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「変愛小説集」/岸本佐知子さん、編

 2008-11-17-23:43
変愛小説集変愛小説集
(2008/05/07)
不明

商品詳細を見る

目次
五月   アリ・スミス
僕らが天王星に着くころ   レイ・ヴクサヴィッチ
セーター   レイ・ヴクサヴィッチ
まる呑み   ジュリア・スラヴィン
最後の夜   ジェームズ・ソルター
お母さん攻略法   イアン・フレイジャー
リアル・ドール   A・M・ホームズ
獣   モーリーン・F・マクヒュー
ブルー・ヨーデル   スコット・スナイダー
柿右衛門の器   ニコルソン・ベイカー
母たちの島   ジュディ・バドニッツ
 編訳者あとがき
愛にまつわる物語、十一篇。恋愛至上主義への意趣返しのはずが、編訳者、岸本さんも書かれているように、これが意外とピュアな愛の物語になっているのです。

私が好きだったのは、「五月」、「まる呑み」、「リアル・ドール」、「柿右衛門の器」、「母たちの島」。

突然、近所の家の庭にある木に恋してしまったわたし。「わたし」視点と、わたしが共に暮らす「私」視点がいいんだー(「五月」)。

近所の素敵な男の子、クリスをまる呑みしてしまった私。私の中に入ってしまったクリスとの、エロティックな日々が始まるが…(「まる呑み」)。

妹が持つバービー人形と付き合っている僕。妹の目を盗んでの逢瀬。妹の酷い扱いにも関わらず、バービーは妹のことをすっごくいい子というのだが…(「リアル・ドール」)。

本物の磁器とは、牛を感じるものでなくては。ルーシーの大伯母、パーチ夫人はそう言うのだった。子供のころから絵の巧かったルーシーは、長じて陶芸も嗜むようになった。「牛を感じる」磁器を作り上げた後に、彼女が作ったのは…(「柿右衛門の器」)。

この島は母たちの島。戦争により島を出て行った男たちは、とうとう戻ってくることはなかった。しかし、ある日違う男たちがやって来る。私たちの父親となった彼らは、再び島を去り、島はまた母たちの島となった(「母たちの島」)。

岸本さんの訳はどこか品があるんだよねえ、と書こうと思ったんだけど、この筋を書いていると、お話としては品とかそういう問題じゃないのもありますね。愛情がねじ曲がって、ちょっとホラーなところに着地しちゃったものもあるしなぁ。

突然、体が宇宙服に覆われ、最終的には宇宙へと旅立って行ってしまう、「僕らが天王星に着くころ」もその発想が面白かったし、ごく短い「セーター」、「獣」も当たり前の世界に、ぽーんと怖いものを持ってくるところが面白かったです。「お母さん攻略法」はこりゃまた随分とブラックだし(考えてもみてください。成熟した、経験豊かな、愛情深い女性がすぐ目の前にいるのです)、不治の病により自死を選ぶ妻とその夫を描いた「最後の夜」もまた、美しかった愛情が無残に壊れる様が残酷でした。崇高な愛のはずが、凡庸な愛に思いっきり邪魔されて白茶けています。

「ブルー・ヨーデル」はお話としては良く分かんなかったんだけど、小道具が面白かったです。蝋人形に交じってポーズをとり、急に動いて客を驚かせるなんて職業、実際にはないよねえ。その彼女の恋人の「僕」の仕事は、ナイアガラの滝で、誰かが樽の中に入って滝下りをやらないように監視することなのです。この二人のへんてこな職業が面白いし、どうしてそうなっちゃったんだかはまったく分からないのだけれど、クレアが飛び去ってしまうのが飛行船であること、国境など物ともせずひたすら飛行船を追うさまなど、なかなかに美しいのです。
コメント
岸本佐知子さんの訳というだけで、
面白そうですね。
私は、はじめ早とちりして、
「恋愛」小説集かと思っていたら、
ナント「変愛」なんですね。
【2008/11/18 22:56】 | honyomi #- | [edit]
そうなんです、「恋愛」ならぬ「変愛」なのです。笑
どれも、変愛の名に恥じない、へんてこっぷりなんですが、へんてこ
の方が、純粋に近づくこともあるわけで…。
一つ一つがそう長くないので、読みやすかったですよー。
岸本佐知子さんはすでにブランドですよね。笑
安心の岸本印!
(といいつつ、ニコルソン・ベイカーの「ノリーのおわらない物語」に挫折したのですが。汗)
【2008/11/21 00:09】 | つな@管理人 #- | [edit]
こんにちは。
この前出版社につとめている友人から、この本を紹介されました。
岸本パワー全開の、笑えておもしろい愛の小説だ、と。
彼女は「僕らが天王星に着くころ」がお気に入りだそうです。
近々呼んでみたい一冊になりました。
【2008/11/21 11:23】 | ふくろう男 #EaNH9XtA | [edit]
ふくろう男さん、こんにちは~。
おお、出版社にお勤めのご友人がおられるのですね。
ミーハーなので、いいなー、と思ってしまいます。笑

「僕らが天王星に着くころ」も確かに面白かったですね。
笑えるけれども、面白く、そしてちょっとしんみりする短編集でしたよー。
ふくろう男さんの感想も楽しみにしております♪
【2008/11/22 10:12】 | つな@管理人 #- | [edit]
こんばんはです。
遅ればせながら、ざっと目を通してみました。
なんか友人の趣味がよくわかりました笑。そういえば、岸本女史にそっくりなんですよね、彼女。
「ブルー・ヨーデル」「僕らが天王星に着くころ」が、つっこみ不在な感じが気に入りました。
余談ですが、蝋人形の仕事、E.ケアリーの「望楼館追想」の主人公がやっています。あれも変な人ばかり出てくる話でした。人に触りたくないから銅像のまねするとか。・・・
【2008/12/13 22:11】 | ふくろう男 #- | [edit]
ふくろう男さん、こんばんはですー。

うわぁ、岸本女史にそっくりですか。笑
それは色々なエピソードがありそうですねえ。
ああ、そうかー、確かに「ブルー・ヨーデル」「僕らが天王星に着くころ」は、つっこみ不在ですねえ。笑
ふくろう男さんの分類、いつもうまいですよね。「タタール人の砂漠」の”待ちぼうけ小説”とか好きです♪
ふくろう男さんのご趣味に合ったものはありましたか~?

「望楼館追想」、amazon見たら面白そう~。
教えてくださってありがとうです。
今度ぜひ読んでみます!
【2008/12/14 23:24】 | つな@管理人 #- | [edit]












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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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