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「ディスコ探偵水曜日・下」/舞城王太郎、総決算?

 2008-10-02-00:40
ディスコ探偵水曜日 下 (2)ディスコ探偵水曜日 下 (2)
(2008/07)
舞城 王太郎

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のっけからページ数の話をするのはどうかと思うけど、下巻は書き下ろしの「第四部 方舟」だけで構成され、ページ数も452ページと、だいぶ常識的な厚さ(?)に落ち着いています。

下巻はいきなり、ディスコ(っていうか、孤児の日本人、踊場水太郎)の高校時代の話から始まります。上巻では比較的ポピュラーな方のグループにいた、という話だった水太郎は、ここでは上巻で馬鹿にしていたギーク(オタク)なグループの地味~な存在。ん??、って感じなんだけど、これにもまた一つの説明がなされます。

<パインハウス>に戻ったディスコは、梢を襲った相手に打ち勝つべく、名探偵たちと共に、時間と空間の外にあるものを考えます。ディスコは時空を曲げることが出来るようになったけれど、それでも起こった出来事を変えることはまだ出来ない。ところが、敵にはそれが可能ならしいのだ。

人間の≪好き嫌い≫は≪意識≫にも≪知≫にも縛られずにあるまさしく根本だ。「≪好き嫌い≫が世界の中心なんだ。そこから≪倫理≫も≪美的感覚≫も生まれるし、≪知≫も≪意識≫も制御され、≪世界≫の形ができあがる」。そして自分の持つ≪好き嫌い≫の感覚から生まれる≪こうあるべし≫≪こうあってほしい≫≪こうなってほしい≫という気持ちは、つまり≪意志≫なのだ。ならば≪意志≫のあるところに≪出来事≫が生じる以上、この世の全ては≪好き嫌い≫に誘導されるのだ…その≪好き嫌い≫の強さに応じて。≪鉄の意志≫によって。俺は梢を救う。そのために全てを曲げてみせる。(p96-97より引用)

梢を救うために未来へと飛んだディスコは、「梢式(Cozue-method)」なる忌まわしきシステムを知る。子供を虐待すると、その子供たちは苦しみから逃れようと人格を分裂させる。分裂した人格は、サブチャイルドの体の中に入り込む。サブチャイルドに入り込んだ分裂した人格は、10年もすればすんなりと癒されて消えてしまう。JJ率いるスタイロン社は、その空っぽになった身体を売っているのだ。クローン人間ともまた違う、ボディを丸ごと新しくしてしまうという、その斬新な仕組みは爆発的な成功を収めているのだが…。

子供たちを傷つける者は許さない。ディスコはどうやら未来の世界で、三億人の子供たちを攫い続ける運命(十三年で三億人。一秒に一人ずつ毎日十七時間ずうっと誘拐し続ければ可能な数字)にあるようなのだ。そして、この未来では、全員が失踪宣告を受け、死亡が確定していた、「パインハウス」事件の名探偵たち。ディスコは何と、<ラグナレク>にて世界を折り曲げ、「新世界」を名探偵やエンジェル・バニーズたちに任せ、自分は「旧世界」に残って、滅びゆく世界でひたすら子供たちを攫い続けることにしたのだ。

って、書いててもすっごい設定なんですが、たとえ矛盾があろうとも、大風呂敷過ぎて、この世界についていくのが精いっぱい。突っ込みようがないよーー。それでも、上巻で感じたメッセージと同じものを感じます。すなわち、子供は守るべきものであること、意志の力が世界を変えること、弱いことは悪いことだなんて決めつけんな!ってこと、気持は実際に力を持つこと、とにかく愛!とかそういうこと。更に強く感じるのは、世界への希望とか。

とりあえず、ディスコはそんな世界の中、愛する者とともに踊り続けるのです。舞城さんの世界は、グロかったりえぐかったりするのに、最終的にはすんごく明るくて、真っ当なところも特徴だよね。それこそ強い意志とか希望を感じるのです。
コメント
御無沙汰しております。
いつも、読書の参考にさせて頂いております。

舞城さんはこの作品か初体験だったのですが、
圧倒されてしまいました。
他のも読んでみたくなったのですが、おすすめはありますか。

【2008/10/03 19:00】 | ヒルネ #EY4s/JPE | [edit]
ヒルネさん、こんにちは!
読書の参考だなんて、ありがとうございます♪

おお~。舞城作品、これが初体験だったのですね。
…大変じゃあありませんでしたか?笑
初めてでこれを読み切るなんてすごいなぁ。
私、入口がこの本だったら、なんじゃこりゃー!で投げてたかもしれません。笑

私のお勧めは、西暁町の奈津川家のファミリー・サーガを描いた、「煙か土か食い物」と、短編(中編?)二本立ての「好き好き大好き超愛してる。」の二冊です。
「煙か土か食い物」が気に入られたら、テイストはだいぶ違うんですけど、「暗闇の中で子供」という続編もあります。

舞城作品を読むのは結構体力が要るような気もするのですが、もし今後他の作品を読まれるのでしたら、感想をぜひお聞きしたいです♪
【2008/10/04 10:19】 | つな@管理人 #- | [edit]
教えて下さってありがとうございます。

>総決算
とタイトルにあったものですから、どうも、これまでの舞城作品を読んでる人と、そうでないのとでは、この本の読み方が違ったかもしれません。
と思ったので、次のステージに移る前に、少し読んでおこうと思います。

あまり書き込みしてませんけど、
これからもよろしくお願いします。
【2008/10/04 18:20】 | ヒルネ #- | [edit]
総決算?などといいつつ、実は私も全作読んだわけではないんですけどねー。
でも、これだけ踊り狂ってるのは、他にはないかもしれません。
『九十九十九』は、清涼院流水のJDCシリーズ(って、私も読んだことないし、良く知らないんですけど)のトリビュート作品とのこと。
構成の複雑さは、私が読んだ中では、「ディスコ探偵~」を除けば、これが一番ですかねえ。

こちらこそよろしくお願いいたします♪
実は私もそんなに書き込みをする方では…。笑
舞城さんの他の作品の感想も楽しみにしていますね。
【2008/10/04 23:26】 | つな@管理人 #- | [edit]
読みましたよディスコ。

つなさんのブログを読んで、そうか舞城王太郎の伝えたいことはシンプルだったんだな、というのを思い出しました。そしてなんだか「ジョジョの奇妙な冒険」(ご存知ですか?)と似ているな、とも。

私は意識の問題が一番面白かったんですが、やっぱり愛もありますよね。愛だよ愛。
世界観の相関図で、好き嫌いが一番外側でしたが、そのあたりももっと詳しくやってもらえるとよかったなぁとも思いました。

まぁなんせいろんな要素が山盛りで、でも伝えたいことはシンプルで、とこの先新作はどうなっていくか心配です。ファンとしては。ちゃんと人気が出るといいんですが。
【2008/12/28 02:12】 | bookbath #- | [edit]
bookbathさん、こんばんはー。
私のほうは、「家守綺譚」に反応し損ねてしまいましたわー。
楽しまれたようで良かったです♪

さて、「ディスコ」。
確かにディスコはジョジョ立ちとかしてそうでもあります。笑
(「アメトーク」のジョジョ芸人ご覧になりました? ってなわけで、ジョジョは知ってますよー。ちょうど空条承太郎のあたり、弟のを読んでました)

愛と意識、意志の力、なんですかね。
今っていろいろ言い訳にする人もいるけど、そうじゃないんだよなー、などとも思いました。
世界観の話のあの部分、面白かったですよね。
なんか、言い訳すんな、やりたいことはやれ!とも受け取れました。笑

最近、要素山盛り小説にだいぶ免疫がついてきたようにも思ってたんですが、これ、最初は面食らいました。
振り落とされないようについていけるかしら?、と確かに少し心配ですね。笑
新聞書評なんかは好評なようだし、私が見た限りでは数は少なかったけどブログで取り上げられている場合、おおむね好評なようでした。
でも、そもそもこの厚さにあの表紙、読む人を選びそうですよねえ。
【2008/12/28 23:27】 | つな@管理人 #- | [edit]












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  • もしも時空を操れるなら/ディスコ探偵水曜日【できれば本に埋もれて眠りたい】
    ディスコ探偵水曜日 舞城王太郎 ディスコ探偵水曜日〈上〉/舞城 王太郎 ¥2,100 Amazon.co.jp ディスコ探偵水曜日 下 (2)/舞城 王太郎 ¥1,785 Amazon.co.jp このタイトルとこの表紙。 ああ、もうラノベでいいんだ、と思って読
【2008/12/28 02:02】
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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