇マニアで、実に二十七回目の応募で江戸に入国した松吉、江戸が二十九国目、旅行マニアの奈美。いわば、辰次郎と同期入国であるこの二人は、次作でも活躍しそうな感じ。なんだかんだいって、次作も読むとは思うので、こちらはもう少しこなれている事を期待しています。評判が良かっただけに、ちょっと期待し過ぎちゃったかなぁ。

 
西條 奈加
芥子の花    ← こちらは、二作目

☆その後、読んだ「芥子の花」の感想はこちら → 
「芥子の花」/金春屋ゴメス第二弾!
二作目では、一作目で残念に思っていたところが、ぐっとよくなって、非常に面白く読みました。続きも楽しみ♪
コメント
ゴメス様や初代将軍の国造りの理念に感動した私は、
辰公と同期入国組のキャラ描写の不十分さは気になりませんでした。
奈美が江戸での労働で生甲斐を見つけ、旅行マニアを脱却するエピソードは良かったと思います。
私の居場所はどこにあるんだろう?などと悩むのは、
働かなくていい金持ちの贅沢な悩みですな。
一生懸命働く事の素晴しさも訴えているいい小説でした。
【2008/10/29 23:27】 | goldius #ncVW9ZjY | [edit]
goldiusさん、こんにちは!
トラバ返しもありがとうです。

なるほどー、そっちの理念に感動して読めば、あの辺のキャラは気にならないわけですね。
なんでも選べることは、逆に不自由なことでもありますもんね。
自由を使いこなすことは難しいことですねえ。
【2008/11/01 18:08】 | つな@管理人 #- | [edit]












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【2008/10/29 23:17】
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