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「タングステンおじさん」/オリヴァー・サックスの少年時代

 2009-02-14-01:03
タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代
(2003/09)
オリヴァー サックス

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脳神経科医、オリヴァー・サックスの少年時代を語ったエッセイです。医者、実業家など、科学に造詣の深い両親や親類たちの中で育ち、化学にのめり込んだ少年時代。少年、オリヴァーが化学にのめり込んだのは、疎開により負った心の傷もまたその一因であった…。不変であり、美しい化学の世界は、不確かなものが多い世の中で、少年オリヴァーを魅了したのだ。

ロンドンからの疎開と言えば、ナルニア国物語もそうであり、本土への空襲を経験していないという意味で、アメリカという国はやはり特別なのかも、などとちらりと思いました。
目次
1 タングステンおじさん-金属との出会い
2 「三七番地」-私の原風景
3 疎開-恐怖の日々のなかで見つけた数の喜び
4 「理想的な金属」-素晴らしきタングステンとの絆
5 大衆に明かりを-タングステンおじさんの電球
6 輝安鉱の国-セメントのパンと鉱物のコレクション
7 趣味の化学-物質の華麗な変化を目撃する
8 悪臭と爆発と-実験に明け暮れた毎日
9 往診-医師の父との思い出
10 化学の言語-ヘリウムの詰まった気球に恋して
11 ハンフリー・デイヴィ-詩人でもあった化学者への憧れ
12 写真-二度と戻らぬ過去への愛着
13 ドルトン氏の丸い木片-原子の目で物質をながめる
14 力線-見えない力のとりこになる
15 家庭生活-身内の死と発狂した兄
16 メンデレーエフの花園-美しき元素の周期表
17 ポケットに分光器を忍ばせて-街や夜空を彩るスペクトル
18 冷たい火-光の秘密へ
19 母-「生物への共感」と解剖の恐怖
20 突き抜ける放射線-見えない光で物を見る
21 キュリー夫人の元素-ラジウムのエネルギーはどこから来るのか
22 キャナリー・ロウ-イカと音楽と詩と
23 解放された世界-放射能がもたらした興奮と脅威
24 きらびやかな光-原子が奏でる天球の音楽
25 終わりのとき-量子力学の到来と化学との別れ
 あとがき
 謝辞
 訳者あとがき
わたくし、一応、化学の専門教育を受けているんですが、これ、すごく分かりやすく広範囲の化学を網羅していて、面白かったです。内容も、普通に教科書としても使えるんじゃないかなぁ、というレベル。科学者の発見を追う部分もあるので、科学史としても面白かった!

危険なものも含めて試薬を買える環境にあり(これは、たぶん時代のせいですよね。今だったら、きっと売ってはもらえない)、自分専用の実験室を持つことが出来(しかも、ドラフト付き)、また、アドバイスをくれる親類にも恵まれたという、特に恵まれた環境もあると思うんですが、少年オリヴァーが追及する化学の真実に、一緒にわくわくしてしまいます。

親類たちがまたすごくてですね、タングステンおじさんは勿論、オリヴァーに植物と数学の面白さを教えてくれた、レンおばさんもまた凄い(他の親類もみんなこんな感じなんだけど)。

あるときは、庭のヒマワリの花の真ん中に密生している小花がらせん状のパターンを描いているさまを見せ、その小花の数を数えてごらんなさいと言った。私が数えていると、おばは小花がある数列にしたがって並んでいるのだと指摘した。つまり、1、1、2、3、5、8、13、21……といった具合に、どの数も前のふたつの数の和となるように並んでいたのだ。

ヒマワリの花から、フィボナッチ数列と、黄金比を教えられる。なんだか、ユダヤ系社会の底力を見せられたというか…。

また、通常、周期表って、水兵リーベ僕の舟…、と何も考えず、覚えるもんだと思うんですが、オリヴァーの場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属など、それぞれの元素の性質を知った後に、博物館で周期表の存在を知るのです。周期表を知ったオリヴァーの中で、ただの四角い表である周期表は、らせんやループに形を変え、天まで届くヤコブの梯子となる。こんなところも詩的だなぁ。少年、オリヴァーは融点や密度などから、自らその周期性を確かめ、また未知元素の性質の予言までしてしまうのです。

こういった背景を知って読むと、また、彼のこれまでの著作へのイメージも変わるなぁ。執拗とも思えた追及の仕方とか、物凄く患者に寄り添うところとか(これは、父親の影響なのかな)、何だか少しわかったような気もしました。

■関連過去記事■
・「火星の人類学者」/ダイナミックで複雑な脳というもの、わたしたちの世界
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