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「文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!」

 2009-12-06-01:49
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
(2003/10)
ジャスパー フォード

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出版社/著者からの内容紹介
主人公を見つけなければ、物語は終わらない……
文学史上最大の捜査が、はじまった。
事件のはじまりはディケンズだった……
わたしはサーズデイ・ネクスト、27課所属の<文学刑事>だ。元<時間警備隊>の父は、いまは時空のなかを逃げまわる身の上、最愛の兄はクリミア戦争で疑惑の死を遂げた。
わたしはといえば、昔の恋をひきずったまま、地道な捜査ひとすじ。ふだんは原稿紛失や盗作など冴えない時間ばかりで殺しとは無縁のリテラテック(文学刑事)のわたしが、いくつもの顔を持つ凶悪犯アシュロン・ヘイディーズを追うことになった。特別捜査機関の同僚の心配をよそに、わたしは単身<現場>へ向かった。
英米でベストセラーの<文学刑事シリーズ>第一弾!

私の中の感覚で言うと、「犬は勘定に入れません」(感想)+V・I・ウォーショースキーシリーズという感じ。「犬は勘定に~」への連想は、主人公・サーズデイ・ネクストの父が時間警備隊(クロノガード)であることと、微妙に現実の世界とはずれた世界がきっちりと構築されていることから、ヴィクへの連想は、精神的にも肉体的にもタフな女刑事であることから。最近はヴィクシリーズを追い切れてはいないんですが、「犬は~」もヴィクシリーズもどっちも好きなお話なんです。で、結果、とっても面白かったです! 微妙にずれた世界に乗り切れるまで、ちょっと時間が掛かったのも、「犬は勘定に~」と同じかもしれません。

訳者あとがきから引用してしまいます。

それにしても、なんという設定だろう。
舞台は一九八五年のイギリス。と言っても、われわれの世界とはちがう時間線をたどる、過去であって過去ではない”もうひとつ別の現代イギリス”だ。とっくに終わっているはずのクリミア戦争がいまだ終結せず、帝政ロシアとのその戦争は百三十一年めを迎え、イギリスはゴライアス社なる超巨大企業に事実上支配されている。しかも、第二次大戦でドイツに占領されたこともあり、ウェールズは共産化して独立。タイムトラベル術を会得して過去・未来を自由に行き来できる者たちがいる一方、マクロチップが発明されていないのでコンピューターはなく、ジェットエンジンも存在しないので空の旅はもっぱら飛行船に頼る。ところが、クローン技術は発達していて、それによって製造される絶滅種ドードーが一番人気のペットになっている。テクノロジーが現実とはちがう進化をとげた、ヴィクトリア王朝風味のレトロな現代社会。

最初はその設定に、ん?ん?、と思うんだけど、はまってくるとこれが楽しい。飛行船の空中散歩も羨ましい!

主人公ネクストの職業は、特別捜査機関(スペックオプス)の文学刑事(リテラテック)。スペックオプスは警察では扱わない事件、もしくは特殊な能力を必要とする事件を扱う組織で、全部で三十部局存在する。数字が若い方が重大事件を追っていて、サーズデイの所属する文学刑事局(リテラテックス)は、数字が大きい27。サーズデイとしても、リテラテックスよりもっと上の組織に行きたいという気持ちがある。

そうしてサーズデイは、世紀の悪人、ヘイディーズと闘うことになったのだけれど…。一旦、この設定に乗り始めてからはノン・ストップ。どんどん読み進めてしまいましたよ。リテラテックとはいえ、普段は鑑定、著作権、泥棒が主な相手なんだけど、こたびはなんと、伯父のマイクロフトが発明した<文の門(プローズ・ポータル)>で、文字通り本の中に入ってしまうのです。いやー、こんな冒険ってあり? 本の世界に入ることで、文字通り結末が変わってしまう可能性もあるんですよね。本の登場人物とサーズデイの会話も面白いんです。一人称小説と三人称小説の違いとか、出番がない時の彼らの様子とか。

文学がやたらと力を持っている世界というのも面白かったです。凶悪犯ヘイディーズの最初の声明は、ディケンズの「マーティン・チャズルウィット」から登場人物の一人を抹殺するというものだったんだけど、これが脅迫になる世界だなんて! シェイクスピアの正体について議論を交わしたり、街角にはシェイクスピアの一節を聞かせるヴェンディングマシンがあったりと、古典文学の人気が全く衰えていないのです。ちょっとレトロでアナーキーな世界を楽しみました。

1 サーズデイ・ネクストという名の女
2 ギャズヒル
3 デスクにもどって
4 アシュロン・ヘイディーズ
5 罪ある者を捜し、罪なきものを罰する
6 ジェイン・エア―小説世界への小旅行
7 ゴライアス社
8 飛行船でスウィンドンへ
9 ザ・ネクスト・ファミリー
10 フィニス・ホテル、スウィンドン
11 胸の内に、ポリー、屡々、ひらめく
12 SO-17―文学刑事局(リテラリー・ディテクテイヴズ)
13 カペル・イ・フィンの教会
14 ボーデンとの昼食
15 ハロー・アンド・グッドバイ、ミスター・クウェイヴァリー
16 スターミー・アーチャーとフィリックス7
17 SO-27―吸い噛み
18 ランデン、ふたたび
19 なまぐさ牧師のジョフィ・ネクスト
20 ランシブル・スプーン博士
21 アシュロン・ヘイディーズとゴライアス社
22 待機
23 受けわたし
24 マーティン・チャズルウィット、救われる
25 熟慮の時
26 アースクロッサー
27 ヘイディーズ、別の原稿を見つける
28 ハワース・ハウス
29 ジェイン・エア
30 世論のうねり
31 ウェールズ人民共和国
32 ソーンフィールド館
33 書かれていく本
34 彼らの本はもうすぐ終わる
35 この本ももうすぐ終わる
36 結婚
訳者あとがき
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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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