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評価の基準/「グロテスク」

 2005-04-11-14:00

桐野夏生「グロテスク」

東電OL殺人事件に着想を得たと思われる物語。自己の存在意義をかけ、
もがく人々を描く。

高校の同級生だった「わたし」と和恵。「わたし」の妹で、怪物的な美貌をもつユリコ。高校時代、「エリート達」に認められようと必死だった和恵。ユリコはその美貌だけをもって、「エリート」に認定される。時が過ぎ、和恵は一流企業に勤務しながらも、女としての評価を得るために、夜毎街に立ち春を鬻ぐ。同じく街娼となったユリコ。和恵とユリコは娼婦として殺害される。なぜ二人は娼婦となり、殺害されたのか。「わたし」が語っていく。

これは本当に怖い怖い本だった。人間の嫌な部分が沢山書かれていて、誰もがどこか、当て嵌まる部分を持つのではないかと思う。
従順、協調性、優しさ等が、他者から見た際に重視される女性の世界。 さらに容姿や学歴など、シビアでいながら、明文化されていない基準は沢山ある。小中学生であっても、区別の基準が数多くあって、女の子のグループは形成されていく。
男性よりも女性の方が様々な評価にさらされていると思うのだけれど、最近は男性も容姿で評価されたりもするのだろうか。

唯一自己から離れた冷徹な目を持った、ユリコは醜くなり殺されてしまった。
私がこの本を怖いと思ったのは、この堕ちていく和恵にシンクロする部分があったからだと思う。何せ自称元優等生なもので。和恵のような行動に出ることはないけれど、いつまでも「評価」というものを求めてしまう気持ちも分かる。
結局、人の決めた相対的な土俵の上で戦っている限り、人は幸せにはなれないのだなあ、と思った。
足るを知ることは、しかしながら、大変に難しいこと。

しかし「東電OL殺人事件」関係の本は沢山出版されているわけで、あれから随分経ってはいるけれど、皆この事件に何か引っ掛かりを感じるのだよな、と思った。「昼はOL、夜は娼婦」なんて言葉に惹かれるオジサン的興味を別にしても。


著者: 桐野 夏生
タイトル: グロテスク

ところで最近、桐野夏生さんがとっても怖い。「ダーク」を読んで、ミロが!ミロが!(あ、トモさんも!)、と思い、何でこの人、こんなことまで書いちゃうのだろう、と呆然と致しました。精力的に創作活動されていることは確かだと思うのですが・・・。うーん、脱落してしまうかもしれません。「残虐記」は読んでみたいなあ、と思っている。

takam16さん【本と本屋と図書館に魅せられて】は、こちらの記事 で、角田光代著「対岸の彼女」を読み、『「対岸の彼女」&俺は男だぁー!!』と叫んでおられます。何でも「対岸の彼女」は、「女性がテーマの物語。編集者はみな女性」とのことであります。こちらを読んだら、自分はどう感じるのかなあ、と思いました。takam16さん曰く、「対岸の彼女」の感想は「読み手の年齢、職業、結婚暦、そして学生時代の過ごし方などの体験の違いでまったく異なるはず」とのことです。面白そうではないですか。

その後、読んだ「対岸の彼女」の感想をこちら にリンク。
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