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「知床・北方四島」/流氷の秘密
![]() | 知床・北方四島 カラー版―流氷が育む自然遺産 (岩波新書 新赤版 1135) (2008/05) 大泰司 紀之本間 浩昭 商品詳細を見る |
微妙に挫折本なのだけれど、一応メモ。岩波新書のカラー版って好きなんですよね。写真豊富だし、読みやすいし。ところが、ここのところ、色々な本に挫折している私。アザラシかわいー!、ヒグマ迫力あるー!、とパラパラめくりつつも、本としては完全には読めませんでした。
でも、日本人的には当たり前だと思っていた、「流氷」というものが、ヨーロッパや北米からの観光客からは、「海が凍っている」と驚かれるというのが、驚きだったなー。北海道って日本の中では寒いし北の地方だけれど、世界的に見れば特に緯度が高いという場所ではないのだものね。海が氷で覆われるのは「南極か北極辺りだけ」と思うのも、当たり前といえば当たり前?
勿論、流氷は「流」氷なわけで、実際にそこの海が凍ってるわけではないのだけれど、世界的に見ても、地理条件による特異な現象なんですね。でも、北の風物詩だし、ニュースの定番だから、特に不思議とも思わなかったんだよな。流氷はオホーツク海北西部の海上で十一月ごろ生まれ、次第に南へと張り出していく。知床半島をかわした後は、根室海峡を漂いながら二月ごろ太平洋へと流れ出て、五月には姿を消す。太平洋に注ぐ漏斗のこし口に当たるのが、根室海峡や国後水道、択捉海峡となる。
そして、流氷は豊富な植物プランクトンを連れてきて、それが豊かな連鎖を作りだすのだとか。流氷あっての、あの豊かな自然環境なんですね。自然環境といえば、返還されない方が自然は守られる、というような考え方が通用したのは、旧ソ連時代までの話なのだとか。米原万里さんの本を読んでいても、旧ソ連時代というのも、悪いことばかりではなかったんですねえ。
目次
はじめに
第1章 流氷が育む生態系
第2章 海と陸との意外なつながり
第3章 地球に残された「最後の秘境」
第4章 生態系に迫る脅威
第5章 自然遺産を守るために
おわりに
主な参考・引用文献