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「妖女サイベルの呼び声」/その声が呼ぶもの

 2007-10-09-22:38
パトリシア A.マキリップ, 佐藤 高子
妖女サイベルの呼び声

「イルスの竪琴」シリーズ のマキリップ。かつ、「世界幻想文学大賞受賞!」とのことで、古本屋で見つけて、いそいそと捕獲。

魔術師ヒールドと、とある貧しい女の交わりによって生まれたミクは、モンドールの街を後に、エルド山へと赴いた。ミクの息子、オガム。そのオガムの娘、サイベルがこの物語の主人公となる。さて、ミクが始め、オガム、サイベルへと受け継がれたのは、けものたちを呼び、その心(マインド)を捉える術。

美しきサイベルは、エルド山の奥深く、けものたちのみを友として、日夜魔術の修行に励んでいた。そこに現れたのは、赤児を連れたサールのコーレン。その赤児、タムローンは、サイベルの甥であり、エルドウォルド国の王、ドリードの子であった。サイベルはタムローンに愛を与え、タムローンが少年に至るまで、王位に関わりなく育てるのであるが…。

父を求めるタムローンを、サイベルは拒絶することが出来ない。山を降りなければ、下界を知らなければ、それはそれで幸せに暮らせたはずだけれど…。

かつてサイベルにタムローンを預けたコーレンたちとドリードは敵同士であり、コーレンはドリードを兄の敵として強く憎むものであった。また、コーレンはサイベルを愛し、ドリードもまたサイベルの持つ術故にサイベルを愛す。コーレンと共に行くことは、サイベルの愛する子供であるタムローンの敵となることでもある…。サイベルはどうするのか。また、下界に降りることで、他者との関わりを持つことで、サイベルは愛と共にまた憎悪を知る。

二者の間で揺れる心や、愛や憎悪、許しをテーマにするところは、メロドラマ的でもある。「イルスの竪琴」シリーズの方が、その点、テーマがもっと複雑だと思う。両者に共通するのは、乙女の描き方。マキリップ作品における女性は、強いばかりではなく、女性らしさを残したまま、凛として一人立つ。とんでもない能力を持っているのだけれど、あくまで静かなところも印象深い。また、そこに沿って立つナイトがいるところも、見逃せないところかな。場合によっては、これ、ちょっとハーレクインぎりぎりな気もするけれど。

世界幻想文学大賞受賞作たる本作品の魅力は、出てくるけものたちによるものでしょう。大きな翼と黄金色の眼を持つティルリスの黒鳥、赤い眼と白い牙の猪サイリン、緑の翼を持つ竜ギルド、王の財宝にも匹敵する毛並みを持つライオンのギュールス、呪術と玄妙不可思議な魔力の持ち主である巨大な黒猫モライア、青い眼の隼ター…。

サイベルはガラスほどに薄く、石のように堅牢な水晶の大ドームに覆われた室から、彼らの古の名を呼び、忘れ去られた秘密の場所に探りを入れる。この心(マインド)の静寂から放たれる呼び声もまた、この物語の魅力の一つ。 その名を呼んで捉えるのは古の呪術だよね。

?「世界幻想文学大賞」ってナニー?と思い、調べたところ、Takashi Amemiyaさんのこちらのページ を見つけました。リンクフリーとのことですので、貼らせていただきます。
この作品ってば、最初の1975年の受賞作だったのですねー。
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