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まことの信心/「さいごの戦い」

 2005-05-20-08:14
有名な「ナルニア国ものがたり」。子供時代に箪笥の奥が気になった方もきっと多いはず。私もご多分にもれず、箪笥の奥が気になったし、同時期に読んでいた「グリーン・ノウ」の影響もあってか、古い民家なんかに行くと、ドキドキワクワクしちゃってしょうがありませんでした。どこかが異世界に繋がっているのではないか、と。

「ナルニア国ものがたり」は全七冊からなっていて、通して読むとナルニアという国の始めから終わりまでが、全て分かるようになっています。解説によるとこんな感じ(「」内が作品名)。

ナルニア生まれる     「魔術師のおい」
数世紀のち         「ライオンと魔女」
ピーター王のころ      「馬と少年」
数百年のち         「カスピアン王子のつのぶえ」
カスピアン王三年     「朝びらき丸 東の海へ」
カスピアン王七十年ごろ 「銀のいす」
チリアン王のすえごろ   「さいごの戦い」

イギリスの子供たちが偶然ナルニアという国に足を踏み入れ、この国の歴史に関わっていく。ナルニアには不思議な生き物が沢山暮らしていて、彼らから言わせると、人間は「アダムのむすこどの」だったり、「イブのむすめご」。ナルニアを訪れる子供たちの個性も色々で、中には不思議な物事に対してとても懐疑的な子もいる。皆が優等生なわけではない。子供たちはナルニアで過ごした後、現実の彼らの世界に戻って行く「さいごの戦い」ではもう戻らないわけだけど)。現実での時間の経過と、ナルニアでの時間は一致しない。ナルニアでの時は早く過ぎ、現実での時の歩みは遅い。だから、子供たちが長きにわたって、ナルニアの歴史に関わる事も出来るし、現実の社会に戻った時の違和感も少ないわけ。

実家から漸く引き揚げてきた本なのだけれど、流石に全七冊を読み直したわけではありません。印象に残っていた、「さいごの戦い」の箇所を書きたかったので、いきなりナルニア最後の本書について。

C.S.ルイス 「さいごの戦い」

ナルニア国は「偉大なライオンのアスラン」が創ったもの、本書ではその最期の様子が書かれる「偉大なライオン」が世界を「創った」という事で、まさに連想するのが聖書の世界。多少の宗教色は、やっぱり感じられる。

この最後の書の扉には、以下のように書いてあります。
辺境に住む大猿ヨコシマは愚かなロバにライオンの皮をかぶせてアスランと名のらせ、それが見破られると、今度は、破滅の神タシをナルニアによびよせてしまいます。人間界からはせ参じたジルとユースチスは、ナルニアを救うため、さいごの戦いにおもむきます。

いつもとは違い、冒頭からイヤな雰囲気。どんな冒険が始まるんだろう~、という御馴染みのワクワク感がありません。なんてったって、「ナルニア最期」なわけですから。大猿ヨコシマのせいで、ナルニアで暮らす人々、生き物達にとって辛い惨めな日々が続きます。人間界から子供たちが到着して、ヨコシマのいかさまが証明されても、一度騙された生き物達の中には疑い深く、「アスラン」「ナルニアの王」に対する不信感を剥き出しにする者達もいる。疑心暗鬼。


この本の中に大人になってからも印象深い箇所がある。

ナルニアと敵対するカロールメン人が信仰する「タシ」という恐ろしい神がいるのだけど、「タシ」を長らくまことに信仰していた年若いカロールメン人・エーメスに対してアスランが言う言葉。
「むすこよ、よくきた。わが子よ、タシにつかえたことはみな、このわたしにつかえてくれたことと思う。タシとわたしは一つではなく、まったく反対だからこそ、タシにつくすほんとうの信心は、わたしに通ずるのだ。なぜならわたしとタシとはまったく別であるから、よこしまな信心がわたしにむけられることはなく、よこしまならぬ信心がタシにむけられることはないのだ。タシにまことをちかって、そのちかいを守る者があれば、その者が知らないにせよ、その者がまことにちかった相手は、じつはわたしなのだ。」

キリスト教って様々な押し付けがあったけど、ああ、これはそうじゃないんだ、と。まことの心で信じたものは、真実の神に近づく。自分もカトリック信者なのだけど、本当にそう思う。自然や大いなるものに対する畏怖の念、尊敬の念は、きっと信仰に通じている。

更に本書はナルニア最後の書ではあるのだけれど、実はナルニア国はこれで終わりではない。

あの人たちにとって、ここからが、じつは、ほんとうの物語のはじまるところなのでした。この世にすごした一生も、ナルニアでむかえた冒険のいっさいも、本の表紙と扉にあたるにすぎませんでした。これからさき、あの人たちは、地上の何人も読んだことのない本の、偉大な物語の第一章をはじめるところでした。その物語は、永久につづき、その各章はいずれも、前の章よりはるかにみのり多い、りっぱなものになるのです。

ということで、物語が終わってしまっても、「終わっちゃったよ、しょぼーん」と淋しくならずに、またぐるぐると最初から読みたくなってしまうのです。子供の頃は、実際に無限ループしていたように思います。大人になってから読むのは引用箇所を見てもお分かりの通り、平仮名も多いし辛いかもしれないけど、いい本なのです。いろいろ考えさせられる要素が沢山詰まっているし、何よりも面白いのです。


著者: C.S. ルイス, C.S. Lewis, 瀬田 貞二
タイトル: さいごの戦い
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたらご連絡下さい。
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