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「いっぺんさん」/ノスタルジック怪異、朱川ワールド

 2007-11-26-21:11
朱川 湊人
いっぺんさん (いっぺんさん)

花まんま 」以来の朱川さんです。

舞台は「花まんま」とは違って大阪の下町ではないけれど、やはり「東京」が遠い地方都市を舞台にしているように思います。そして、ノスタルジックで、少し、こわい。

目次
いっぺんさん
コドモノクニ
小さなふしぎ
逆井水(さからいみず)
蛇霊憑き
山から来るもの
磯幽霊
八十八姫(やそやひめ)


たとえば、子供の頃の思い出を語るようなお話においては、重松清さんが描くような世界になってもおかしくはない。そこをぐぐぐ、と怪異の側に舵を切るのが朱川さん。「怪異」の味付けには、濃淡があるようにも思うけれど…。

■「いっぺんさん」
どんな願い事も一回だけ叶えてくれるという「いっぺんさん」。友達のしーちゃんの願いとは…。
働かず、暴力をふるう父、父の代わりに生計を支える母、そして幼い弟妹たち。追い討ちをかけるように、しーちゃんは病に侵される。「いっぺんさん」ははたして、しーちゃんの願いを、私の願いを叶えてくれたのか?

■「コドモノクニ」
冬『ゆきおんな』、夏『くらげのおつかい』、春『いっすんぼうし』、秋『かぐやひめ』の四篇からなる子供のお話。ソシテ、コドモタチハ……。

■「小さなふしぎ」

昭和四十年代初めのお話。父が大病を患ったため、貧しい暮らしを強いられていた私たち家族。貧乏は辛くはなかったけれど、幼い弟たちに駄菓子すら買ってやれないことが辛かった…。私は「鳥使い」の中山さんの手伝いをして、小遣いを稼ぐことになる。
自由を奪われ、小鳥の御神籤なる芸をする鳥のチュンスケと、戦争で片腕を失った中山さん。彼らが不幸だと誰が決めた? そうなった以上、自分のやり方で生きていくしかないではないか。そして、チュンスケの死後に現れた怪異。中山さんの取った行動とは…。

■「逆井水」
この一篇だけは、ちょっと毛色が違って、ユーモラスでもあるのかも。
世界を見てやろうと、中古のバイクを手に入れ、旅に出た三十歳、無職となった俺。
旅先で知り合った美女と、首尾よくベッドイン。さらに、その女が言うには、播菩山という山を回り込んだところにある小さな村には、若い女しかいないのだという。男の人がいない村。若さとタフさを見込まれた俺は、女の妹がいるというその村へ行ってみてはどうかと勧められる。どんなに居心地が良くとも、村にいるのは二日まで。それだけを忘れるな、というのが女との約束だったのだが…。

■蛇霊憑き
どうして、こんなことになってしまったのでしょう…。姉が語る、妹アケミの物語。
怪談に良くあるパターンと言えばそうなんだけれど、ぞーっとします。


■山から来るもの

母に恋人との時間をプレゼントするつもりで、年末に山間の田舎町にある母の実家へと帰った阿佐美。山の方へは近付かないように、と祖母に注意を受けるのだが…。山の近くで阿佐美が見てしまったもの。それは年に一度、山の奥の神社からこの世に降りてくる餓鬼。それを見た者には不幸が訪れるのだという。
「何があってもあーちゃんの味方」と言っていた、祖母の豹変ぶりが痛い。

■磯幽霊

北陸の親戚の家へと向かった小説家の私。私が海岸で出会ったのは、イヤリングを探す女の幽霊。危うく幽霊に海へと引っ張り込まれそうになった私。そんな私の元に、子供のころ、その幽霊となった女に誘拐されたことがあるという、奇妙な男がやって来る。

■八十八姫

僕が育った山間の小さな村では、姫さまが八十八年に一度交代する、「姫うつり」の儀式が執り行われていた。けれどその瞬間まで、まさか本当に村の女性の中から後継者を選ぶだなんて、僕は思ってもいなかったのだ。
淡い恋心を抱いていた君、羽純に届いた姫さまの「お知らせ」。
あれから三十年がたち、あの村は既に地図から消えてしまった。でも、僕の心の一部は、あの日、確実に動きを止めてしまったのだ。

ノスタルジックな朱川ワールド。すべてが後味の良い終わり方を迎えるわけではないのだけれど、この世界を堪能しました。
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Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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