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「千日紅の恋人」/帚木蓬生さんの恋愛小説

 2008-08-10-01:12
千日紅の恋人 (新潮文庫 は 7-18)千日紅の恋人 (新潮文庫 は 7-18)
(2008/03/28)
帚木 蓬生

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帚木蓬生さんといえば、まだそういう話が珍しかった頃から、医師であるという特性を生かした医療ミステリや、社会派のお話が多かったと思います。ロマンスはあっても、それは決して主役ではなく、ほんのちょっと、ひっそりと華を添えるような、そんなイメージ(まぁ、でも、きっとロマンチストなんだろうなー、と思う箇所はいくつかありましたが)。ところが、そんな帚木さんのこの本の帯には、「辛い別離を経験した時子さんに、素敵な恋が訪れた」とあります。

主人公の仕事を通して老人介護の話や、人間の日常生活の心持ちの話、そんな話もちらりとは出てきますが、他の作品では、脇役に追いやられていた「恋愛」の方がぐーっと押し出されている感じ。とはいえ、それは生々しいものではなく、あくまでほのぼのとしたものなんだけど。
死別、離別と二回の別れを経験した、三十八歳の時子さん(でも、見た目は若い)。ホームヘルパーの資格を持っている彼女は、ヘルパーとしての仕事と、亡き父が遺した扇荘の管理人という二つの仕事で生活している。住宅街にあるアパートのこと、周辺住民との間にも何かとトラブルがあったり、個性豊かな住人たちにも色々と問題はあるけれども、時子は母に代って、もう十五年も管理人としての務めを果たしてきた。個性豊かだけれど、正直、あまり立派な人が多いとはいえない扇荘。そんな古いアパートに、ある日、これまで扇荘の住人の中にはいなかったような、感じのよい若い男性(しかも、第一印象は「美男子」)が入居してくるのです。

とくれば、時子さんの恋愛の相手はもう決まったようなものなんだけど…。恋愛とはいっても、時子さんと母が出演する、カラオケの発表会を見に行ったりとか、時子さんの母を交えた一泊旅行とか、この青年、有馬さん、若いらしいのに(年齢が見つけられなかったんだけど、二十代後半なのかな?)、なかなかすごいアプローチをするんだよね。

いやー、時子さんは前の夫を偲んでるわけでは全然ないんだけれど、なんだか「めぞん一刻」の響子さんと五代君を思い出してしまいましたよ。管理人さんって、その人が魅力的な若い女性の場合、ぐっと魅力ある職業になっちゃうんでしょうか。

時子さんは扇荘で亡くなった高齢者のお通夜・お葬式を扇荘から出してあげたり、壊れた個所があればすぐに気付いて工務店に連絡したり、とその働きぶりはとてもマメマメしく、管理人の域を超えて情のあるところを見せるのだけれど、どーも細かい箇所で時子さんの性格が気になっちゃって。家賃を滞納するわ、洋服ダンス代りに外の洗濯紐を占有するわの、頂けない店子に対しては、心中では思いっきりその人だけ呼び捨てだったりとか、ある店子の商売に対して「小判鮫商法」と何度も出てきたりとか、ちょっとなんだかなーと思ってしまいました。要介護認定をきちんともらえるように、わざと惚けたふりをするんだ、と老母に指導したりする箇所とかもね(ま、これはこういう実情があるという話だったのかもしれないけれど)。

舞台が九州に設定されているので、私には正しい会話がわからないのだけれど、あと気になったのが、会話文がほとんど体言止めのように感じること。もともと帚木さんの会話文って、あまりこなれていない印象を受けていたんだけど、今回は字も大きく、会話も多かったことから、妙に気になってしまいました。

なんだかいちゃもんばかりつけてるような感想になっちゃったけど、決して悪い話ではないんです。さくさく読めるし、ほのぼのもする。でも、なんだか現代の話とは思われないし(というか、この時代設定は一体どの辺なんだー?)、正直なところ、帚木さんでこのお話を読まなくてもいいんじゃないか、という気がしました。なんというか、この本のテーマが良く分からなかったんです…。恋愛だけではなく、それぞれの癖のある住人たちが、なんとかまとまって暮らせるようになっていくシーンもある。そういう場面も含めて大人の童話なんでしょうか…。
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Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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