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学問とは教育とは/「臨機応答・変問自在 森助教授 vs 理系大学生」

 2005-04-26-08:49

大学の教授は教師ではありません。
大抵の場合、彼らは「自分の研究をしたい」から大学に残るのであり「若い者にものを教えよう」と思って教授になるわけではありません。
一方、入学してくる学生の方は、受験勉強を突破したことに安堵しており、積極的な学びの姿勢を見せる者は数少ないと思います(私の在籍していた所だけかもしれませんが)。
教授は最高学府であるとのプライドからか、学生の目線に降りてくることはとても少ないですし、学生は与えられる勉強に慣れているので、教授と学生の関係はとかく一方通行になりがちです。
これは互いに不幸なことであるといえます。

著書の森博嗣氏は小説家としても有名ですが、国立大学の助教授として教鞭を取っておられます(もしかして、もう教授になっておられるのでしょうか?)
。私は氏の小説を読んだことがなかったのですが、読み易そうだったのでこちらを手に取りました。

森博嗣「臨機応答・変問自在 森助教授 vs 理系大学生」
集英社新書

氏の授業ではこの教授から学生への一方通行を解決するために、ある工夫を行っています。
講義の後に学生に質問をその場で提出させ、その質問に対し「ユーモアを失わない」回答を付けたプリントを配布するという授業を、何年間も続けているのです。

質問をさせることで理解度を評価するとともに、学生の自主性や創造性などを高めることが出来る。また、基本的にはインプットである勉強が、他人に物事を説明する行為が伴うとき、確実に理解度が深まる。
学生と教授にとって利害が一致する方法であると思います。
意識してものを問う姿勢が重要な因子となり、教師からではなく学生からのアプローチへとベクトルを切り替えることで、学問となり得る。学問の教育は躾ではない。

また子供の教育については、以下のように語っておられます。
子供が遊んでいる以上に楽しく遊んで、「早く大人になって自由に遊びたいな」と彼らに思わせようと考えている。
一生懸命生きている姿を見せることが、大人が子供たちにできる唯一の教育(この言葉には抵抗があるが)だと今は信じているからだ。

森氏の考えに一々納得の一冊でした。質問は授業内容に関連するもの以外に、科学、雑学、人生相談など、ヴァラエティ豊かです。ここはぱらぱらと流し読んだのですが、禅問答調のものもあり、面白かったです。


この本には「学生と教授」の質問と回答が載せられていますが、この後ネット上で質問を募集した第二弾も出版されています。こちらは森氏が誰であるかを知っている人達が主な層になるので、森氏曰く「多少の媚が感じられ、第一弾のほうが面白い」そうです(私自身も読んでそう思ったけど、とても正直な方なのですね)。
大学の先生と生徒という枠を離れた質問は、雑学、ネタからおなじみの人生相談ものまで多岐にわたり、二ヶ月の募集期間で1500以上もの質問が集まったそうです。

第二弾の中で参考になったのが、理系のスタンスと文系のそれの違いに言及している部分。本来文系人間である自分が、理系に進んで苦労したことも意外と役に立っているのかもしれないと思いました。スタンスを感じるためだけにしては、少々長く居過ぎましたが。
ちなみに「理系のスタンス」とは、「物理法則や数字はきっちりと割り切れるものだが、人間や社会といったものはつかみどころがなく、一般的に論じられないというものです。

?*文中の臙脂色の文字は、本書から抜書き、もしくは意訳を行ったものです。何か問題がございましたらご連絡下さい。

著者: 森 博嗣
タイトル: 臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生
著者: 森 博嗣
タイトル: 臨機応答・変問自在〈2〉

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