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「琥珀枕」/恩師はすっぽんの化身なり

 2007-08-22-22:04

森福 都

琥珀枕


安心の森福さんの中国伝奇モノ。

此度の物語では、すっぽんの化身が出てきます。すっぽんとはいえ、非常に長い長い時を生きている徐庚先生。その叡智は限りなく、中国は東海郡藍陵県の県令の子息、趙昭之を教え導くのです。

目次
太清丹
飢渇
唾壺
妬忌津
琥珀枕
双犀犬
明鏡井

解説 末國義己


少年、趙昭之は県令の一人息子。県令たるもの、善く人々を治めなければならない。であるからして、市井の出来事にも通じているべき。そこを導くのが、すっぽんの化身たる徐庚先生。先生は全てを教えてくれるわけではないのだけれど、趙昭之と徐庚先生は今日もまた、県城を見下ろす香山の照月亭に向かうのです。さて、そこから見える景色はいかに? 七つの物語。

太清丹」では、不死をもたらすという仙薬から、美女の恐ろしさをかいま見、「飢渇」では、飢えた幽鬼に取りつかれた人間を見、またそれすらをも利用する人間の強かさを見る。「唾壺」では、矢鱈と耳の良い塩売りの秘密を知り、「妬忌津」では美女を川に引きずり込む妖怪、妬忌津の正体を知る。
琥珀枕」では、若かりし頃の徐庚先生が出会った事件が語られ、「双犀犬」では趙昭之の両親の出会いが語られる。「明鏡井」で語られるのは、趙家の官舎の裏庭にある井戸で起こる怪異。

太清丹」に出てくる、体に巣食う赤蛭や、蛭珠(ひるだま)はおぞましいし、「妬忌津」では艶やかな人面瘡が探偵役となる。しかも怪異は人間の手によるものとオチがついたかと思いきや一転…。出てくる怪異も、気持ち悪いものから、あでやかで艶やかなものからさまざま。あっつい夏にこんな怪異がぴったりくる。

連作スタイルで、最初は怪異は外部のものであり、それとの関連が薄かった少年、趙昭之も、ラストの「明鏡井」では、立派に怪異に立ち向かうことになる。緩やかな成長物語、と読むことも出来るのかも。徐庚先生は今日もどこかで、少年を導いているのやもしれません。そもそも徐庚先生が、趙昭之を教え導くことになったのも、先生の評判を聞いた昭之の父が屋敷の庭に掘らせた大きな池に玉砂利を敷き、礼を尽くして招いたからなんだよね。不思議が当たり前の顔をして隣にあるこの世界。なかなかいい感じなのでありました。森福さんの中国ものはやっぱりハズレなし!

☆関連過去記事☆
・「吃逆 」/探偵はしゃっくり癖の進士様!
・「狐弟子 」/人間は、結構ズルい

 ← 単行本の表紙もいいな。
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