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「陽気なギャングが地球を回す」/陽気なギャングだ、地球を回せ

 2007-11-23-00:14
伊坂 幸太郎
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

目次
第一章
悪党たちは下見のあとで、銀行を襲う
「犬の吠える相手が泥棒とはかぎらない」
第二章
悪党たちは反省を行ない、死体を見つける
「税金と死ほど確かなものはない」
第三章
悪党たちは映画館の話をし、暴力をふるう
「鞭を惜しむと子供はだめになる」
第四章
悪党たちは作戦を練り、裏をかかれる
 新書刊行時あとがき
 解説 ギャングをめぐる二つの考察と二つのおしゃべり
    ミステリ書評家・村上貴史


如何にも、伊坂さんらしく、つまらない(その時点では、という意味で)伏線が、ラストにはぴたぴたとはまり、自分たちなりの道徳観と判断指標を持つ人間たちが活躍する小説です。

ここでいうギャングとは、それぞれに特殊能力を持ち、けれども日常生活では普通の社会人としての顔を持つ、四人の銀行強盗グループのこと。銀行強盗という、一般には犯罪であり、そこに至るまでは高い障壁があると思われる行為であっても、彼らは飄々とその「仕事」をこなす。特にお金が必要なわけではなく、偶然、映画館爆破事件とその後の銀行強盗事件に居合わせたために、銀行強盗グループを組むことになった彼ら。人質となって銀行強盗を観察する機会を得たために、皮肉にもどうすれば銀行強盗が成功するか?ということが、理解出来てしまったというわけ。

分かったからには、実行しちゃいましょう、というノリの彼らの犯罪はとってもスマート。通報する隙を与えず、籠城することもなく、仲間の一人である響野が演説をぶっている間にボストンバックに札束を詰め、正確な体内時計を持ち、自動車の盗難だって朝飯前の雪子の待つ車で逃走する。そもそも、銀行から金を頂くとはいえ、それはきっと保険会社の懐が痛むだけで、誰も傷つけることのない実にスマートな犯罪なのだ(本当か?、という気もするけど。笑)。

そんな彼らとは対極に立つ、荒っぽい現金輸送車襲撃事件も、同時に街を賑わしていた。そうして、なぜか現金輸送車ジャックとニアミスした彼らは、みすみす銀行から奪った金と逃走用の車を、彼等に奪い去られてしまう。なぜ、そのグループにタイミングがばれたのか? 彼等の狙いは車だったのか、金だったのか? そこには、雪子の元・夫、地道(という名だけれど、「地道」さからは対極にある男)が関係しているようで…。

と、筋はこんな感じなんだけど、筋はどうでもいいというか、ギャングたちの個性が面白いお話です。映画化もされてたし、続編もあるのですね。これは映画化したくなるのが良く分かるな~。同じ伊坂作品でも、「アヒルと鴨のコインロッカー 」は映像化なんて、んな無茶な、と思ったし、「重力ピエロ 」もちょっと辛いと思うけど、これは普通に映像化出来ちゃうように思います。



さて、ここで、簡単にギャングたちの特徴をメモ。それぞれ、単独の能力としては銀行強盗に役立つものとは思われないけれど、四人集まると、立派な犯罪グループが出来上がるのです。そう、最初の伊坂さんの言葉にある通り、銀行強盗は四人いるのです。

■リーダー格の成瀬
:市役所勤務。その人間が嘘を吐いているかどうかを、完璧に察知することが出来る人間嘘発見器。別れた妻と、自閉症の息子、タダシがいる。
■嘘しかついたことがない、と評される響野
:妻、祥子と共に喫茶店を経営する。ボクシングでインターハイに出たことがある。演説が得意。
■人間よりも動物をこよなく愛する若者、久遠
:卓越したスリの技術を持つ。
■精巧な体内時計を持つ、雪子
:車の盗難もお手の物。慎一という、高校生の息子がいる。

その他、辞書の内容をイメージしたという、文章中に出てくる記述も楽しい。これは、『広辞苑 第五版』の記述に伊坂さんが脚色を施したのだとか(「アヒルと鴨のコインロッカー」といい、伊坂さんは広辞苑派なのかしらん)。

たとえば、【会話】では、「二人あるいは少人数で、向かい合って話し合うこと。また、その話。成立することは困難。どちらかが満足を得ると、どちらかは忍耐を強いられることが多い」とか、ちょっとシニカルな感じ。ちょっとくすり、くらいな感覚が程良いのでは。

☆関連過去記事☆
オーデュボンの祈り
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