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「たったひとつの冴えたやりかた」
![]() | たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) (1987/10) ジェイムズ,ジュニア ティプトリー浅倉 久志 商品詳細を見る |
目次
第一話 たったひとつの冴えたやりかた
The Only Neat Thing To Do
第二話 グッドナイト、スイートハーツ
Good Night, Sweethearts
第三話 衝突
Collision
訳者あとがき
川原由美子さんの表紙がずーっと気になっていたのに、読んでなかったSF名作であります。
内容紹介に詳しい表題作も勿論いいんだけど、私は第三話を推したい。さらにまた素敵なところが、これらの三つのお話は、”連邦草創期の人間(ヒューマン)のファクト/フィクションを選択して欲しい”という、コメノの若いカップルの希望に応えて、水陸両生の主任司書モア・ブルーが選び出したものなんですね。「こんなふうにして歴史の断片を綴っておく」。物語ってやっぱり素晴らしい!内容(「BOOK」データベースより)
やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!
連邦草創期ということだからか、三つの物語には、いずれも<リフト>近くの辺境基地、連邦基地九〇〇が出てきます。SFではあるけれども、バリバリにハードなものではなくって、どちらかというとスペオペな感じ。”カセット”なんかが何度も出てくるところもご愛嬌かなー。宇宙を航行できる時代に、カセットで記録するというのはどうかと思うの。
私が推す第三話は、ファーストコンタクト(実際は、ある不幸な出会いのせいで、純粋なファーストコンタクトとは言えずに、色々ややこしくなってるんだけど)もの。若きジーロ、ジラノイの好奇心溢れる姿がいいのです。クリムヒーン艦長の頑なさには、ラストが不安になって、先をこっそり薄目で見てしまいましたが…。
なんとなーくイメージがわかない部分があっても、川原さんの挿絵がそれを補ってくれるのですね。異星人の姿がやたらと可愛らしいところには、何やらファンタジー的風味も感じてしまうのです。
↓第一話だけを改訳したバージョンもあるんですねえ。でも、このお話、三話揃ってこそだと思うんだけどなぁ。だって、あの司書さんと学生カップルがいてこそ、でしょう?
![]() | たったひとつの冴えたやりかた 改訳版 (2008/08/22) ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 商品詳細を見る |