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「お神酒徳利」/「深川駕籠」続編、でもちょっとトーンダウン?

 2007-09-25-23:12
山本 一力
お神酒徳利―深川駕篭 (深川駕篭)

深川駕籠 」の元臥煙の新太郎、元力士の尚平の駕篭舁きコンビが、再びお目見え。相も変わらず、尚平とおゆきの仲は新太郎に遠慮してか遅々として進展せず、新太郎も新太郎できれいさっぱり女っ気もなく。そんなわけで、今日も木兵衛長屋では、甲斐甲斐しく新太郎と自分の分の朝飯の支度をする尚平の姿が見られるのでありました…。

目次
紅蓮退治
紺がすり
お神酒徳利


紅蓮退治」は、江戸の住人が最も恐れた火事の話。半鐘を打つのは、各町に構えられた火の見櫓の役目。けれど、屋敷内に櫓を構えた大名は町場の火の見櫓に先駆けて、自家の半鐘を鳴らすこともある。そして、滑った時、つまり煙を見間違えて半鐘を打った時は、すぐさま一点鐘(いってんしょう)を打って鎮火を知らせるのが定め。ところが、「でえみょう屋敷の連中は、滑りのケツを拭かねえ」のだ。しかも、今度の半鐘は「滑り」どころか、遊び半分の「カラ半鐘」のようで…。尚平とおゆきのために、深川不動尊に怒り断ちの願掛けをしていた短気な新太郎なのだけれど、そこは勿論…、という話。

新太郎の実家の両替商の話も出てくるし(蔵の目塗りの話などは興味深い)、番太郎(=木戸番)の話なんかも面白いのだけれど、出てくるエピソードが、きちんと全部生かされている感じがしないんだよねえ。カラ打ちを繰り返していた武家は、なぜそんなことをしていたのかしらん、という疑問が残る。

紺がすり」は、タイトルは因業親父、木兵衛の別の顔を助けるさくらの着物から来ているように思うけれど、実際はタイトルには関係のないお話。新太郎と尚平が煮売り屋で聞き込んだ話と、彼らが助けた母子の話から導かれたのは…。それは、江戸でも屈指の『檜屋』(材木商の中でも、檜の元の値が高いだけに、檜を扱う業者は『檜屋』と別称された)である丸木屋への脅し。

このお話では、江戸の夜の暗さが印象深い。江戸の町人が多く暮らすのが、棟割長屋。明かりといえば、よくて行灯、並の暮らしで魚油を燃やす瓦灯(がとう)。上物の行灯でも部屋をぼんやり照らすくらいで、瓦灯にいたっては、手元の明かりでしかなかったのだとか。こういうの、杉浦日向子さんの次くらいに、分かり易く表現してくれるのが、山本一力さんだなぁ、と思います。

お神酒徳利」では、なんと尚平の想い人、おゆきが攫われる。それは、おゆきのお軽の技を狙ったもの(お軽とは、花札賭博のとき、相手に配る札を一瞬のうちに見定める技)。尚平と新太郎は、今戸の貸元、芳三郎の手を借りて、おゆきを助け出す。

尚平とおゆきの仲が、これで少しは進展するのかな、とも思うのだけれど、これがちょっと尻切れトンボ。おゆきを攫った弥之助は、芳三郎の名を聞いて早々に逃げ出してしまうし、弥之助を雇っていた薬種問屋の息子の徳次郎もまた、てんで腰が据わってないし(そして、助太刀のお武家のことも、あれじゃ丸わかりだしさ)。

深川黄表紙掛取り帖 」と、その続編、「牡丹酒 」でもちょっと思ったのだけれど、山本一力さんは、シリーズの一作目では、色々なエピソードをきっちり落とし込んでくるんだけれど、二作目ともなると、どうもエピソードを端折って、葵の御紋のように豪商とか、一目置かれる貸元などを使ってくるような気がします。ちょっと惜しい! 細部をきっちり語ることのできる作家さんなだけに、紋切り型は嫌だよう。

損料屋喜八郎始末控え 」の続編、「赤絵の桜」は大丈夫なのかなぁ。でも、「赤絵の桜」を読む前には、深川の老舗料亭「江戸屋」を舞台とした、「梅咲きぬ」をぜひ読みたいところ。山本一力作品は、同じ年代の江戸の話を多く書いておられるせいか、あちこちで登場人物がリンクしているんだよなぁ(また、色々見逃してそう~)。

■お神酒徳利とは?■
「菊正宗」のページにリンク
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