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「ドゥームズデイ・ブック」/ダンワーシイ教授、奔走す

 2009-01-06-23:40
ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)
(1995/11)
コニー ウィリス

商品詳細を見る

「犬は勘定に入れません」(感想)のオックスフォード史学部の面々が活躍する、姉妹編といったところでしょうか。ただし、「犬は~」がレイディ・シュラプネルという恐ろしい暴君がいても、どこまでも喜劇だったのに対し、こちらは悲劇。登場人物たちは、全体像が全く見えないまま、それぞれがそれぞれにベストを尽くすのだけれど、人間の力だけではどうしようもないことが彼らを襲う。相変わらず小ネタが色々詰まっていて、「犬は~」にも出てきたフィンチの心配症っぷり(しかも、とても細かいこと限定。トイレットペーパーの備蓄が尽きかけています!!)など、懐かしくもあるのですが、お話の内容的にどうしたってやるせなくもある…。

クリスマス休暇になだれ込む直前。史学部長、ベイジンゲームの留守中に、学部長代理の権限を勝ち取った、中世史学科のギルクリストは、ダンワーシイの反対をよそに、女学生キヴリンの中世への「降下」を強行する。「降下」を担当した、技師バードリが謎の病に倒れ、ダンワーシイの心配は頂点に達する。

中世へと開いた「ネット」の「フィックス」も取れないまま、果たしてキヴリンは無事に目的とする年代、土地に辿り着いたのか? 予定していた二週間後の「ランデヴー」、キヴリンの回収は可能なのか?

ギルクリストのそれまでの大演説にも関わらず、キヴリンの様子もあまり好ましくはないようで…。その時代のあらゆる予防接種を受けたはずなのに、キヴリンは辿り着いた先で病を得てしまう。彼女を助けたのは、地元教会の司祭、ローシュ神父と、土地の領主の妻、エリウィスたち一家。

ダンワーシイたちがいる現代、二一世紀と、キヴリンがいる一四世紀。共に伝染病が猛威をふるう。ドゥームズデイ・ブックとは、キヴリンがそう名付けた、キヴリンによる十四世紀の歴史観察記録。ダンワーシイたちの話、キヴリンの話と共に、この「ドゥームズデイ・ブックより転載」されたという記録が挟まる。

この記録は無事生還を果たしたキヴリンからもたらされたものなのか、それとも村の遺跡を発掘していたモントーヤによりもたらされたものなのか。いったい、どうなっちゃうのーーー?と思い、どんどんページを繰ってしまいました。「犬は~」を読むのに二週間近くかかってしまっていたことを考えれば、驚異的な速さでこちらは読み終わってしまいましたよ。

時は、二〇五四年。こんな経験の後に、さらに「犬は~」に巻き込まれるとは…。ダンワーシイ先生には、心よりご同情申し上げます。お話としても、「ドゥームズデイ・ブック」が先で、「犬は~」が後になるんですね。ネット、フィックス、降下、などについては、こちらを読んでやっと分かったこともあります。

「犬は~」はのどかな川の景色が印象に残るのですが、こちらで印象に残るのは、寒い寒い中世の冬。キヴリンが親交を深めた時代人との生活。どんなことでも実際にやってみなければ、調べたこと、聞いただけでは分からないことがある。大がかりなタイムトラベルの果てに言えるのは、そういうことなのかも。

コニー・ウィリス、好きなんだけど、そしてそういう話じゃないんだろうけど、読んでいると彼女が描くところの組織について、ついつい文句が出てきてしまうのです。無能だけれど声の大きい人がのさばるせいで、善良な物事を元に戻そうとする人たちが、どれ程の苦労を強いられているのか!

「犬は~」も実際に登場することの少ない、レイディ・シュラプネルの印象がものすごく強いんだけど、この本で印象が強いのは、全く登場しない史学部長ベイジンゲームの行方。実は最後まで行方が知れないのだけれど、オチがあると信じていたので、それはちょっと肩すかし。米澤穂信さん並みに、「史学部長はどこだ」(「犬はどこだ」(感想))と思ってしまいました。ほんと、ヤツはこの非常時に何をやっていたのでしょう~(私の読み逃し??)。

あと特筆すべきは、コニー・ウィリスの巧みさ。十四世紀と二十一世紀の対比は、伝染病だけではない。ローシュ神父が中世で鳴らす鐘、現代のベイリアルを占拠するアメリカ人たちのハンドベルとの対比、とにかく誰かのために奔走する人々とか。「犬は~」もそうだったけれど、渦中のダンワーシイ教授、これ、ほとんど寝てませんよね・・・。読んでるこちらも、なんだか寝不足がうつりそうな感じでした。
コメント
こんばんは、樽井です。
 「ドウームズディブック」どうしても手に入らなかったので、さきほどアマゾンさんに頼みました。グインの新刊といっしょにやってくる予定です。読んだらまた感想書きますね~。
【2009/02/07 23:58】 | 樽井 #- | [edit]
樽井さん、こんばんはですー。
新入社員研修も熱そうですね! 頑張ってくださいねー。

発売から日が経っちゃってると、翻訳本だとなかなか実書店では難しいのかな。最初はちょっと入りにくいかもしれませんが(そして長いし)、一旦入っちゃえば大丈夫だと思います。
楽しまれますように! (そして、できれば、この後に「犬は勘定に入れません」もぜひぜひ)
「グイン」は実は読んだことないんです~。あれ、今から手を出すのも、ねえ…。といいつつ、周りに読んでおられる方が多いので、なんか皆さんの記事ですっかり読んだ気になっております。笑
【2009/02/08 00:16】 | つな@管理人 #- | [edit]
こんばんは~読みました!
つなさんが言ってたように、読みやすかったですね~
本当にダンワーシー先生は寝不足がひどい(笑)。
「史学部長はどこだ?」バカうけです(笑)
【2009/02/23 20:36】 | momo #- | [edit]
momoさん、こんばんは~。トラバどもです。

やっぱり、momoさんも読みやすかったですか?
「犬は~」はその点、ちょっと不親切でしたよね。笑
それでも、読まされてはしまうんですが。

ね、ダンワーシー先生、可哀そうでしょう?
もう、寝かせてあげたくってー。笑
って、あの状況では眠りたくても眠れないのでしょうけれど。

史学部長、やっぱり行方不明ですよね?笑
いったいどこで何をやってんだーーーー!
【2009/02/24 21:15】 | つな@管理人 #- | [edit]
 こんばんは。
 いままさにこの本佳境です。
 ダンワージー先生が可哀想で可哀想で、どうしてまわりにはあんなに役に立たないというか俗物で分からず屋ばっかりなんだ~~!! と叫びたくなっちゃっています。フィンチくんは、まぁ、彼は彼なりに大変そうですが、、、一人欲しいなぁああいう子。
【2009/02/26 23:24】 | 樽井 #- | [edit]
おお、樽井さん、無事にご帰還されたようで良かったです。
樽井さん、絵もうまいんですねえ。牡丹鍋の絵が、お上手でした♪

うふふ、佳境になると止まらないでしょう?
ガンガンいっちゃってくださいな。
あ、そしてやっぱり、叫びたくなっちゃいますか。笑
私もやっぱり叫びたくなりながら読んでました。
フィンチくん、こちらに余裕がないと、ちょっとイラっときちゃうかもしれませんー。笑
ダンワーシイ先生、そういう意味でもいい人なんだなぁ。
【2009/02/26 23:58】 | つな@管理人 #- | [edit]
 こんにちは。
 読み切りました。最後の最後はわりあいにあっけなかったような気もしますが(もっともっとクライマックス的な何かがあるかと)、、、でも大満足でした。いいもの紹介いただきました。トラックバックはらせていただきます。
【2009/03/04 11:40】 | 樽井 #- | [edit]
樽井さん、こんばんは。
なんだかこれを読んだ人には、お疲れさまといいたい気分になりますね。笑
そして、最後はうん、なんかバタバタ畳んだ印象もありますねえ。
でも、「大満足」、嬉しいです!

問いかけしてらっしゃった、最近のおススメですが、樽井さんは冲方丁さんは読んでらっしゃいますか?
大分前に流行ったものなので、いーまーさーらーな感じもするんですが、「マルドゥック・スクランブル」「マルドゥック・ヴェロシティ」とも面白かったです!
(って、おお、またSFだ)
【2009/03/04 22:18】 | つな@管理人 #- | [edit]












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【2009/02/23 20:32】
  • 「ドゥームズディ・ブック」  コニー・ウィリス著【樽井さんの読書&電化よもやま日記】
     おはようございます。  最近、本の更新が遅れ気味でございますが、少しずつ。。    ヒューゴー賞・ネヴュラ賞・ローカス賞受賞の三冠王達成の一冊だけあって、読み応えたっぷりのSFでした。  本作での2050年代には、タイムトラベルが部分的には可能となり、歴史の研究
【2009/03/04 11:38】
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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