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「マルドゥック・ヴェロシティ・1」「2」「3」/加速する物語

 2009-01-11-23:30
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(2006/11/08)
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あの「マルドゥック・スクランブル」(感想)以前。少女、バロットとウフコックが出会う前。ウフコックと大男ボイルドの因縁が語られます。ボイルドは、なぜあんなにウフコックに拘ったのか。ウフコックはなぜあんなに自らの存在価値に拘ったのか、使い手を待ち望んでいたのか。すべてが語られます。

そして、この物語の、惚れ惚れするようなソリッドさ。読む前に想像していたのよりもとても良くて、加速するこの物語にぐっと引き込まれました。早川文庫から出ていても、何となくラノベ風の文法で書かれ、筋も比較的シンプルだった前作と比べ、書き込まれた物語の重さは尋常ではなく増している。それは主人公たる人物が、少女バロットから、重力(フロート)を自在に操る大男、ボイルドに変わったからだけではなく。ギャング一家、ネイルズ・ファミリー、あのオクトーバー一族、研究所の三博士、最初の09メンバー、ほぼフリークスなカトル・カール…。詰め込まれた情報量も半端ではない。

しかし、09メンバーの活躍を、その絆を見せつけられれば見せつけられるほど、読みながら切なくもある。だって、「スクランブル」を読んでしまった読者は、既にその絆が失われていることを知っているから。少しずつ削り取られていく09メンバーたち。「バック」がなかなか割れないことに、引かれた絵図の大きさに、徐々に疲弊し、虚無に飲み込まれていく残されたメンバーたち。

その中でやはり他のメンバーとは違うのは、ボイルドの良心でもあった、金色のネズミ、ウフコック。研究所から街へと出た、最初のその気持ちを持ち続けたのは、ウフコックだけだったんではないのかなぁ。悩み続けること、虚無に飲み込まれないこと、ライセンスが交付された際の、ウフコックの宣言文が胸を打つ。ウフコックは救済を諦めない。

しかし、それもこれも、ウフコックは全ての事情を知っていたわけではないから、とも言えるんだけどねえ。詳しく描かれたボイルドの事情、こりゃもう、そうせざるを得なかったと思わないでもない。ただ、それでも、ウフコックの使用者として、ボイルドとバロットはやはり違うとは思うんだけど。

すべてが奇麗におさまった時、冲方さんはここまで予測して「スクランブル」を書いたのかしら、と不思議でした。「スクランブル」のあの事件自体も、なーんと既に約束されたというか、設定されたものだったわけで…。これはもう立派な大河ドラマ。緑の眼をしたあの子の今後だって気になるし、バロットとウフコックのその後だって気になる。この物語にはどんどん増殖していって欲しいものであります。本書は、”/”を多用した箇条書きのような文章が、この凄まじい加速度に貢献しているんだけど、ラノベ的文法も手法も全部無視して、実験的手法でも何でも、冲方さんの書きたいように書いていって欲しいなぁ。

大男、ミスター・モンスター、ボイルドの爆心地(グラウンドゼロ)。迫力かつ胸を打つ物語でありました。

ときとして暴力は、素晴らしい効果を発揮するのだと公言する意義は。
そんなものはない。そう言い切れる楽観こそ、本書の意義であって欲しい。
最善であれ最悪であれ、人は精神の血の輝きによって生きている。
そしてエンターテイメントは、最悪の輝きさえも明らかにするのだ。
残された虚無―その輝きを。
 (たぶん、後書きにあたる「精神の血―その最悪の輝き」より引用)

SF
コメント
ブログの方は大変お久しぶりです。いちみです。
しかも亀TBですみません。

むむ~、読んでらっしゃいますね! SFを。
この作品はホント名作だと思います。初読時は、すごい衝撃を受けて読了後しばらく放心状態でした、、、。
、、、という当時の状況を、自分の感想文読みなおして改めて知りました(笑

もしまた今年もSF読まれるんなら、さいきん私のハマっている上田 早夕里さん作品が、つなさん的にもイケるんじゃないかって思います♪
【2009/01/19 00:28】 | いちみ #uwfcZnw2 | [edit]
いちみさん、お久しぶりです~。
つか、最近、mixiにログインすらしていない…。汗

そうなんです、ぼちぼち読んでるんです。
最近、コニー・ウィリスもいいなー、と思ってます♪

これ、凄かったですよねー。
いやあ、誰かとお話ししたかったんですが、いちみさんとこの記事、読み逃げして満足してました。笑
「スクランブル」も良かったんですが、あれだけだったら、他にもあるレベルだとは思うんですよねえ。
「ヴェロシティ」を読んで、なめててごめん、と思いました。笑

おお、上田さんですね。
うう、私的にもきっといけると思うんですが、図書館にないと見事にとりこぼすという…。笑
「マルドゥック」は人気作だからか、いまさら図書館に入ったんですよ。
機会があったら、読んでみまーす!
トラバもどもです。
お返ししますね!
【2009/01/20 22:21】 | つな@管理人 #- | [edit]












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  • 読了:『マルドゥック・ヴェロシティ 〈1〉』 茹男とネズミの前日譚 【日々是げんじつ】
    「マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉」 著:冲方 丁 『マルドゥック・スクランブル』にてウフコックと敵対していた、かつてのパートナー、ディムズデイル・ボイルド。 ボイルドとウフコックが、相棒として仕事をしていた時代の物語。そして、09(オーナイン)法案発足
【2009/01/19 00:11】
【2009/01/19 00:20】
【2009/01/19 00:21】
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つな がる

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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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