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「赤い館」/これぞ、怪奇小説?

 2006-11-12-22:45
 
H.R. ウエイクフィールド, H.R. Wakefield, 倉阪 鬼一郎, 西崎 憲, 鈴木 克昌
赤い館 

解説によると、この本の著者、ウエイクフィールドは「最後のゴースト・ストーリイ作家」なのだそうだ。伝統的なる怪奇小説の書き手、「シェリダン・ル・ファニュ」も「M・R・ジェイムズ」も読んだ事のない自分ではあれど、この本を読んで、怪奇小説の香気をたっぷり吸い込んだ気分になった。

目次
怪奇小説を書く理由

赤い館
ポーナル博士の見損じ
ゴースト・ハント
最初の一束
死の勝利
”彼の者現れて後去るべし”
悲哀の湖
中心人物
不死鳥

さらば怪奇小説!

最後のゴースト・ストーリイ作家 鈴木克昌

登場人物は、大抵イギリスの品ある紳士。理性も品格もたっぷりと持っている筈の彼らが出会う、この世ならぬもの。それは彼らの心を凍り付かせる・・・。

著名な怪奇小説の書き手であるM・R・ジェイムズは、怪奇小説の作者は彼自身熱心な幽霊信者である必要はないと述べた事があるそうだけれど、このウエイクフィールドはその反対の立場を取っていたという。たとえ一時的にせよ自分自身で恐怖を感じなかったとしたら、作家は誰を恐怖に陥れることが出来ようか?

「赤い館」
田園生活を楽しむために、幼い息子、妻と共に滞在したその赤い館には、不吉な住人達がいた・・・。緑色の厭な匂いのする軟泥。庭の木戸や息子の部屋に残されたそれは何を意味するのか? これは最後がいいなぁ。彼らを追い出した赤い館に棲むものどもは、再び館を我が物にする。

「ポーナル博士の見損じ」
「わたし」が受け取った奇妙な手紙。この世に友というものを、唯一人も持たないかのように見えた博士からの奇妙な頼みごと。そこに書かれていたのは、ポーナル博士と彼のライバルであったモリソンという男の話。そして、その話はその手紙の中だけでは終わらずに・・・。

「ゴースト・ハント」
この中では軽妙とも言えるかも。悲惨と言えば悲惨なんだけれど、私はこの短編、結構好きでした。
ゴースト・ハントのラジオ中継の首尾は如何に?

「最初の一束」
古来からの人間の儀式。ポーチャスはなぜ片腕を失くしたのか?

「死の勝利」
女性が出てくるのはこれくらい?
ウィンダミア湖の先、北部の丘陵地帯にあるエリザベス様式の家、カースウェイト邸。陰気なこの館では、ペンドラム老嬢に仕えるアメリアが、日夜辛い仕打ちを受けていた・・・。

「”彼の者現れて後去るべし”」
エドワード・ベーラミーの学友、フィリップは困った羽目に陥った挙句、彼の目の前で亡くなってしまった。彼に呪いを掛けたという、オスカー・クリントンなる人物は一体何者なのか? ベーラミーは復讐を誓う。

「悲哀の湖」
妻アンジェラを殺害した容疑で起訴されたものの、逮捕を免れた「わたし」。わたしが取り急ぎ手配したこの田舎の屋敷の敷地内には、土地のものから「悲哀の湖」と呼ばれる湖があった。「ここはいつも罪と死の場所だ」。カーマン爺さんの言葉は一体どういう意味なのか? 緋色の罪は湖を染め、湖が染まった時には、中に死体があるのだという・・・。

「中心人物」
「わたし」が法廷精神科医として著名なランドン博士から受け取った奇妙な文章。そこにはある劇作家の生涯が書いてあったのだが・・・。

「不死鳥」
数学家としての才能に恵まれた「わたし」。このわたしこそが、ロンドンのメトロポリタン大学における、欽定純粋数学講座担当教授の地位に相応しい。ところが、齢70にも達する老齢のキャノピー教授は、その座から降りようともせず・・・。不幸な偶然により、キャノピー老教授の死の切っ掛けを作ってしまった「わたし」。わたしは以来、キャノピーと特別の関係にあったかに見えた、白いクロウタドリに悩まされることになる。
ここまで三作読んだ「魔法の本棚シリーズ」においては、このウエイクフィールドの手によるものが、一番商業的な完成度が高いような印象を受けました。・・・というか、こういうのは職人的というのかしら? 秋の夜長に怪奇小説の薫り高いこんな本もなかなか乙なものかもしれません。

☆関連過去記事☆
・「
幽霊船 」/不思議のカケラ、小さな少年、満たされぬ思いを抱える者。それらのスケッチ
・「
奥の部屋 」/ストレインジ・ストーリー
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