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表現について/「剣客商売」

 2005-03-14-12:12
ちょっと古い話になりますが、3/12(土)のYahoo!トピックスに、こんな一文が載っていました。

観光ポスター 「年増女」表現に苦情で廃棄 三重

どういうことかというと、 三重県観光連盟が2005年のキャンペーンポスターとして、「作家が愛した三重の味」と題したポスター作成した。これは、井上靖ら著名な作家の小説やエッセーで紹介された三重県の食べ物と、風景写真、作品中の文章を組み合わせたもの。このうち伊賀牛をPRするポスターが問題となった。問題となった一文は、72~73年、週刊誌に連載された池波正太郎のエッセー「食卓の情景」から引用した以下のもの。

「松阪の牛肉が丹精をこめて飼育された処女なら、こちらの伊賀牛はこってりとあぶらが乗った年増女である」

2月下旬、同県伊賀市内の観光協会が事務所玄関に張りだしたところ、女性十数人から「処女とか、年増女という表現は不快」との苦情が寄せられた。連盟は県の人権担当者に問い合わせ「エッセーが書かれたのは30年以上も前。時代にそぐわない」と指摘され回収を決めた。

一文だけ読んで、「処女とか、年増女という表現は不快」っていうのは、非常に勿体無いことだと思うんですけどね。池波作品を読んだ方はお分かりかと思いますが、確かに独特の言い回しだけれど、悪意のない愛情の篭った表現だと思います。ケシカラン、不快ダ!、というだけではなく、これを機に池波作品に触れても良かったのに、と思ったことでした。・・・読んだことのない人の発言ですよね?
今はネットが非常に発達しているので、TVで発言している人の発言の一部だけを切り取って、「こいつこんなこと言ってるー!おかしいぞ~」と糾弾して、「祭り」が始まってしまうこともある。確かに本当におかしなことを言っている人もいますが、そのバックボーンを知り理解した上で判断したいと思うのでした。勿論一つ一つの言葉は吟味すべきだと思いますが、言葉のニュアンスも大事にしたい。

そんな池波作品の内、私が一番好きだったのは、「剣客商売」シリーズ。amazonのレビューによるとこんな感じ。

勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ。剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く。

ええと、私的解釈ではこんな感じ。

普段はちょっとエッチで、息子大治郎よりも若い奥さん・はるを娶っている秋山小兵衛と、真面目一方な息子大治郎の物語。飄々とした小兵衛ではあるが、実は剣の達人。息子大治郎と共に並み居る悪人を次々となぎ倒し、江戸で起こる様々な事件を鮮やかに解決。

物語は基本的に一話完結の短編という形に収められているので、読みやすいです。長いシリーズですが、登場人物たちが少しずつ成長していくので、順番に読み進めていくことをお薦めします。
特に印象に残っているのが、大治郎と三冬の結婚が書かれた「新妻」。二人ともほんとに真面目一方、「朴念仁」なので、おはるいわく「奇妙な夫婦ができあがったもんだねぇ」。凛としたかっこいい三冬(男装の女武芸者ですから!)と、日常のことが出来ない(米は炊かねば飯にならぬと知らなかった、り)三冬。どっちも好きです。生活に関しては、その後早々に克服するはずですが。
男性にばかり都合のいい女性が出てくる時代物は大嫌いですが、池波作品は登場人物にみんな茶目っ気というか人間味があっていいです。

いい表現だと思うんですけどね、「松阪の牛肉が丹精をこめて飼育された処女なら、こちらの伊賀牛はこってりとあぶらが乗った年増女である」。
違った美味しさなんだなあ、食べてみたいなあ、と思いますけど。ダメなのかしら。食にまつわるエッセイも多く、これもまた面白い。粋なおじいさんの話を聞かせて貰う感じです。


著者: 池波 正太郎
タイトル: 剣客商売〈6〉新妻
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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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