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「おじいさんの思い出」/郷愁と後悔

 2008-12-11-23:58
おじいさんの思い出おじいさんの思い出
(1988/03)
トルーマン カポーティ山本 容子

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転校していった友達に手紙を書いたことはありますか? もしくは、自分が転校した時に以前の友達に手紙を出したことがありますか?

手紙を出すね、とどんなに約束したとしても、新しい日常にすっかり埋没してしまい、出せないままになったこともあるでしょう。どうしているのかな、と頭に浮かんだとしても、そのままになってしまったこともあるでしょう。

この本の中で語られるのは、”おじいさんの思い出”。孫とおじいさんでは、通常残されている時間が違うもの。いつかまた会えるかもしれない同年代の友達とは違って、「いつか」が永遠に果たされなくなってしまう可能性は非常に高い。
僕たちの一族に、先祖代々引き継がれてきたというウェスト・ヴァージニア州の山脈のふもとの家。おじいさんもおばあさんも、家族が一緒に住むことを当然と思っていたけれど、父さんは違っていた。家からいちばん近い道路まで一マイル、いちばん近い町まで三十マイル。必死に畑を耕しても、自分たちが生きていくだけで精いっぱい。息子を学校にやることも出来ず、これ以上豊かになることだってない。父さんはおじいさんとおばあさんを残して、この家を出ていくことを決めたのだ…。

僕は勿論淋しいし、ここを出て行きたくはない。なんでも教えてくれるおじいさん、やさしいおばあさん。小川(クリーク)のほとりはバターやミルクの保存場所であり、一人になりたい時の僕のお気に入りの場所だった。父さん、母さん、僕の僕たち家族が出ていくことで、おじいさんは老けこみ、おばあさんは寝込んでしまう。

それでも、彼らが出て行く時がやって来る。

新しい場所は、僕たち家族にとって思いの外素晴らしいものであり、僕はおじいさんとの約束を違えてしまう。直接聞くことが出来なかった、おじいさんが伝えたかったという秘密。僕が受け取った小さな箱…。
違えてしまった約束を思い出し、切なくなるようなピュアなお話です。おじいさんの気持も、父さんの気持ちもわかるんだー。そして、僕たち家族の事情もね。おじいさんのもとには、おじいさんとおばあさんの面倒を見るという約束で、家と畑の一部を貰うという、新しい雇い人がやってきます。みんながみんな、以前よりも豊かになろうとすると、それはそうやってまるで玉突きのように、移動していかなければならないものなんだよね・・・。
山本容子さんの銅版画も美しく、時に上段に時に下段に、時に一ページ丸々と、ふんだんに盛り込まれていて、作りも凝った美しい本なのです。村上春樹の小説は、実はあまり肌に合わないのだけれど、翻訳本は好きなんだよなぁ。不思議だよね。
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つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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