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「かえっていく場所」/宴のあとに

 2008-07-25-00:49
かえっていく場所 (集英社文庫)かえっていく場所 (集英社文庫)
(2006/04)
椎名 誠

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目次
1 桜の木が枯れました
2 高曇りの下のユーウツ
3 窓のむこうの洗濯物
4 東京の白い夜景
5 冬の椿の山の上
6 屋上男の見る風景
7 エルデネ村の狼狩り
8 アザラシのためのコンサート
9 波止場食道のノラ犬たち
10 雪山の宴。キタキツネの夜。
11 イイダコの水鉄砲
12 プンタ・アレーナスの金物屋
 解説―吉田伸子
椎名さんと息子、岳君の日々を描いた「岳物語」などに連なる、椎名さんの私小説的なお話です。娘と息子は成長し、日本を離れて暮らしている。もうきっと、この先彼らと共に暮らすことはない。妻と二人暮らしになってしまった椎名さんは、住み慣れた武蔵野の家から、都心へと居を移す。この本は、そんなシーンから始まっています。

以前と同じように取材旅行をこなしてはいても、東ケト会の面々と焚き火をしていた頃の勢いは既にない。椎名さん自身も不眠に悩まされ、アルコールでどうにか眠りにつく日々を過ごしているし、妻の渡辺一枝さんも体調が芳しくない。あんなに精力的に過ごしていたのに、肉体的にも精神的にも、人生の下り坂に差し掛かっている。そんなときに、「かえっていく場所」とは…。

あくまでも「私小説的」なものであって、そうはいっても、やはりこれはフィクションなんだろう。書いてあることをそのまま信じ込むほど、私ももう子供ではないけれども、前半の陰鬱な感じにはハラハラし、徐々に光が差し込んでくる後半ではほっとしました。手放しの身内(家族)自慢はちょっと気になるけど、公の場面できちんと家族を褒めることが出来るのはいいことだなぁと思います。

にしても、あれだけ精力的に好きなことをして過ごしていたように見えた椎名さんが、こんな風になっちゃうんだなぁ、というのがちょっとショックでした。下り坂に差し掛かった時、人は自分の好きな場所、愛する場所、時間に帰っていくのだろうけれど、自分はそういう場所を持てているのかなぁ、と思いました。人生には色々な段階があるんだろうけど、宴のあとのような時間をどうやって過ごしていくのか。宴が派手であればあるほど、大変なのかなぁ。

一点、残念というか、どうかな~と思ったのが、古い友人に関するくだり。この本の中では、椎名さん自身も、多少壊れ掛けているのだけれど、それは若き日の冒険というか旅を共にした友人も同じ。アルコールに溺れ、椎名さんを詰る姿は、書かない方が良かったんじゃないかなぁ。

「岳物語」「続・岳物語」の次には、「春画」があって、その後にこの「かえっていく場所」が続くんだそうな。前の二冊は読んでいたんだけど、「春画」はその存在すら知らず。ついでだから、「春画」も読んじゃおっかなー。
コメント
友人が詰るシーン、は衝撃的でした。だれだか確実にわかるだけに。
春画も単行本で読みました。でもバッチリ覚えてないのです。
【2008/07/25 23:01】 | jett #- | [edit]
jettさん、こんばんはー。
あのシーン、やっぱり衝撃的でしたよね…。
年上の友人とくれば、あの方ですよねえ。
お二人とも、人生そのものを売りにしてる部分もあるから、どこかで破たんしてしまうのでしょうか…。
jettさんは「春画」も読まれてるのですね。
(関係ないけど、jettさんが森絵都さんを読まれるというのが、微妙に衝撃的でした。笑 椎名さんはそういう意味では違和感無いんですけど)
「春画」は、この本のような衝撃的なところがなかったのでしょうか。
【2008/07/27 22:53】 | つな@管理人 #- | [edit]
つなさん、お久しぶりです。

椎名さんの本ですか!
私も岳物語や探検隊シリーズが好きで、生き生きした椎名さんの姿を読んでいたので、最近の様子を何かで読んで気になっていました。
「春画」が出た当時読んだのですが、すでにそれまでのシリーズとは空気が違って、なんだか澱んだ雰囲気だったのでとまどったことを覚えています。
こちらはその後・・ということで、読みたいのだけれどやっぱりかつての椎名ファンとしては、なんだか複雑な気分です。

でも、ヒトゴトじゃないですよね。
どれほど前向きに、生き生きと暮らしている人だって、将来のことはわからない。 老いは確実にやってくるのだし、自分の内外で起こる変化とどのように折り合っていくか。
帰っていく場所、自分はどうなのかな~なんて思っちゃいますよね。
【2008/08/06 01:36】 | 有閑マダム #.UUnsg0g | [edit]
有閑マダムさん、お久しぶりです。
無事に引っ越されたようで良かったです♪
お庭の様子もいいですねえ。

私も椎名さんの本ではまって、そこからいろいろ椎名さんのお仲間にもすっかり親近感を持っていました。
軟らかい本から、「シベリア追跡」のような当時の椎名さんとしては(たぶん)ちょっと硬めの本まで、一時期よく読んだと思います。
そっかー、「春画」ですでに澱んだ雰囲気が見えるのですね。
この本では、その澱んだ状態からほんの少し浮上する感じですが、確かにかつてのファンとしてはちょっと辛い描写もあるかもしれません。
そうはいっても、「作家」だから、ここに書いてあることがすべて真実ではないのかもしれませんが・・・。

自分の内外で起こる変化。
若いうちはそれに対応できるのでしょうけれど、老いが迫ってくるとどうやったって難しいんだろうな、と思います。
帰っていく場所。自分は確保できているのかなぁ、と思います。
(保険掛けるみたいで、確保っていうのもちょっと変な話ですけど)
【2008/08/10 00:04】 | つな@管理人 #- | [edit]












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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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