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「恋するように旅をして」/世界は広いということを

 2008-12-14-23:02
恋するように旅をして (講談社文庫)恋するように旅をして (講談社文庫)
(2005/04)
角田 光代

商品詳細を見る

目次
「あんた、こんなとこで何してるの?」
夢のようなリゾート
トーマスさん
旅における言葉と恋愛の相互関係について
旅のシュールな出会い系
ナマグサ
超有名人と安宿
旅トモ
行動数値の定量
ツーリスト・インフォメーションの部屋にて
ベトナムのコーヒー屋
宴のあと、午前三時
ラオスの祭
ミャンマーの美しい雨
Where are we going?
ポケットに牡蠣の殻―アイルランド、コークにて
空という巨大な目玉―モロッコにて
幾人もの手が私をいくべき場所へと運ぶ
 あとがき
 文庫版あとがき
 解説 いしいしんじ
小説は読んではいるのだけれど、エッセイはまだ読んだことがなかった角田さん。旅エッセイにも定評があるようだし、「古本道場」(感想)の中にもちらりとそんな話が出てきたので、角田さんの旅エッセイをずっと読んでみたかったのです。というわけで、ようやく読めたよ角田さんのエッセイ本! 面白かったよー。

あちらこちらに、ふらふらと旅をしている角田さんなんだけど、勿論ある程度の英語などは出来るんだろうけれど、読んでいてもこれが決して旅の達人!、とかそういう感じじゃないんだよねえ。

きっとどこに行くとか何をするとか、そういうことが重要なわけではなく、日常とは違う場所に身を置いた時の、自分の感情の揺れ、揺らぎを試すために旅をしているのではないのかなぁ。自分でこれだけ方向音痴だと自覚していて(そして、それを補強するエピソードだって盛りだくさん)、なのにガイドブックも持たず、調べもせずに良く分からない街をずんずん歩いて行くその姿は頼もしくさえあるんですが。

こどもだ。この町にいる私たちはこども的なのだ。約束もなく、束縛もなく、夕方がきて家に帰ってしまうまでの、どこかでだれかに許されていた、あの短い瞬間みたいなのだ。だからこそ、見知らぬ国の見知らぬ町角で出会った私たちは、恋愛も友情も入りこむ余地がないほど、刹那的に楽しい。(「旅トモ」より引用)

大人になって、多少に困ることがあっても、何となくやり過ごすことを覚えている私たち。何も知らないこどもに戻って、その心細さを、次に何が来るのか予測出来ない、そんな瞬間を楽しむような旅。私にはそんな根性はないけれど、角田さんはそうやって感性を研ぎ澄ませているのかしら、と思いました。

ほとんどがアジア、ほんの少しがヨーロッパの旅。スリランカでは、ほとんど奇跡的ともいえる、自らが使用していた幼稚園バスとの出会いを果たす。この「Where are we going?」が良かったなぁ。

バスがどこへいくのか私は知らない。けれど私はかつてのように絶望しない。不安にすっぽりと覆われて小さく震えることをしない。なぜなら私はすでに知っているのだ。私たちはどこかへいき続けなければならないことを。暴力バスに揺られボートにしがみつき小型飛行機でうなだれながら。快適な乗りものも、そうでないものも、そのほとんどを自ら選べずに、けれどだれかに乗せられるのではなく自分の足で乗りこんで、どこかへ向かわなくてはいけないのだ。それがどこかわからないまま。いきたいところなんかどこにもなくても。(「Where are we going?」より引用)

以前に読んだ「対岸の彼女」(感想)を思い出しました。大人であることとこどもであること。角田さんはきっといいバランスの大人なんだろうなぁ。
コメント
角田さんの旅エッセイ、読まれたのですね!
小説も良いけれど、こちらもなかなかいいでしょう。
つなさんの記事、頷きながら読ませていただきました。
彼女にとっての「旅」は何を見るとか、何をするとか、そういうことよりも、普段なかなか感じようとしても感じられない感覚を求めているのでしょうね。
人生、一瞬先は闇とは言うものの、日常生活ではどうしても、ある程度先々の予定も立てざるを得ないし、毎日のルーティーンもあるし、しがらみやら、義理やら、良識やら、大人になればなるほど、色々なものに絡まってしまいますよね。 そうすると、どうしてもなるべく一瞬先を確定し、予測できるものにしよう・・・という方向に向かってしまうんですよねー。
「闇」を「闇」として楽しむということが、なかなか出来にくい。
しっかりと根を張って生きていくことによる充実感や達成感は、旅では得られないものでもありますが。
これ、両方味わいながら生きるって、意外と難しいかもしれないですねー。
【2008/12/17 10:18】 | 有閑マダム #- | [edit]
有閑マダムさん、こんばんは!
うんうん、こっちも良かったです~。

そうなんですよね、普通の旅モノかと思って読んでたら、あれ~?っと。
でも、すっごくらしいというか、納得しました。
まさに日常から離れるための旅ですもんね。

旅といえば、日常から離れるための装置でもあるんだろうけど、なかなかこの無目的さはすごいなぁと。笑
どっちがいいとかそういうのじゃないですけど、せっかく行くのならば、あれも見たい、これも見たい、どうせだったら効率よく回りたい、とふつうは思っちゃいそうですよねえ。

うん、普段は闇とか穴とか近付けないように生きてる方が普通ですもんね。
それでも、そういう闇は人間には必要なものなのかもしれませんねえ。
いや、敢えて辛いこと、大変なことは、ふつうはなかなか出来ないもんだなぁ、とは思いますが。

しっかりと根を張って日常を生きることとは対極ではありますが、感性を鈍らせないという意味では、どちらも少しは似ているのかもしれませんね。
有閑マダムさんの旅記事とか、いつも楽しませて頂いておりますのよ~♪
【2008/12/18 00:31】 | つな@管理人 #- | [edit]
おや、最近は角田光代作品の更新が多いようだねぇ。

では、
「読書人」2008/12/19号に掲載されていた

"角田光代の2008年の収穫" をお報せしようかねぇ。

・「見知らぬ場所」 ジュンパ・ラヒリ
・「愚か者、中国をゆく」 星野博美
・「シズコさん」 佐藤洋子


「読書人」はマイナーな新聞なんだメン~。v-227
【2008/12/18 17:48】 | 僕イケメン #- | [edit]
な、なぜ、僕イケメン…。笑
スパムコメントかと思っちゃったじゃないですか!笑

takam16さんも角田さんでしたもんね♪

ほえー、「読書人」なんて新聞があるんですか。
し、知らなかった…。

おお、私も「見知らぬ場所」読みましたよ!
星野さんは、米原万里さんのオススメだった、「謝々!チャイニーズ」しか読んでないんですが、まだまだいっぱいあるんですねえ。
【2008/12/19 00:23】 | つな@管理人 #- | [edit]












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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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