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「ダンシング・ガールズ」/あたしたちの内側には

 2007-10-22-21:45

マーガレット アトウッド, 岸本 佐知子

ダンシング・ガールズ―マーガレット・アトウッド短編集


訳者の岸本佐知子さん目当ての読書であります。

目次
火星から来た男
ベティ
キッチン・ドア
旅行記者
訓練
ダンシング・ガールズ
訳者あとがき


著者はカナダ出身とのことなので、豊かな自然描写なども期待しつつ読んだのだけれど、その点は実はいまひとつ。でも、心理描写が独特で、すとんと居心地悪い所に落とされる、その感覚が面白かったです。

訓練」を除けば、ほとんどの主人公は女性。そして、どちらかと言えば、地味な人物に焦点が当てられる。でも、地味な人物には地味な話しかない、なんてことはそれこそ思い込みでしかないわけで。ぺろりと現実の皮を捲ればそこには…、というお話。なんとなーく、中途半端に放り出される部分もあるのだけれど、これはその釈然としない感覚も含めて、楽しむべき物語なのでしょう。

妙ちきりんさで言えば、ミセス・バリッジを主人公とする「キッチン・ドア」が、ぴったりはまった美しさでいえば、都会的な旅行記者アネットを主人公とした「旅行記者」が面白かったです。

キッチン・ドア」の主人公、ミセス・バリッジは、一九五二年からずっとピクルスを作り続けている。今年も勿論、鍋二つ分のグリーン・トマトのピクルスを作り、夫、フランクとのやり取りもまたいつもと同じ。フランクは毎年、妻がピクルスを作り過ぎると文句を言い、でもそれをいつだって食べきってしまうのだ。ピクルスとチーズを控えるように言うのも、フランクの健康を心配してというよりは、彼女が口うるさく言わないと、フランクが淋しがるから。そう、これらはすべて決められた形式にのっとって進行する、日常の決まり事…。
常と同じ時間の流れの中で、ミセス・バリッジは「それ」がやって来るのを感じる…。その時、きっと夫フランクには彼女を守ることは出来ない。「それ」を感じるミセス・バリッジは、キッチン・ドアを見つめながら、一人、準備を始めるのだが…。

旅行記者」では、有能で都会的な旅行記者、アネットが飛行機事故に巻き込まれる。楽しみを見出し、人々が求める記事を提供する術に長けたアネットにとって、旅は既に純粋な楽しみではなく、まるで書割の世界にいるようでもある。言うならば、自分だけが現実から隔離されたような感じ。
そんな中で、彼女は飛行機事故に遭う。慌てもせず、海に着水した飛行機から、必要なものを整えて脱出した彼女を待ち受けていたのは…。当然、すぐに助けがやって来るはず。救命ボートの上で、彼らは考えるのであるが、現実には…。そう、これがアネットが求めていた「現実」なのか、「生きる」ということなのか。

カナダの作家と言えば、新潮クレストブックスのこちらも気になります。こちらは、自然描写も期待出来るのかしらん。
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「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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