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「生半可な学者」/柴田元幸さんエッセイ集
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アメリカ文学者にして、名翻訳家、柴田元幸さんのエッセイ集。「テレビコスモス」という雑誌に、88年6月から91年10月まで連載されていたものだそうで、「33歳の僕」なんかが出て来て、ちょっとびっくり。でも、文章自体は古さを感じさせないものだと思うし、楽しく読むことが出来ました。次のエッセイも借りてこなくっちゃ!、というくらいに。本作は講談社エッセイ賞受賞作だそうで、そういえば、岸本佐知子さんの「ねにもつタイプ」も講談社エッセイ賞受賞作。岸本さんの妄想ワールドとはまた違うけれど、こちらの柴田ワールドもどこかずれてて、面白いのです。
目次
狭いわが家は楽しいか
アメリカにおけるお茶漬の味の運命
ハゲ頭の向こう側
礼儀正しさのパイナップル
天は自ら愛する者を助く
すてきな十六歳
……と考えるのは私だけだろうか
愛なき世界
ひじきにクロワッサンにうどんに牛乳
みやげ物の効用
お辛いのがお好き
恋のサツマイモ
お茶と物乞い
寝てしまう
靴下にひそむ危険
私はいかにしてイランとアフガニスタンの国境で一生を終えずにすんだか
シュレッダーの快楽
おいとけさまにもおいでてもらいましょ
の・ようなもの
怒りの上杉謙信
屋根の上のゴリラ
トーストを齧るオーケストラ
袋要りません
御返事遅れて済みません
しずくを止めるには
虹の彼方はどこにある
ロシヤのパン
変温動物の戸惑い
生半可な学者
貧乏について
死の舞踏
味噌ラーメンの無念
飛び道具とは卑怯なり
赤頭巾ちゃん気をつけて
猫も食わないA定食
〆切は駆け足でやって来る
私のフランス語をお許し下さい
個人的七〇年代アメリカ辞典
現代アメリカ小説の傾向と対策
あとがき
読んだ後でも、この目次を見るだけで、もう一回そそられちゃう感じ。ま、なかなかこのタイトルから、実際の話を思い出し難いってのもあるんですが…。
面白かったのが、「おいとけさまにもおいでてもらいましょ」。ここに出てきた別役実氏って、どこかで見たなぁと思っていたら、以前にこれまたけったいなほら吹き話、「鳥づくし」を読んだことがあったのでした。その時は、ちょっと微妙…と思ったんだけど、小説だって良く出来たほら話なわけだし、やっぱり本読みとしてはほら話を楽しめて何ぼだよなぁ。
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