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「犬はどこだ」/二十五歳、犬探し専門(希望)の私立探偵紺屋。最初の事件

 2007-01-11-23:12
犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)
(2005/07/21)
米澤 穂信

商品詳細を見る
何とか持ちこたえようとしたものの、力及ばず、糸がぷつりと切れたように、退職した「私」こと紺屋。東京のアパートを引き払って地元に戻り、約半年間のほぼ引きこもり生活を終え、彼が起したのは犬専門の調査会社。<紺屋S&R(サーチ&レスキュー)>。

ところが、地元の友人、町役場に勤める大南が気を利かせたお陰で、図らずも町の老人たちの間に「探偵さん」として宣伝されてしまったよう。持ち込まれたのは若い女性の失踪事件に、神社に伝わる古文書の解読。さらには、探偵に憧れる、高校時代の後輩、ハンペーこと半田平吉までもが、雇ってくれと<紺屋S&R>に現れて・・・。犬を探すはずだったのに・・・。犬はどこだ??

失踪人、佐久良桐子の足跡を辿るのは紺屋、愛車ドゥカティM400を駆って、古文書の由来を調査するのは、ハンペー。彼らはそれぞれのやり方で、担当した事件に迫る。

理知的で自らを頼むところが強かった桐子は、なぜ失踪したのか? 浮かび上がって来た彼女の姿に、紺屋は心ならずも退職せざるを得なかった、自らの姿を重ねるようになる。ハンペーにはやる気がないと評され、身体は疲れやすく、また仕事としての興味しか持てなかった桐子の失踪について、紺屋は血の通った人間としての興味を持ち始める。

さて、桐子を追うのは、紺屋一人ではなかった。彼女をネット上で追い詰めた、ストーカーの姿が紺屋にもくっきりと見えるようになる。そして、その間、ハンペーは何をしていたかというと、図書館や地元の老人を訪ね、ちゃらんぽらんな見かけによらず、きっちりと古文書の由来に迫っていた。両方の進捗を読んでいる読者には直ぐに分かるけれど、彼ら二人は最後までそれぞれが追うものの関連に気付かない。

ハンペーが追う古文書によれば、中世、戦国の世の人々は、ただ略取されるだけの存在ではなかった。時と場合によっては武器を取り、傭兵を雇い入れる「自力次第」の世界。民衆が常に弱く、虐げられる存在であると誰が決めた? それはまた、紺屋が追う桐子についてもいえる事。
そして、実に鮮やかな反転

最後はちょっとビターな味わい(探偵は警察ではないので、こういう物語もたまにはあるけど)。

春期限定いちごタルト事件 」、「夏期限定トロピカルパフェ事件 」などのほのぼのミステリから、米澤さんに入ったので、このビターなラストはちょっと意外だったけど、概ね楽しく読みました。
私立探偵紺屋、「最初の」事件ってことは、続編も出ると期待してもいいのだよね。

ハンペーのキャラもいいし、妹夫婦が営む喫茶店、<D&G(ドリッパー&グリッパー)>、彼らのキャラもいい感じ。未だ顔の見えないチャット相手の友人、<GEN>(紺屋のHNは<白袴>!)についても、追々明かされたりするのかな。
コメント
こんばんは。ご無沙汰してます。
コメントありがとうございました。
米澤穂信という作家さん、日本人作家さんとしては、梨木さん以来のパワープレイ中です。これまで5作を読みました。内容的は少し捻った物語を得意とするようですが、なかなか読みやすいので、気に入ってます。
『さよなら妖精』が今のところは一番のお気に入りです。
【2009/04/05 23:22】 | nanika #- | [edit]
nanikaさん、こんばんは~。
あちらではコメントを書き込んだのがえらく久しぶりだったからか、失敗しちゃってすみませんでした(^^ゞ。

米澤さん、一気読みだったんですね!笑
私も「さよなら妖精」を読んでみようかなぁ。
米澤さんは読み易いけど、微妙な引っかかりが癖になりますよね。
【2009/04/09 20:52】 | つな@管理人 #- | [edit]
こんばんわ。TBさせていただきました。
とても今更ながら読みました。
面白かったです!続編って出ているのでしょうか・・・。
米澤さんの作品の話の展開が大好きです。
まさか桐子の考えがあんなふうになるとは・・・。ビックリでした。
でも、ネット社会って怖いですよね。
軽く書いた日記が、実は自分の居所を知らせているなんて考えたら、恐怖です。
実際にありそうな事件だとも思いました。
【2010/03/08 23:51】 | 苗坊 #- | [edit]
苗坊さん、こんばんは~。
トラバありがとうございます。
返信がすっかり遅くなってしまってすみません。

続編、まだ出てないみたいですよね。
なかなかダークな展開だよな、とは思ったんですが、続編読みたいですーー!
うんうん、私もこれ読んだ後、ちょっとネットへの書き込みが怖くなりました。笑
見る人が見れば分かっちゃうこともあるでしょうしねえ…。
桐子の考え。いやぁ、色々鮮やかでしたよね。

さてさて、この度は転職おめでとうございます☆
4月からは司書さんなんですね。更新は増えるのかな~。
色々と大変そうだったので、ちょっと我が事のように嬉しかったです。
新しい環境、楽しみですね。頑張ってくださいね♪
【2010/03/16 23:45】 | つな@管理人 #- | [edit]












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  • 『犬はどこだ』【本だけ読んで暮らせたら】
    『犬はどこだ』  米澤 穂信/著、 創元推理文庫(2008年) 米澤穂信もこれで5作目。ホント、この人のは読みやすい。 東京での銀行員生活を早々に辞めざるを得なかった25歳の主人公の男が、故郷の地方都市で、犬探しのための調査事務所を立ち上げた。
【2009/04/05 23:23】
  • 犬はどこだ 米澤穂信【苗坊の徒然日記】
    犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)クチコミを見る 何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。 しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。 そこで調査事務所を開いた。この事務所〈紺屋S&R〉が想定している業務内容は
【2010/03/08 23:46】
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「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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