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「アンのゆりかご―村岡花子の生涯―」/腹心の友

 2008-12-26-00:52
アンのゆりかご 村岡花子の生涯アンのゆりかご 村岡花子の生涯
(2008/06/05)
村岡 恵理

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目次
口絵・村岡花子の書斎、愛用品、『赤毛のアン』直筆翻訳原稿、手紙など
プロローグ 戦火の中で『赤毛のアン』を訳す
 昭和20年(1945)4月13日、太平洋戦争が終結する4か月前
第1章 ミッション・スクールの寄宿舎へ
 明治26~36年(1893~1903、誕生~10歳)
第2章 英米文学との出会い
 明治37~40年(1904~07、11~14歳)
第3章 「腹心の友」の導き
 明治41~大正2年(1908~13、15~20歳)
第4章 大人も子供も楽しめる
 大正3~6年(1914~17、21~24歳)
第5章 魂の住み家
 大正7~10年(1918~21、25~28歳)
第6章 悲しみを越えて
 大正11年~昭和2年(1922~27、29~34歳)
第7章 婦人参政権を求めて
 昭和3~13年(1928~38、35~45歳)
第8章 戦時に立てた友情の証
 昭和14~20年(1939~45、46~52歳)
第9章 『赤毛のアン』ついに刊行
 昭和21~27年(1946~52、53~59歳)
第10章 愛おしい人々、そして
 昭和28~43年(1953~68、60~75歳)
エピローグ 『赤毛のアン』記念館に、祖母の書斎は残る
 アン誕生100周年、花子没後40年の平成20年(2008)4月13日
目次を書き写しただけで、満足ーーー!な感じもするんですが、内容も読んで満足の一冊でした。最初はね、プロローグにここを持ってくるのは構成的にあんまり好きじゃないなぁ、とか思っていたんですが(なんつか、クライマックスを冒頭に持ってくる昔ながらの伝記スタイル?)、途中からはそんなことはすっかり忘れ、引き込まれて読みました。孫なのによくぞそこまで書いた!というぐらい、赤裸々に描かれた部分もありますが、それはスキャンダラスというよりは、真摯な姿勢によるものなのでしょう。

アンはやっぱり村岡花子訳よね♪、と思いつつ、空白だった翻訳者、村岡花子の生涯を知ることが出来ました。でもね、今、気になって、私が持っているポプラ社の「赤毛のアン」を確認してみたら(昭和53年第1刷、昭和57年第9刷のもの)、村岡花子による解説がきちんと書いてありました。この物語を読む少女たちへの優しさ溢れる語り口は、この「アンのゆりかご」を読んで知った、村岡花子の人となりにぴたりと一致したものでした。この解説には、モンゴメリが「赤毛のアン」を出版するに至った経緯、村岡花子自身が翻訳し、日で出版されるに至った経緯がきちんと書いてあるというのに、今の今まで、すっかり思い出す事もなかったのです…。子供時代、何度も読み返していたのに、解説は流してみたい…。

モンゴメリとの共通点、寄宿舎での生活、厳しくも優しい女学校の教師、綺羅星のような友人たちとの交わり、子供たちへ良い物語を届けなければならないという使命感、どれも興味深く良かったです。ちょっと話はずれますが、氷室冴子さんがやっぱり少女小説の復権を志していて、それで知った「リンバロストの乙女」も村岡花子訳だったんだよねえ。

「村岡花子」というと、現代にいても決しておかしくはない名前だけれど(というか、明治、大正、昭和を生きたとなれば、それはそんなに遠い時代ではないのだろうけれど)、佐々木信綱(「一葉さんが歌を始められたのも、あなたと同じくらいの年ごろでしたよ」)、柳原白蓮、市川房江、林芙美子、岡かの子、円地文子、徳富蘇峰、与謝野晶子、宇野千代、真杉静江、吉屋信子、壷井栄、矢田津矢子などなど、私にとっては意外な交友歴が分かりました。「村岡花子」だけはぽーんと宙にいて、あとは歴史的人物だと思っちゃってたんですよね。

「今から何十年後に、あなたがたが学校生活を思い出して、あの時代が一番幸せだったと感じるなら、私はこの学校の教育が失敗だったと言わなければなりません。若い時代は準備のときであり、最上のものは過去にあるのではなく、将来にあります。旅路の最後まで希望と理想を持ち続けて、進んでいく者でありますように」(p97の卒業にあたってのミス・ブラックモアの言葉より引用)

ユートピアのような寄宿舎(ただし、花子自身は、貧しい家庭の出で、成績が悪ければ即退学となる給費生だった)での生活が翻訳者・村岡花子を形作ったのだろうし、灯火規制の中、敵国となってしまったカナダ人宣教師、ミス・ショーとの約束を胸に、いつか平和な時代が来ることを信じて仕上げた「アン・オブ・グリン・ゲイブルズ」だからこそ、私も大好きなアンのあの箇所がぴたりと訳されたんではないのかなぁ、と思いました。

今は曲がり角に来たのよ。曲がり角を曲がった先になにがあるかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。(p247より引用)

実際、村岡花子は翻訳者としてだけではなく、一流の物語作家になれたかもしれないし、「ラジオのおばさん」をやった事もあるそうなんですね。その才能は、もっと多彩な展開があったのかもしれないけれど、「赤毛のアン」を翻訳し、私たちに紹介してくれた事、アンの腹心の友を自称する元・少女としては、非常に感謝なのでありました。「赤毛のアン」はモンゴメリが国カナダで出版するまでも色々な経緯があったわけだし、日での刊行はそれより更に遅れたわけだけれど、辿るべき道を辿って、その物語の力で広まっていったのかもしれませんね。

あ、亡き息子の名にちなんだ「道雄文庫ライブラリー」のお話で、協力者として「エルマーの冒険」の訳者、渡辺茂男(当時、慶應大生)の名前が出てきたのも吃驚でした。石井桃子さんの名前も出てきたし、秀でた人たちはどっかで繋がってたんですねえ。

■関連過去記事■
・「アンの娘リラ」/青春の書(小中編)
「「赤毛のアン」の人生ノート」/いき方
コメント
私ももちろんアンは村岡訳世代なので、ぜひ読んでみたいです。
ところで渡辺茂男さんの方ですが、くまくんシリーズの作者の方なんですね。
翻訳の渡辺茂男という名前も、どこかで目にしては
いるのですが、同一人物だとは思っていませんでした。
「じぷた」「とらっくとらっくとらっく」などの、
もう定番というか古典?みたいな絵本の作者さんだったとは。
そしてエルマーやジョージの翻訳をされてたんですね。
エルマーは石井桃子だと勘違いしてました。
いやー、賢くなりました。
【2009/01/26 23:53】 | びー玉 #K4hmh3UY | [edit]
びー玉さん、こんばんはー。

わー、村岡訳がお好きならば、ぜひぜひ読んでみてくださいな。
すごい良かったですよ。
あ、渡辺茂男さん、その辺の絵本については私も知りませんでした。汗
というわけで、教えてもらって賢くなりましたわー。笑

そうそう、子供のころに読んだ本って、思い込みで覚えている部分も多いから、大人になって改めて見ると違ったりするんですよねえ。
私も何かでそういう勘違いがありましたよー。
【2009/01/27 21:34】 | つな@管理人 #- | [edit]












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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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