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「青空の卵」/卵の外の青空は

 2009-08-03-14:46
青空の卵 (創元推理文庫)青空の卵 (創元推理文庫)
(2006/02/23)
坂木 司

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内容(「BOOK」データベースより)
僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。

主人公は作者と同名の坂木司。覆面作家だという作者ご自身の姿にも、興味が沸いちゃいます。こんなやさしく、かつ変った物語を書いたのは、どんな人なのでしょう。
目次
夏の終わりの三重奏
秋の足音
冬の贈りもの
春の子供
初夏のひよこ
 文庫版あとがき
 解説        北上次郎
ミステリーとしては、所謂日常の謎的系譜に連なるもの。しかし、この物語が特異なのは、探偵役の鳥井と、ワトソン役の坂木ふたり、それぞれが負っているもの。

やさしい坂木はとにかく良く涙を流す。それまで冷徹に推理を繰り広げていた鳥井は、坂木の涙を見た途端、まるで幼い子供に戻ったように落ち着きをなくしてしまう。自分を平凡極まりないと感じる坂木は、異能の人である鳥井と関わる事で自分の存在意義を感じ、中学生の頃のいじめから鳥井を救った坂木は、鳥井にとって神にも等しい存在となる。有体にいえば、二人は共依存の関係にある。だから、坂木の涙は鳥井を動揺させるし、人の良い坂木を利用しようとする輩を、鳥井は許すことが出来ない。

夏から初夏にかけての一年間、二人は様々な謎と様々な人たちに出会い、少しずつ成長していきます。「春の子供」においては、鳥井はとうとう確執があった父親との和解も果たす。ひきこもりでぶっきらぼうだという鳥井だけれど、大人の策を弄さないだけで、彼はきちんと人間関係を形作る事が出来る。だから、かつて謎に関わった人々が、料理上手な鳥井の部屋に集ったり、その関係は終わる事がない。

大人の視点で推理し、子供の純粋さで語る、という鳥井。坂木と鳥井の関係も、物語が進めばいつか変っていくのでしょう。それでも、彼らの周りには、彼らがそれまでに作ることが出来た人たちとの関係がある。白か黒か、子供と大人が溶け合う中間部分がないという鳥井。潔癖と鷹揚の境界線。それもまた、いつか変っていくのでしょうか。

坂木のいい人ぶりが鼻につく向きもあるかもしれませんが、私は坂木に付き合いたいと思うのです。

「心の中に棲む人と暮らせば、幸せも不幸せも、本物が手に入るぞ」

僕は、本物が欲しい。
僕は、本物になりたい。


続きはこっちだ↓
仔羊の巣 (創元推理文庫)仔羊の巣 (創元推理文庫)
(2006/06/17)
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コメント
こんばんわ。TBさせていただきました。
引きこもり探偵シリーズは何だかもったいなくてこの作品しか読んでません^^;
とても優しくて綺麗な作品だなぁと思いました。
鳥井も坂木も純粋なんですよねぇ。
日常ミステリ?の内容も好きです。
段々知り合いが増えていきますよね。
もったいないと思って読めていなかったですが、そろそろ読んでみようかなぁ…。
【2009/08/03 20:22】 | 苗坊 #- | [edit]
 こんばんは~。
 TBさせていただきました。三部作とても満足して読みました。とても好きな作品です。 
 まだ全部読んでいない苗坊さんやつなさんが羨ましい~。
【2009/08/03 23:50】 | 樽井 #- | [edit]
>苗坊さん
トラバありがとうございます♪
あ、なんだか勿体なくて…、という言葉も分かります。
この空気感がどうなるんだろう、という風に思ってしまいますよね。
でも、ではいい機会なので(笑)、私と一緒に読んでみましょうか~。

>樽井さん
樽井さんもトラバありがとうです♪
「所轄刑事」もトラバしようかと思ったんですが、こっちからはあまりうまく飛ばない気がするので、諦めちゃいました。
はてなからは、問題なく飛んだみたいですね♪

三部作、とても満足なんですね。
私も追って読みまーす!
【2009/08/04 14:30】 | つな@管理人 #- | [edit]












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  • 青空の卵 坂木司【苗坊の徒然日記】
    青空の卵 (創元推理文庫) 僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。 複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。 料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。 鋭い
【2009/08/03 20:18】
  • [書評]「青空の卵」坂木司著 【樽井さんの読書&電化よもやま日記】
     創元推理文庫というのは、凄い才能の持ち主を発掘してくるから侮れません。  北村薫さん、若竹七海さん、山口雅也さん、米澤穂信さん、加納朋子さん、倉知淳さん、笠井潔さん、そしてこの坂木司さん。  どれも素晴らしいミステリ書きさんで、この創元推理文庫で知った方
【2009/08/03 23:48】
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つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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